SCP-6367

評価: +13+x
blank.png

アイテム番号: SCP-6367

オブジェクトクラス: Safe

chair

エージェント・ワティソンと相互作用する数分前のSCP-6367。

特別収容プロトコル: SCP-6367はアフリカ、アルジェリア北西部沿いの-30.36683, 45.81011に位置します。オブジェクトは人の活動地域から孤立しており、機動部隊イプシロン-98("太陽の監視者")の唯一の隊員により警備されます。これ以上の収容プロトコルは不要だと考えられています。

説明: SCP-6367はアルジェリアのグランエルグオキシデンタル地方に位置する、一脚の木製の椅子です。SCP-6367をそこに設置した人物やその目的は不明です。

椅子それ自体はいかなる外観上の異常性も呈しません。しかしながら、財団職員がオブジェクトと作用しようとする全ての試みは、SCP-6367が発見以来そこに座っているエージェント・パーカー・ワティソンに使用されているために成功していません。尋ねられると、エージェント・ワティソンはSCP-6367が実際は異常であることを確認し、この件について更なる詳細を述べることを拒否しました。エージェント・ワティソンがどのようにしてこの知識を獲得したのか、どのような論理により財団職員に情報の提供を控えたのかは不明です。

事前インタビュー: SCP-6367の発見、および着席した後にオブジェクトが異常であったというエージェント・ワティソンの主張の後、潜在的な異常についての更なる情報を確認するため、ナイルズ・ガストム研究員により以下のインタビューが実施されました。

[記録開始]

ワティソン: そうだ、この椅子には間違いなくイカしたものがあるな。

ガストム: イカした?

ワティソン: そ。

ガストム: どんな風に?

ワティソン: マジで快適だ。

ガストム: 何ですって? すみませんがあなたの言いたいことがわかりません。

ワティソン: 俺がまさに言いたいのは — この椅子は普通じゃないってことだ。

ガストム: どこら辺が…?

ワティソン: こうなったらもう立ち上がれない。

ガストム: おや。それではあなたは… 抜け出せなくなった、感じですか?

ワティソン: いや。

ガストム: [嘲るように]「いや?」

ワティソン: マジで抜け出せないって感じじゃあない。

ガストム: では立ち上がるなりなんなりできるんですか?

ワティソン: 試してみれば、多分。

ガストム: じゃ何があって立ち上がらないんですか?

ワティソン: この椅子にはイカしたものがあるから。

[記録終了]

補遺1: 事前インタビューでの出来事を結論付けると、エージェント・ワティソンは一週間経過後もなおSCP-6367を離れていません。エージェントとの更なる会話により、以下のことが判明しました。

  1. エージェント・ワティソンはいかなる物理的・形而上学的・魔術的なオブジェクトによっても行動を制限されていない。
  2. SCP-6367に長期間座っているにも拘らず、エージェントは不快感を報告していない。
  3. エージェントは事前インタビュー以降SCP-6367から移動することに一切の関心を示していない。
  4. エージェント・ワティソンに関して、財団セラピストはいかなる行動的変化も報告しておらず、異常スクリーニング検査も依然として不確定的である。

エージェント・ワティソンをSCP-6367から移動させる試みが進行中です。以下に言及されているのは、エージェントを移動させるために現場の収容チームが実施した行動と、そのこれまでの結果の現在のリストです。
行動 結果
エージェント・ジャッキー・ロバートソンはエージェント・ワティソンにSCP-6367から離れるよう正式に要求した。 結果は得られなかった。
エージェント・ロバートソン、ハワード・レインズ博士、トラヴィス・ラピッド研究員が全員でエージェント・ワティソンをSCP-6367から強制的に移動させようと試みた。 試みは失敗した。エージェント・ワティソンはSCP-6367から一切動かなかった。
SCP-6367の更なる調査を妨害したとして、エージェント・ワティソンに最大で終了を含む懲戒処分の脅迫を行った。 結果は得られなかった。エージェント・ワティソンは財団における自らの立場をほとんど考慮していない。
エージェント・ワティソンがSCP-6367を明け渡す代わりに、二週間の有給休暇を与える旨を提案した。 SCP-6367に残ることを選択し、提案は拒否された。
エージェント・ワティソンの家族がSCP-6367から帰ることを正式に要求するビデオが再生された。 エージェント・ワティソンは妻との離婚を開始するために財団弁護士の訪問を要求した。依然としてSCP-6367からは移動していない。
現実改変性アノマリーによるエージェント・ワティソンのSCP-6367からの強制的な移動を試みた。 全ての試みは失敗した。
1台のAMTブルドーザーがエージェント・ワティソンをオブジェクトから移動させるためにSCP-6367の収容サイトに導入された。 SCP-6367、エージェント・ワティソンの双方が現在の位置から移動せず、全ての試みは再度失敗した。使用されたブルドーザーは、後にSCP-6367およびエージェント・ワティソンに触れていた前部付近に大きな凹みが発見され、修理に出された。
エージェント・ワティソンは、SCP-6367から離れることを順守する代わりに財団が何を提供できるか尋ねられた。 補遺2を参照。

補遺2: 補遺1の後、エージェント・ワティソンは財団職員から、SCP-6367から移動することに納得できるかどうか尋ねられました。更なる会話の後、エージェント・ワティソンは彼が移動する唯一の方法は、財団職員が以下を完了できた場合のみである旨を述べました。

時間改変性の異常現象を利用して、職員は別の時間軸からもう一人のエージェント・ワティソンを回収し、SCP-6367から永久に離れるよう説得させる。

財団エージェントはワティソンの要求に同意し、もう一人のエージェント・ワティソンを回収する準備を開始しました。この任務はサイト-01のΔtにより完了され、別のエージェント・ワティソン(以降エージェント・ワティソン-2と呼称)をSCP-6367に派遣しました。

到着後、二人のエージェント間で以下のやり取りが記録されました。

[記録開始]

ワティソン-2: やあ、俺。

ワティソン: よお、俺。

ワティソン-2: そんな椅子の上で何やってんだ?

ワティソン: どういうことだ?

ワティソン-2: つまり… ただそこに座ってるってのはちょっと変じゃないか? それで何もしないのか?

ワティソン: いや。別に。

ワティソン-2: あら、なんで「いや」なんだ?

ワティソン: だって。そもそも、お前はこの椅子に座ってみたか?

ワティソン-2: 無理だろ — お前がそこに座ってちゃ。

ワティソン: 代わってやってもいい。

ワティソン-2: ええと、そうだな、でも言いたいのは… なんでだ? それの何がそんな特別なんだ?

エージェント・ワティソンは椅子から立ち上がる。

ワティソン: 来ればわかるさ。

ワティソン-2: おや。じゃ、わかった。やってみる。

エージェント・ワティソンはSCP-6367の脇に寄り、エージェント・ワティソン-2が代わりに椅子に座る。

ワティソン-2:

ワティソン:

ワティソン-2: あら。

エージェント・ワティソンは歩いてSCP-6367から離れる。

[記録終了]

その後、エージェント・ワティソンはΔtの承認の下、ワティソン-2の現実へと出発しました。エージェント・ワティソン-2は同様にSCP-6367に留まっており、財団職員が彼を現在の位置から移動させるあらゆる試みを拒否しています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。