SCP-6756

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評価: +7+x
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アイテム番号: SCP-6756

収容クラス: Thaumiel

特別収容プロトコル (更新済、補遺を参照): 非使用時のSCP-6756は臨海部サイトの冷凍庫に保管されます。冷凍庫は常時氷点下 (摂氏0度以下) に維持され、関連セキュリティクリアランス保持者以外のアクセスは禁止されます。

3ヶ月ごとに、SCP-6756をメキシコ湾に輸送し、SCPS フェイスティ・フロリック からメキシコ湾流に投入することによって、北大西洋環流における現在の粒子密度を維持する必要があります。このスケジュールはCATALYTIC CHERNOBYLのモニタリングで不要と判断されるまで続けられます。

HELL'S HEARTの活動がWATCHDOG経由で通知された場合、SCP-6756をSCPS フェイスティ・フロリック に搭載し、HELL'S HEART生息海域での散布活動を実施します。摂取量を最大化するため、SCP-6756の削り屑は1cm以下に留めるべきです。フェイスティ・フロリックはSCP-6756とその微粒子を運搬保管するための冷凍庫を維持します。

財団は、CATALYTIC CHERNOBYLの有効性に好ましい影響を及ぼす政策を後押しする科学的データや観測結果を出す慈善活動家、シンクタンク、非政府組織 (ウィルクス兄弟、ハートランド研究所、コッホ財団等) に毎年3,300万米ドルを分配寄付します。

説明: SCP-6756は固体のα-オレフィン (揮発性の石油化学前駆体) とパラフィンワックスから成る不定形の塊です。SCP-6756の大きさは可変性ですが、安定した不活性状態では質量700kg、直径2mです。

気温が0°C以上の環境に置かれると、SCP-6756の化学構造と形態は、過去に分類例の無い炭化水素へと急速に変化し、様々なプラスチックや石油化学製品を放出し始めます。これらの生成物の種類、品質、放出速度は周辺気温によって変動し、0~15°Cの環境1では単純な短鎖ポリマー、20°C以上2ならばより複雑な長鎖プラスチックやポリマーが生成されます。

このプロセスは正味エネルギーの観点において事実上の外部エントロピー性質を有しますが、僅かながら吸熱性でもあります。即ち、放置されるとポリマー生成活動が周辺気温を活性閾値以下に下げるので、SCP-6756は速やかに不活性化します。

SCP-6756はソビエト連邦の崩壊後、コソボにあった«プログレス»総研の研究施設で発見されました。回収された資料によると、SCP-6756は民生用・工業用プラスチックの大量生産手段として開発されたものの、経済的な不確実性や、SCP-6756生成物の品質管理の欠如が理由となって、プロジェクトは最終的に打ち切られていました。


PROJECT: CATALYTIC CHERNOBYL


1993年のダッチハーバー・インシデントに続いて、財団は、アメリカ合衆国のペンタグラム3が隠密偵察・先制攻撃兵器として創造・制御していた自律型核装備鯨類 (外部プロジェクト: HELL'S HEARTとして分類) の存在を察知しました。有性生殖と放射線被曝が重なった結果、HELL'S HEARTは敵意を増大させてペンタグラムの命令に従わなくなり、個体数の自然増加に伴う海中核拡散を引き起こしていました。

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合衆国国土安全保障会議で発令された緊急行政命令に従い、ペンタグラムは誠意の証として、ファイルと資料の大部分を世界オカルト連合と財団に開示しました。

ペンタグラムの資料を基にして、ウラノクラスト4は核分裂性同位体よりも特定の炭化水素と優先的に結合し、ウラン炉心の制御不能な蓄積と超臨界を招くと推定されました。この炉心溶融はクジラを迅速に無力化しますが、外部環境にはさほど害を及ぼしません。

このため、財団はプロジェクトCATALYTIC CHERNOBYLを策定しました — 本プロジェクトはSCP-6756、産業廃棄物、その他の豊富な炭化水素ポリマーの供給源を活用し、HELL'S HEARTの活動が疑われる海域に散布するというものです。GOC及び関連政府に公開された1996年のシミュレーションによると、CATALYTIC CHERNOBYLに用いられる微粒子の大半は深海に沈殿する可能性が高く、重要な動物生息地や人間居住地にはほとんど影響しません。現在のタイムラインでは、CATALYTIC CHERNOBYLは1997年の第2四半期に開始される予定です。

補遺-03/1997: 本年3月を以て、プロジェクトCATALYTIC CHERNOBYLの展開は中止となりました。自然要因や経済活動によって、海中のプラスチック微粒子密度は既に適切な水準まで上昇しており、財団の介入をこれ以上必要としません。HELL'S HEARTの活動は2008年までに完全に終結すると予測されています。

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