SCP-648-JP
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アイテム番号: SCP-648-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-648-JPの個体は生物サイト-81██にある昆虫飼育施設の一室に収容されています。SCP-648-JPの異常性を発現させる可能性があるので、収容室に入室する際には円運動を行う物品1を持ち込まないでください。未収容のSCP-648-JPについては機動部隊む-4(”虫とり少年”)によって捜索、回収が行われます。また、SCP-648-JPの異常性によって事故などが引き起こされた場合は当事者の記憶処理と事件に合わせたカバーストーリーの適応が行われます。

説明: SCP-648-JPは異常な性質を持つトンボの一種です。DNA解析の結果によりアキアカネ(学名:Sympetrum frequens )の近縁種であることが判明しています。色や体長、生息地等がアキアカネとほぼ同一のため、目視で二種を判別するのは非常に困難です。

SCP-648-JPの異常性はSCP-648-JPの成虫個体(以下「個体」と称する)が連続する円運動を認識した場合に発動します。SCP-648-JP個体が円運動を認識するとその周囲にいるヒトは回転性の眩暈を発症します。この眩暈は三半規管の異常による一過性のものであり、時間経過によって症状は緩和、消失します。効果は個体を中心としたおよそ直径5~15mの球形の範囲に及び、その強度は個体からの距離が近い程に強いものとなります。眩暈による視界の回転方向はSCP-648-JP個体が認識した円運動の方向と同一です。この眩暈に加え、SCP-648-JP個体が異常性を発現させている時にその周囲約80cm以内にいるヒトは、個体に最も近い体の部位を起点として全身が円運動の方向にねじれ始めます。この変化は眩暈とは異なり一度始まると対象が死亡するまで止めることが出来ません。対象は最終的に血管や筋肉の断裂、骨折、臓器破裂等によって死に至ります。

個体が一度円運動を認識してから20~30秒間はこれらの効果の及ぶ範囲が個体の周囲に存在します。個体に接近する際には異常性が発現しているか十分に注意してください。なお、SCP-648-JPの幼虫にこの異常性は現れません。

SCP-648-JPは197█/08/██、██県で複数の車両が突然制御を失い公園に突っ込むという大規模な交通事故が発生した際に発見されました。現地に滞在していたエージェントによる調査により、事故の生存者が総じて「突然激しい眩暈がした」「視界が回転し運転どころではなかった」等と供述したことや不自然なまでにねじれた複数の死体が存在していたことが判明し、何らかのオブジェクトによる効果が疑われました。事故の被害者や目撃者には記憶処理を施し、カバーストーリー「真昼の飲酒運転」が適応されましたが、その後の追加調査により事故の当事者だけではなく現場周辺の住民も事故の前後に同様の眩暈を訴えていた事が判明しました。これを受け効果の確認された一帯の中心にあたる公園及びその周囲を捜索した際に、偶然公園内のSCP- 648-JP個体が異常性を発現させたことで確保、収容に至りました。公園内の花壇には風車が多数あり、回転する風車をSCP-648-JP個体が認識したことでその異常性が発現したと考えられています。

補遺1: SCP-648-JP発見後に継続的に行われた個体数調査により、気候変化、開発などの環境破壊、アキアカネとのエサの競合、交雑による形質の消失といった要因によって異常性を持つ個体数が減少していることが判明しました。この為SCP-648-JPの異常性が原因と思われる事故は年々減少傾向にあります。

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