SCP-664-JP
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アイテム番号: SCP-664-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Keter

特別収容プロトコル: SCP-664-JPの存在は隠蔽されています。 SCP-664-JPに関する情報はハドソン川協定第119条に基づき部分的に公開されています。公開範囲については文書IDS-664-JPを参照してください。

SCP-664-JP担当職員はオペレーション・シャイニングライスの実行に当たってください。SCP-664-JP個体は保護個体を除き、発見次第速やかに排除されます。財団は各国政府・団体と協力して食物へのSCP-664-JPの混入を防止し、人糞の肥料利用停止、SCP-664-JP耐性品種の開発及び非コメ主食型生活の推奨を行います。社会的な健康診断等を通じて可能な限りSCP-664-JP寄主を発見し、「脚気」や「腫瘍」等のカバーストーリーを用いて対象者の治療及びSCP-664-JPの排除に当たってください。

オペレーション・シャイニングライスは成功裏に終了しました。SCP-664-JPの野生個体は絶滅し、一部個体が種保存・保護を目的として、サイト-01SP、サイト-8177、サイト-4833で飼育されています。

SCP-664-JP担当職員は迅速なSCP-664-JPの発見及び排除に当たってください。種保存・保護用の個体はサイト-01SP、サイト-8177、サイト-4833で飼育されています。

説明: SCP-664-JPはカメムシ目セミ上科コメモドキ科(Hemiptera Cicadoidea Oryzoidea)に分類される昆虫の総称です。SCP-664-JPの成虫の体長は一般に10mm~50mm程度であり、細長い口吻を有しています。形状や習性はセミに似ており、分類学上の観点からもセミ科(Hemiptera Cicadoidea Cicadidae)と近縁であると考えられています。

SCP-664-JPは幼虫期、ヒト(Homo sapiens)などの哺乳類に寄生することで知られています。SCP-664-JPは夏から秋にかけて主にイネ目を中心とするイネ科植物へ卵を植え付けますが、これは当該植物の脱穀された種子に酷似しています。ただし近隣に産卵対象となるような植物が存在しない場合、樹木や住宅など様々な場所に産卵します。この時産卵場所は、米蔵などイネ科植物に関連する地点が非常に多いという傾向が知られています。SCP-664-JPの卵は加熱や酸によっては容易に死滅しません。自然に放置されたSCP-664-JPの卵は翌年の晩春から初夏にかけて孵化します。一方ヒトなどの体内に取り込まれた場合は数時間から数週間の後、体内で孵化します。自然環境下で孵化したSCP-664-JPはその後一般的なセミやウンカに類似した成長過程をたどりますが、ヒト等に寄生したSCP-664-JP(以下SCP-664-JP-1と呼称)は数年にわたり寄主の体内に存在し続けます。SCP-664-JP-1は主に寄主の体液やその摂取物に対し口吻を突き刺しこれを吸収することによって成長します。これは寄主の胃痛や腹痛、栄養不足、神経障害、心臓機能の低下などを引き起こし、最悪の場合死に至ります。一方でSCP-664-JP-1は寄主に対し向精神的な作用を及ぼす物質を分泌しており、これによって寄生の円滑な維持を図っていると見られています。

十分に成長したSCP-664-JP-1は排便と共に、もしくは夜間の口腔内から寄主の体外へ移動し、脱皮して成虫となります。これは初夏に集中的に発生し、成虫となったSCP-664-JP-1は約1か月から2か月程度の間生存し、近隣の田園部近郊で交尾を行います。

SCP-664-JP-1は自然界で成長したSCP-664-JPよりも身体的に優越している傾向にあり、これが生存上有利に働いているものと推測されています。

歴史: SCP-664-JPの存在は伝承などの文化資料等によれば古くから一部に知られていたと見られていますが、公には認識されていませんでした。SCP-664-JPは稲作の発展と共に東アジアを中心とするコメ等の主食地域に広く分布し、個体数を増加させました。近代以降、都市部での精米、特に白米が普及するに伴ってSCP-664-JP卵が排除されることは少なくなり、糞尿の農業利用も相まってSCP-664-JPの個体数はより一層増加しました。江戸時代末の江戸には、SCP-664-JP-1寄主が数千から数万人以上いたと推測されています。

SCP-664-JPは1820年、小野蘭山の弟子である本草学者大谷吉文おおたに よしふみ大允世民だいじょう せいみん)・八目黎朦やつめ れいもうの二人によって発見され、その後の研究によりその異常性が明らかになりました。

大谷吉文は蒐集院本院の研儀大進であったことからその異常性はすぐに蒐集院へと報告され、蒐集院は江戸幕府との協力によりSCP-664-JPの排除を企図しました。しかしSCP-664-JPの分布は非常に広範であり、また米食は都市部を中心に広く普及していたために抜本的な対策が不可能であったことから、これは不十分に終わりました。これは明治・大正期に至ってもほとんど変化せず、毎年平均数百から数千名の死亡者が出るなどSCP-664-JPによる被害は依然深刻でした。

これを背景として、昭和期になるとIJAMEAなどの超常機関は、SCP-664-JP撲滅方針を利用方針へと転換し始めました。黎朦の曾孫であるIJAMEAの米津元首よねきつ もとさきや世民の孫である日本生類創研の大谷鹿田おおたに ろくでんらを中心とする研究者が、SCP-664-JPの小型化と向精神性の増強に関する研究を行っていたことが明らかになっています(ウツセミ計画)。この計画は部分的に成功し、飢餓であっても志気旺盛な軍を形成するための手段として太平洋島嶼などの一部戦線で使用されました。

戦後資産の移譲に伴い蒐集院やIJAMEAのSCP-664-JP関連文書は財団が継承することとなりました。SCP-664-JPによる被害は脚気によるものと改竄され、同種の存在は完全に隠蔽されました。また財団はGOC、GHQ及び日本政府等との協力の下、SCP-664-JP排除作戦「オペレーション・シャイニングライス」を策定・実行しました。この作戦では研究・保存用に保護された個体を除くSCP-664-JPの完全な排除が企図され、SCP-664-JPの寄生経路を遮断するための人糞の肥料利用停止や米生産の管理・違法コメ売買の摘発を行うと共にSCP-664-JPを排除する農薬の散布、コメの品種改良、SCP-664-JP-1を殺傷する薬剤の開発及び健康診断によるSCP-664-JP-1寄主の発見と薬剤の使用、洋食の推奨など多面的な計画が実行されました。これによって1960年代にはSCP-664-JPは一部サイトで管理された個体を除きほとんど完全に撲滅され、1970年に作戦の完了が宣言されました。

補遺: 2010年、前年の奇蹄病事件によって事実上倒産した日本生類創研の施設より、SCP-664-JPとみられる昆虫(SCP-664-JP-Aと呼称)が多数発見されました。回収された資料によれば、SCP-664-JP-Aは商品として販売されており、ポーランド及び日本を中心とする世界各地に広がっている可能性があると見られています。またSCP-664-JP-A開発に際して生産されたSCP-664-JPが管理を離れ、一部野性化しているとの情報が複数存在します。財団及びGOCは現在SCP-664-JP-Aの研究及び排除を企図した作戦を計画中です。詳細は日本生類創研より回収された資料を参照してください。

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