SCP-6585

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SCP-6585実体。民間人による撮影。

アイテム番号: SCP-6585

オブジェクトクラス: Archon

特別収容プロトコル: 執筆時点で、76体のSCP-6585実体に追跡装置が皮下に取り付けられています。この装置は新たな実体を誘発しない程度に目立たない状態であることが証明されています。SCP-6585出現イベントは監視を行いますが、直接的な干渉を行わないでください。SCP-6585の影響を受けた民間人の居住地域では、記憶処理を施すべきではありません。これは、研究によって記憶処理がSCP-6585の出現周期に干渉すると推測されたためです。

説明: SCP-6585は、世界各国の地域で周期的に出現する異常性を持ったイエイヌ(Canis familiaris)の総称です。SCP-6585実体は、毛皮に貼りついた、薄手の白い生地の片面に黒のマーカーで「COMMUNITY DOG」と書かれたもので識別することができます1。識別の目印であるこの生地は、損傷に対する耐性を持ち、如何なる方法でも実体から完全な除去をすることができませんが、SCP-6585は不快感を示すことはありません。SCP-6585はおよそ400体の一群2で構成されており、6ヵ月おきに場所を移動します。幅広い犬種のSCP-6585が記録されており、体長の観点では標準的なチワワ(一群につきおよそ30-35体)からアイリッシュ・ウルフハウンド(一群につき3体)まで存在します。

SCP-6585は通常、経済的困窮、または/あるいは社会的混乱に見舞われた地域に出現します。各実体は、著しい個人的ストレスを抱えた地域住民を捜し出し、大抵はその住民の居住地に居座り、原則として精神的なサポートを行う動物のように振る舞います。SCP-6585の影響を受けた対象は、犬が非常に嫌いであると知られていた人物であっても、影響を受けている間は例外なく幸福感と充足感を覚えたと述べています。出現イベントが終了した際には、影響を受けた地域にいた全ての人物は発生イベントを記憶していますが、実体が突然消失したことに違和感を覚えません。

SCP-6585実体は、一般的なイヌと識別がつくような異常性を何点か持っています。SCP-6585実体は肉体的な加齢が発生しないか、栄養を全く必要としません。しかし、個々の楽しみとして食事を行うことがあります3。他の行動についても、異常性を持たないイヌと比べ変化しており、通常はより人間に好まれるような行動をとります。例として、SCP-6585実体は、異常性を持たないイヌが大抵は不快に感じるようなハグや、その他、人間が身体を密着させるような愛情表現を楽しみます。SCP-6585の影響を受けた地域では、先述の異常について概して感づくことがないか、感づいたとしても気に留めることがありません。

SCP-6585発生イベントの抜粋:4

日付 場所 発生した経済的/社会的事象
1930年1月-6月 アメリカ合衆国・ニューヨーク 1929年・株価大暴落
1943年7月-12月 アメリカ合衆国・ロサンゼルス ズート・スーツ暴動
1957年1月-6月 ハンガリー・ブダペスト ハンガリー動乱
1968年7月-12月 フランス・ボルドー 五月危機
1989年7月-12月 中国・北京 六四天安門事件
1995年7月-12月 韓国・ソウル 三豊百貨店崩壊事故
1993年1月-6月 イギリス・ロンドン ブラック・ウェンズデー
2009年1月-6月 アメリカ合衆国・ニューヨーク グレート・リセッション
2020年7月-12月 アメリカ合衆国・ミネアポリス ジョージ・フロイド抗議運動

補遺 6585.A:初期収容の失敗: 1968年、財団はSCP-6585を初めて発見した際、SCP-6585はEuclidに分類され、影響下にある地域からSCP-6585実体を除去するよう初期収容プロトコルで指定されました。しかし、1970年に初めて、かつ唯一行われた収容に続いて発生したイベントを受け、現在の監視プロトコルが確立されることになりました。

1970年7月、進行中のSCP-6585イベントがジョージア州・オーガスタで発見されました。当イベントは2ヵ月前にオーガスタで発生した暴動に反応したものとみられています。1968年にフランスでSCP-6585イベントを確認し、その影響について2年間研究を行っていた財団の研究員は、SCP-6585実体の回収及び付近のサイトへの一時的な移動を行い、オーガスタのイベントの阻止を試みました。SCP-6585実体をオーガスタから隔離してすぐに、SCP-6585実体から「COMMUNITY DOG」の張り紙が剥がれ、SCP-6585実体は異常性を持たないイエイヌの特性を示しました。そのため、当初はこの試みによって現象が無力化したとみられていました。

2週間後、オーガスタに常駐している財団のエージェントから、SCP-6585の特徴を持つおよそ550匹のペットのイヌがオーガスタ市内で発見され、SCP-6585が明らかに収容違反していると報告がされました。より詳細な調査により、先述のイヌの大半がオーガスタ市内の住人が以前から飼育していたイヌと同一であることが判明しました。尋問の結果、飼い主たちからは飼い犬に関する情報が抜け、飼い主であった証拠を直に提示しても、ペットだった犬のことを野良犬だと認識しました。研究員は、SCP-6585がオーガスタ地域に住むペットのイヌで「補充」を行い、その過程でペットのイヌをSCP-6585実体にし、元の飼い主から飼い犬が失踪した事実を隠すため、反ミーム効果を発現させていると結論付けました。

SCP-6585実体は発現周期を逸脱し、1970年の終わりになってもオーガスタを離れず、1972年の1月までこの町に残り続けました。その間、さらに137匹のイヌが当地域の家庭から姿を消したことが判明しています。飼い主による失踪の報告や捜索は行われておらず、失踪時点、あるいはその後の出現イベントの際に現在の説明通りのSCP-6585実体群となっていることが確認されています。オーガスタでの収容違反の後、SCP-6585はArchonに再分類されました。

2021年現在、最新のSCP-6585実体の一群は、1970年にオーガスタで形成されたものと同一です。これまでに200匹を超える実体が、メインの実体群から離れ、出現地点に留まり、その過程で異常性を喪失しています。全ての事例において、かつてSCP-6585実体だったイヌは、大抵は目の見えない人物といった、介助犬が必要不可欠なほどの障碍を持つ人物と居住をしていたか、現在も居住を続けています。

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