SCP-645-JP
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SCP-645-JP(画像赤円内、MGC 224方向にて撮影)

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SCP-645-JPの影響を受けた画像(バックアップ取得済み)

アイテム番号: SCP-645-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-645-JPは現在未収容です。SCP-645-JPの出現が観測された場合は、財団所有の人工衛星を用いて動向を調査してください。SCP-645-JPの撮影に成功した場合はその場で映像及び写真のバックアップを取得した後、実験に使用してください。主な調査活動はサイト-8118及び月面仮設サイト-3が行っています。

2016/7/10追記: 現在、SCP-645-JPが接触したと思われる座標の有人探査は無期限に禁止されています。今回の禁止措置には、民間の有人探査の規制も含まれます。規制の際には随時カバーストーリーの作成、流布を行ってください。

説明: SCP-645-JPは外宇宙に出現する木造の船舶であると推測されています。後述する異常性の影響で、詳細な外見情報は不明ですが、全長は約80m程であると推測されています。調査のためこれまでにSCP-645-JPへ接近・接触する試みが行われてきましたが、約6000km附近まで接近した時点で、SCP-645-JPがその場から消失する形で失敗しています。また宇宙空間にSCP-645-JPが出現・消失する際に極短時間の時空間異常が発生します。この時空間異常は微弱な発光現象として観測されますが、現時点でこの発光現象に伴う物理的な被害は確認されていません。後の調査でSCP-645-JPが出現、消失する際、同時に月面でも微弱な発光現象が発生する1ことが判明しました。月面で発生した発光現象はSCP-645-JPが出現、消失する際に発生するものと外見上同一であり、SCP-645-JPの出現が月面の周囲で頻発していることから、SCP-645-JPと月面に何らかの関連性があるとし、月面仮設サイト-3が建設されました。SCP-645-JPの移動経路等に共通点は発見されていませんが、最大で████光年以上の移動を行った事例が記録されています。

SCP-645-JPを撮影・録画した媒体の画像解析を行った場合、媒体に映るSCP-645-JPの外見が変化します。ほとんどの場合SCP-645-JPは陶器製の皿に類似した外見に変化しますが、装飾の有無やデザイン、皿の大きさ等の詳細な変化は写真や映像によって変化します。外見が変化する詳細な基準は不明ですが、至近距離まで画像を拡大、画質の向上を行うことで優先的に変化していることから、SCP-645-JPの詳細な外見が判別可能になるまでの解析を行うことで外見が変化すると推察されています。現時点で外見が変化したSCP-645-JPの画像を復元する試みは成功していませんが、単体の画像毎に変化が生じるため、同一の画像を複製することで、疑似的な外見変化の対策を行うことが可能です。

2005/2/18、蒐集院が作成した資料を調査したところ、SCP-645-JPと思われるオブジェクトの情報が発見されました。資料は平安時代前期に書かれたもので、SCP-645-JPは約80m程の木製の船舶として記載されていました。これらの情報に加え、雲に類似した物質を発生させていたこと、複数の人型の実体が乗船していたこと等、財団が把握していない情報も記載されていました。現時点で判明している情報と蒐集院が発見したオブジェクトとの差異は確認されていませんが、資料の信憑性が低いため、SCP-645-JPの説明欄の更新は保留されています。信憑性が低いと判断されている理由として、当時蒐集院が行った隠蔽工作、中でも流布されたカバーストーリーと情報が混同されていること等が挙げられています。現在財団はさらなる資料の捜索及び調査を行っています。資料の詳細は補遺4を参照してください。

補遺1: 2008/2/15、月面仮設サイト-3の職員がケプラークレーター内で人型実体を1体発見しました。実体は仰向けの状態で発見され、活動の兆候が確認されなかったため回収、調査されました。実体は人間の女性に類似した外見をしており、発見当初はそれぞれ櫛を模していると見られる装飾品2・単衣と思われる衣服、蒐集院が保有していた文献に記載されていた「羽衣」に類似した衣服を身に着けていました。実体に目立った外傷はなく、十分な防護措置が施されていなかったにも関わらず、劣化及びその兆候も確認されませんでした。また上記に付随して実体は腐敗の痕跡は確認されませんでしたが、アンモニア臭に酷似した刺激臭を発していました。なお実体の構成要素は所持していた物品・刺激臭を含め、すべて既存のものと一致しませんでした。

