SCP-642
評価: -5+x

アイテム番号: SCP-642

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-642-1とSCP-642-2の双方が、放射線量が高く療養に適さない地域と指定されてフェンスで隔離されています。民間人の接触を防止するために財団職員による監視が継続されています。

いかなる場合においても、機能する精巣組織を持った男性はSCP-642-1やそこから得られたサンプルと接触してはなりません。機能する卵巣組織を持った女性は、SCP-642-1での監視や労働を行っている間は厳格な財団避妊プロトコルを順守し、SCPから得られた水の摂取や水への浸漬を控えるべきです。財団の実験と無関係なあらゆる哺乳動物の健全な雄はSCP-642-1から3メートル以上の距離を取らせ、熱に過敏な財団職員もこれに倣ってください。

その温度を除けば、SCP-642-2は男性職員に危険はありません。しかし妊娠中で妊娠の継続を望む女性職員は、SCP-642-2の境界から3メートル以上の距離をとらなければなりません。

説明: SCP-642-1とSCP-642-2は、アイスランド北部の███████-██████████████地方に位置する、およそ6キロメートル離れた1対の地熱温泉です。湧出量が多い(SCP-642-1は160リットル毎秒、SCP-642-2は165リットル毎秒)ことが特徴で、水温は季節に応じて45℃から57℃の間で変化します。この場所は、島の人口密集地の大部分に対して地理的に離れた不便な位置にあります。これらは20██年の██████大規模ゲノム解読プロジェクトにおいて財団の注意を惹きました。████████████████渓谷に派遣された財団エージェントが異常データについて調査し、██████の研究結果は検閲されて封印されました。

20██年現在、██████████████では400年以上男児の出生がありません。代わりに、██████████████の住人はSCP-642-1の特異性質を利用しています。性成熟した雌の哺乳類をSCP-642-1の水に浸漬すると、産雌単為生殖、つまり排卵前の卵胞に存在する2個の未受精卵または極体が融合し、親と遺伝的に同一の二倍体接合子の産生が誘導されます。SCP-642-1の生物、化学的特性から、接合子の初期発生は促進されて通常の2倍から4倍の速度となります。

エージェント███████が誤ってSCP-642-1に浸漬したことによって、SCP-642-1の特性は性別に依存せず、体内のあらゆる成熟配偶子の融合を誘導し、当該細胞の細胞質組成にかかわらず急速な接合子の発達を招くことが判明しました。通常、ヒトの成熟卵子は一度に1個ずつしか生成されませんが、成熟した雄性配偶子―精細胞―は常に数百万個が生成されています。エージェント███████の症状は当初、SCP-642-1の高温に曝されたことによる炎症であると過小評価され医学的な評価は行われませんでした。彼の状況が認識された時、組織へのダメージは[削除済]。エージェント███████の剖検はセクター-7の医学研究室においてBSL-3プロトコルの下で行われ、[削除済]が摘出されました。レベル4セキュリティクリアランスを持つ職員は文書#CH-2462において結果の閲覧が可能です。

エージェント███████の死後、██████████████住民とのさらなる情報交換によって6キロメートル先でSCP-642-2が発見されました。SCP-642-2はSCP-642-1の反対の作用を持つものとして言及され、大きく異なる化学組成と、以前に知られていない複数の未知の好熱性微生物が発見されました。SCP-642-1よりも水温が5℃から10℃ほど低いことから、SCP-642-2への浸漬は一般的に、より容易です。浸漬して5分以内に、未着床の発生中接合子の外層である胚盤胞の全細胞の分裂と成長が停止して分解を始め、未着床受精卵の死と排出に繋がります。SCP-642-2近辺の動物遺体の調査から、この作用はより進んだ妊娠段階においても適用され、胎盤組織の破壊に続く全妊娠残留物の即時排出により死を引き起こすことが示されました。

マウスを用いた実験から、SCP-642-1とSCP-642-2の作用は水が採取されてから24時間後にも残存していることが示されました。2種の水を比較的均一に混合した場合には、明確な作用は確認されませんでした。前者の水を80%またはそれ以上の割合で混合した水を用いて実験が続けられています。どちらのSCPから生成された水も、経口摂取した場合には浸漬と同じ作用を齎します。

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