アイテム番号: SCP-6837
オブジェクトクラス: Pending
特別収容プロトコル: SCP-6837が発生したアパートは購入・確保されています。入居者はアスベスト除去を装って転居させられました。調査は進行中です。
説明: SCP-6837はカナダ、オンタリオ州、ロンドン市のウェストシャー大通り14番地における一連の音響現象です。2020年4月11日、管理人のイアン・シュワルツは、入居者 ジョン・パイパーから次のような電話を受け、録音に残しました。
シュワルツ: どうかしたのか、ジョン?
パイパー: 隣人のことなんだがね。ノンストップで床を叩いているんだよ。
シュワルツ: 話し合ってはみたのか?
パイパー: いやまぁ、ノンストップではないな。私が何か物音を立てている時にだ。テレビを見ている時。写真を壁に掛けている時。妻と私が—
シュワルツ: あー、オーケイ。事情は分かった。でも質問の答えになってないな。そいつと話し合おうとしたか?
パイパー: 部屋に辿り着く方法さえ分からない。
シュワルツ: 何だと? どの階の造りも全部同じだぞ。お前は何号室だっけな?
パイパー: 803号室。
シュワルツ: よし、じゃあ降りて703号室に—
パイパー: 上だよ。
シュワルツ: は?
パイパー: 上の階だよ! 言ったじゃないか、そいつは床を叩いてる。私の部屋の天井をね! エレベーターは9階には止まらない。階段も試したが、半分上がったところで鍵のかかったドアに邪魔された。電話で注意してもらえないか?
<録音上に沈黙。>
パイパー: なぁ?
シュワルツ: ウチに9階は無いんだ、ジョン。
パイパー: えっ?
シュワルツ: そのドアは屋上のだよ。
シュワルツはこの問題をパイパーが納得するような形で解決できず、パイパーは賃貸契約を破棄しました。続く2人の入居者が同じ現象を報告した後、803号室は恒久的な空室として放置されました。
この事件は、アパートに上層1階分の増築などの改修工事が行われた後、財団の関心を引きました。2022年9月2日、シュワルツ管理人に、入居者のルイーズ・デラクーアから新たな苦情が入りました。
シュワルツ: どういった事で困ってるんだ、ルイーズ?
デラクーア: 文句は言いたくありませんけど、もうあの人たちにはお手上げです。
シュワルツ: どの人たち?
デラクーア: 手は尽くしました。まず下に降りて、大人の女性らしくドアをノックしましたけれど、誰も出てきませんでした。電話帳で調べて連絡しても、誰も取らないんです — いえ、実際はすぐビジートーンになりました。
シュワルツ: ゆっくり話してくれ、どういう—
デラクーア: 上品ぶるつもりはありませんけれど、私にだって限度があります。毎晩ベッドの軋む音が聞こえてきます。毎日テレビを大音量で流しています。時には面白半分に壁に穴を開けるような音まで。私は箒を出して床を叩かなきゃいけないんですよ — 2022年に! 西暦2022年に箒の柄で床を叩かされるだなんて!
<録音上に沈黙。>
シュワルツ: 何号室に住んでるんだっけ、デラクーアさん?
デラクーア: 903号室です。
サイト-232の時間測定部門の職員が調査を進めている間、アパートは財団施設外住宅 兼 設備保管庫として活用されています。
更新: コヴァレンコ次席技師が、903号室の天井から断続的に打音が聞こえると報告しています。屋上の点検で決定的な結論は得られませんでした。
入居者数に鑑みて、近々10階の増築が必要になると見込まれています。