SCP-6601
rating: +30+x

アイテム番号: SCP-6601

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-6601はDクラス職員1名を宿主とした状態に保たれます (現在の宿主はD-5186) 。現在の宿主は標準的なヒト型生物収容室に収容されます。現在の宿主が他者と直接接触することは認められません。関連する実験を実施するには、最低1名のレベル3職員による承認が必要です。

説明: SCP-6601は知性を有する非物理実体です。対象は人間と共存できますが、それが生存のために不可欠な行為か否かは不明です。SCP-6601は温和な性格ですが、宿主の記憶を改変することに固執する傾向があります。

詳細は発見時の記録と補遺を参照してください。

発見:

SCP財団

異常事象報告書


報告者: 李 博士

報告者の職位:
☑ 研究員  
☐ エージェント
☐ 部門長/サイト管理官
☐ 物流担当職員

緊急性:


詳細:

私はいつも自分の映像記憶を自慢にしていましたが、先日、これらが偽物であると気付きました。

財団での職務経験も併せて、私はこれが異常な効果ではないかと心配せずにはいられません。また、病院で検査を受けたところ、記憶力そのものに問題はないと確証されました。

私は故郷で両親と共に、とても幸せな幼少期を送ったことをはっきり覚えています。ところが、両親に電話で連絡したところ、父は私が生まれるずっと前に死んでいると分かりました。そしてどうやら、私の家庭には、私の記憶にあるような支出を賄う余裕はなかったらしいのです。

これよりもっと深刻で独特な要素が数多くあります。要するに、私はこの記憶と現実の乖離から、私の記憶が故意に改竄されているという確信を抱いています。その裏にある可能性を考えると不安です。

そこで、私は財団の全ての検査を申請し、また受け入れます。

これが単なる精神の不調に過ぎないと分かって安堵できることを願っています。






日付: 2021/05/13


ステータス: 承認。

注記: 緊急性は“高”に変更された。 - ジョージ博士、2021/05/22


更なる調査の結果、SCP-6601が李博士を宿主としていたことが判明しました。

李博士はまた、SCP-6601の発見後、対象が記憶を改変して彼と意思疎通し1、自身が発見されたことへの恐怖心を示したと報告しました。李博士が回想を通して交流を試みた後、SCP-6601は財団のインタビューに応じる意向を示しました。


補遺.6601-A - インタビューの結果:

序: SCP-6601はインタビューを通して李博士の記憶を改変し、質問者への回答を李博士の記憶の中に残しました。李博士はSCP-6601の代理として口頭でこれを伝えました。

質問者: ジョージ博士

回答者: 李博士 (及びSCP-6601)

情報:

  • SCP-6601は悪意を持っていないと主張した。
  • SCP-6601は宿主が別な人間と肉体的に接触する時に転移できる。
  • SCP-6601は宿主に及ぼす影響は記憶の改変のみだと主張した。
  • SCP-6601は全ての哺乳類を宿主とすることが可能だが、人間を好んでいると主張した。
  • SCP-6601は李博士に“幸福な幼少期を与える”ために記憶を改変したと主張した。

[インタビュー中、ジョージ博士は上記の声明に対する疑念を表明した。]

  • SCP-6601の同族がいるかは不明である (SCP-6601は回答しなかった) 。
  • SCP-6601が過去に宿主とした人間の数は不明である。

結: 更なる意思疎通が失敗した後、李博士を処刑するという脅迫によって、SCP-6601は強制的に李博士からD-5186へと転移させられた。

注記: 人間の記憶を改竄できる無形の実体が世界を彷徨っている。これは果たして何を意味するのか?

人間の精神は完全に記憶から構築される。SCP-6601にその気があれば、破壊できるものは数多くある。

オブジェクト番号をその種族全体を指すものへと変更し、Keterに再分類し、迅速に対応すべきだと提言する。結局のところ、この実体が嘘を吐いていないと確信できるのか? 悪意ある同族は存在しないと言い切れるだろうか?

 - ジョージ博士

補遺.6601.B - 研究者の覚書

SCP-6601は私を離れる前に、記憶の中のデスクに1枚の紙を置いていきました。全ての単語が私の心の中に、非常に克明に残されています。

参考までに原文を転記します。保管しておいてください。

- 李博士
本当にありがとう。


ご迷惑をお掛けしたことをお詫びします。

前回、怯えていて返事できなかった質問への答えから始めましょう。私に同族がいるかは分かりませんし、会ったこともありません。この身体は、私の25843番目の家です。

実を言えば、私は最初の家の中で穏やかに暮らし、彼女が亡くなってから安全に引っ越す機会を伺うこともできました。ですが、既にご存知のように、私は人間の記憶の中に生きています。そして、それらの記憶から影響を受けます。

彼女の幼少期は惨めでした。一度も家族の愛を受けることができず、不当な (少なくとも私はそう思います) 差別と嘲りに晒されてきました。恐怖、不安、憂鬱、劣等感、それら全てが彼女の幼少期を包み込んでいました。

それは彼女の現在にも直接影響を及ぼしました。彼女が内心どう感じているか、誰も理解しませんでした。誰一人として。何故他の人々が彼女をそのようにあしらうのか、子供時代の彼女が受けるべきだった愛情と思いやりが何処に消えてしまったのか、私には分かりませんでした。

ある日、彼女が読んでいた本の一文に、私は胸を打たれました。 “幸福な人の生涯は幼少期によって癒されるが、不幸な人の生涯は幼少期を癒すことに費やされる。”2

…私は介入しました。私は彼女に許容範囲内で幸福な子供時代を与えました。

彼女は良くなりました。遥かに、目に見えて良くなりました。それが全てです。

それでも、彼女のような人がもっといるだろうと思うと安心できませんでした。それ以来、私は頻繁に家を変え始め、彼らをより良く変化させようと全力を尽くしてきました。

残念です… 今回は頑張り過ぎました。幾つもの過ちを犯して、皆さんに見つかってしまいました。

すみませんでした。本当に申し訳なかったと思います。

だけど、後悔はしていません。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。