SCP-647-JP
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SCP-647-JP

アイテム番号: SCP-647-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-647-JPはサイト-8163のBSL3防疫区画に設置された特殊排水システム搭載型標準防水収容コンテナ(S3D2-C)内に収容されています。回収したSCP-647-JP-Bは一度大型イノックスタンクに貯蔵され、Cクラス有機廃液処理プロトコルに基づいて廃棄されます。

説明: SCP-647-JPは高さ900mm、中央直径790mm、容量228Lの木製洋樽です。遺伝子情報解析の結果、一般的なワイン樽とは異なりザクロ(学名:Punica granatum)に由来する材木で構成されていることが判明しました。
SCP-647-JPは如何なる手段を用いても破壊することは出来ず、また内部温度を38.0℃に保つ高い恒温性を有しています。

SCP-647-JPは醸造イベントを通じてSCP-647-JP-A及びSCP-647-JP-Bを生成します。醸造イベントはSCP-647-JP内部で行われるためその直接的な観察は不可能ですが、超音波やMRIを初めとする非破壊検査によって間接的に調査することが可能です。SCP-647-JP-AはSCP-647-JP内部に発生するヒトの胎児型存在です。初期のSCP-647-JP-Aは胎芽状態で、その成長に伴って一時的に内臓組織やヒトを構成する器官を発達させますが、内部骨格やそれに準ずる器官は存在せず、細胞膜や皮膚によってのみ形状を維持していると考えられています。

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SCP-647-JP-B

SCP-647-JP-Aはおよそ280日の成長期間を経て成熟し、その後SCP-647-JP-Bへと変化します。SCP-647-JP-BはSCP-647-JP-Aが崩壊して生じたアルコール度数18%の醸造酒です。僅かに濁った赤色で芳香を放っており、ザクロ由来の成分1とヒト由来のタンパク質や脂肪を多く含んでいます。SCP-647-JP-Bは特筆すべき物性を有してはいませんが、嚥下した対象に酩酊感を与えると共に嬰児2の泣き声に似た幻聴を引き起こします。幻聴は20~90秒間持続しますが、この時間は対象がSCP-647-JP-Bの後味を知覚している時間とほぼ同一であることが判明しています。

SCP-647-JP-Aの崩壊から24時間後、SCP-647-JPの蓋部分には小規模な裂傷が発生し、それに伴ってSCP-647-JP-Bがオブジェクト外部に流れ出します。一連の醸造イベントはSCP-647-JP-Bの流出をもって完結し、72時間に及ぶ裂傷の自己修復の後、自発的に反復されます。

補遺1: SCP-647-JPは、████/10/14に京都市伏見区[編集済]の酒蔵で発見されました。同年10/7、酒造業を営む藤原██氏が行方不明になったという通報を受けた京都府警が失踪事件として捜査中、藤原氏が従業員である櫻井█氏に対し“秋津3”と名乗っていたことが判明しました。このことから同氏と“石榴倶楽部”との関連性が浮上したために財団による更なる調査が実施され、当オブジェクトの発見に至りました。なお、その後大規模な捜索が行われましたが同氏の発見には至っておらず、未だ消息不明です。
エージェント・菻によって行われた櫻井█氏に対するインタビューの結果、以下の証言が得られました。

遺伝子検査の結果、SCP-647-JP-Bと櫻井氏の間には遺伝的共通点が確認されました。また精密検査により櫻井氏には卵巣の欠損が確認されましたが、その他の現実的・生物学的異常性が認められなかったためクラスB記憶処理を施し解放されました。

補遺2: 藤原氏の自宅から、ボトリングされたSCP-647-JP-Bが計12本4発見されました。ボトルには『Carol di prosperità』と印字されたラベルが貼っており、それぞれにNo.109~No.120までの数字が割り振られていました。SCP-647-JPの容量と収容以前に発生した醸造イベント数から推定して、最低███本のSCP-647-JP-Bボトルが現存すると考えられていますが、未だそれらの発見には至っていません。

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