事案645-JP-1: 2008/2/16、月面サイト-3の安置室にて保管されていた人型実体が消失しました。サイト内の監視機器には、陶器製の皿に類似した実体が画面の9割を占める割合で記録されていました。出現から5分後、皿が消失し、再び安置室が映し出された際、死体はその場から消失していました。当時内部に存在した物品を使用した場合でも安置室を内部から解放することは不可能であり、安置室に脱出の痕跡は確認されませんでした。また当時就寝していた2名の職員が類似した内容の夢を見ていたことが判明しました。夢を見た職員2名は、当時人型実体の回収を担当した職員であることが共通していますが、夢を見た原因については不明です。現在財団は捜索範囲を拡大して調査をおこなっていますが、実体の発見には至っていません。以下は、類似した内容の夢を見た職員へのインタビュー記録です。

インタビュー記録645-JP-1:

対象: エージェント・ハリー

インタビュアー: 葵博士

記録開始

葵博士: エージェント・ハリー、昨夜見た夢について教えてくれ。

エージェント・ハリー: そうですね、気が付くと草原みたいな場所にいました。そこで男性…の姿をした人に接触しました。

葵博士: 男性か。詳細な外見を。

エージェント・ハリー: 耳が少し長かったり、宝髻をつけてました。後はそうですね。とにかくきれいな服を着ていました。

葵博士: なるほど、続けてくれ。

エージェント・ハリー: そうしたらその男性が自分の方に近づいてきて、僕に何か言ったところで目が覚めました。

葵博士: 何か、とは?

エージェント・ハリー: はい、なんと言っていたか、確か――

エージェント・ハリー: 汝らの行いたるは、己が使命に反するものなり。だったはずです。

葵博士: その言葉に心当たりは?

エージェント・ハリー: ありません。

後略

終了報告書: その後、夢を見たもう1人のエージェントにもインタビューを行ったところ、声をかけたのが女性であったことを除いて同様の供述をしました。夢で見た女性は回収された人型実体と服装・装飾・顔の作り等の詳細な差異を除いて類似していたと供述しました。

補遺2: 2009/11/30、日本時間午前1時9分に出現したSCP-645-JPが金星に接近、物理接触を行いました。接触から13秒後、SCP-645-JPはその場から消失しました。 これを受け財団はSCP-645-JPが接触したと予測される座標の探査を目的とした探査作戦645-JP-1の実行が決定しました。

事案645-JP-2: 2010/1/2、探査作戦645-JP-1にて初期探査を担当していた衛星ステーション-5内で火災が発生しました。火災は座標25Cから約800万km離れた地点で発生しました。火元は衛星ステーション内に保管されていた食料であることが判明していますが、すべての容器が防火性に優れているにも関わらず炎上しました。また発火した火は23分間に渡って炎上し続けましたが、炎上中衛星ステーション-5内の酸素飽和度及び気圧は変化しませんでした。なお炎上中衛星ステーション内の消火システム及び職員による消火活動が行われましたが、消火には至らず、自然鎮火しました。これを受け探査作戦645-JPは中止され、衛星ステーション-5内での事後処理が行われました。乗員にケガはなく、内部も火災による大きな損傷は確認されませんでした。特筆すべき点として火災が発生していた間、乗員全員が、強い空腹感を訴えていました。

補遺3: 2015/█/██、日本時間午前4時30分に出現したSCP-645-JPが火星に接近、物理接触を行いました。接触後20秒でSCP-645-JPはその場から消失しました。探査作戦645-JP-1実行の際に発生した火災の再発が懸念されましたが、初期探査の結果、火災は発生せず予定通り座標に着陸できたことから、探査作戦645-JP-2が火星にて実行されました。以下は探査作戦645-JP-2の実行中に行われた通信のログ及び記録の抜粋です。


補遺4: 以下は、SCP-645-JPと思われるオブジェクトに関する記載がされた、蒐集院の資料を現代語訳したものです。
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