SCP-6735

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アイテム番号: SCP-6735

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-6735は現在、サイト-14 異常動物棟のユニット#194に収容されています。対象には1日3回給餌し、収容室内の灰の清掃は週2回行います。SCP-6735を実験に利用する場合はマグナス管理官の事前承認が必要です。

説明: SCP-6735は品種不詳の成熟した雄のイヌ (Canis lupus familiaris) であり、超常現象の確保収容に関する王立財団 (HMFSCP) によって1839年に回収されました。

SCP-6735は生物学的に不死だと考えられており、2世紀にわたる収容下のいかなる時点でも加齢や疾病への罹患が観察されていません。特筆すべきことに、恐らく鈍的外傷の結果として、SCP-6735は僅かに足を引きずって歩行しており、自己再生能力を持たないことを示唆しています。

SCP-6735は強い発光性を有する赤色の目を有しており、体内温度は約55°C (131°F) です。また、SCP-6735の足跡からは少量の炭素灰が検出されますが、その発生源は特定されていません。

SCP-6735は次のような異常性を実証しています。

  • 増強された視力。実験によって、SCP-6735は暗闇でも物体や障壁を容易に識別できることが判明しています。
  • 限定的な念動力。SCP-6735は最大3mの範囲にある施錠されたドア、金庫、保管棚を自在に解錠できます。この能力は電子錠を取り付けられた器具には作用しません。
  • 人間や動物を自然発火させる能力。この効果は不随意的なものらしく、SCP-6735に肉体的な危険が及んだ際にのみ観察されています (補遺を参照) 。

補遺: SCP-6735はかつてイギリス、ウェイフォードの町に居住していたオカルティストで、魔術師とも噂されていたウォルター・ヘンショー (1807-1839) の飼い犬でした。SCP-6735の異常性の起源に関する情報を求めて住居を調べたところ、手書きの指示が記された羊皮紙が、折り畳まれた状態で錬金術の指南書の中から発見されました。

この文書の内容は次の通りです。

  • 黄昏時に絞首刑にされた盗人の死体から切り取る
  • 寡婦が縫った経帷子で包む
  • 司教の墓から取った粘土で作った土の器に収める
  • 十字路で摘んだ羊歯の粉末をかける
  • 盗んだ塩、マルセイユ酢、牝馬の尿に漬け込む
  • 開け放した窓際に置き、六昼夜放置する
  • 乾燥するまでオーブンで焼く

ヘンショーの遺体は書斎の床に倒れているのを発見され、焼死したものと断定されました。割れた陶製の壺が戸口の近くで発見されました。

ヘンショー宅の庭からは、切断された左手のものと後日特定された骨片が回収されました。この骨の起源はまだ明らかになっていません。実験室分析では微量のリネン生地、蝋、酢酸、イヌの唾液が検出されました。


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