SCP-6854

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アイテム番号: SCP-6854

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 既知のSCP-6854個体は全て追跡装置を取り付けられ、サイト-44異常野生動物棟の格納庫1~10に収容されています。SCP-6854には1日あたり150kgの植物質及び動物質を給餌します。全ての自然生成物は採取し、財団フロント企業の“スタンダード・コール&ペトロリアム(株)”を通して市場に流通させます。

機動部隊ミュー-9 (“野生の牧童”ワイルド・ラングラーズ) は、全ての野生SCP-6854個体の捕獲と移送、並びに目撃者へのクラスA記憶処理を担当します。

説明: SCP-6854は家畜ウシ (Bos taurus) に表面上類似する生体力学的実体種であり、ごく少数の個体が北アメリカ大陸各地に疎らに生息しています。

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芸術家によるSCP-6854の描写、1910年頃

SCP-6854個体には、ステンレス鋼に近似した硬度を有する未特定の合金から成る外殻があります。体内には、機能不明の変速歯車の集合体と、主に加硫ゴムで構成された原始的な臓器系が含まれています。

全てのSCP-6854個体の頭部には2個の炭素フィラメント電球が固定されており、これが視覚器官の役割を果たすと考えられています。それと分かる電源の欠如にも拘らず、電球は睡眠中以外は常時点灯しています。移動には各脚の先端に取り付けられた4つの小さな車輪が使用され、成獣は時速50kmで走行可能です。車輪移動という性質上、起伏の多い地形での活動が困難であるため、野生のSCP-6854は通常、低地の平原のみを行動範囲としています。

後部には尾に似た付属器官があり、降雨時には傘のように展開して錆の発生を防ぎます。SCP-6854は雑食性で、全ての廃棄物は無煙炭に変換され、胴体下部の金属フラップから外に排泄されます。当該プロセスの仕組みは十分に解明されておらず、SCP-6854の外部での再現試行はこれまで全て失敗に終わっています。

SCP-6854は雌雄ともに、最長140cmに及ぶ真鍮製の中空の角を2本有します。角には可動性があり、成獣は生成した鉛弾を極めて高い精度で角から発射できます。研究の結果、SCP-6854は主に獲物を狩る時、脅威に晒された時、または交尾相手を巡るライバルに優位を示す時にこの能力を使用することが判明しています。

SCP-6854は有性生殖が可能で、雌個体は約12ヶ月の妊娠期間を経て、通常3~5頭の仔個体を産みます。出産後、雌個体は化学的に石油と同一の物質を生成し始め、乳房のようなゴム製の付属器官を通して仔個体に授乳します。

発見: 神話・民俗学部門は、SCP-6854 (口語的に“歯車牛”コグカウまたは Bos machinus として知られる) に関する複数の文献が、1895年から1904年の間に出版されたことを把握しています。これらの記述は専ら架空の内容を扱った観察図鑑に見られ、北米大陸の木こりの民間伝承に由来する様々な架空生物と共にSCP-6854に言及していました。その空想的な性質が原因で、最初期のSCP-6854目撃証言の大半は全米確保収容イニシアチブに無視されました。

検証可能な最古のSCP-6854目撃事例は、アメリカ人猟師のエルマー・シェパード (PoI-2645) によるものです。1905年、オクラホマ州の平原で狩りをしていたシェパードは、1頭のSCP-6854個体がオジロジカの死骸を食べているのを目撃したと伝えられています。シェパードが接近すると、SCP-6854は即座に逃走しました。

シェパードがこの遭遇を公表した際、彼の主張は同時代の多くの人々による懐疑と嘲笑に晒されました。1905年6月、エルマー・シェパードはSCP-6854個体の頭部を入手し、その存在を科学界に証明する目的で、19歳の息子ウォーレンと共に、故郷の町ロンガバウを離れました。ウォーレン・シェパードは狩猟経験に乏しかったにも拘らず、次第に強迫観念を強める父親を懸念し、不本意ながらも遠征に同行しました。

出立から3週間後、ウォーレン・シェパードは、喉部に致命的な銃創を負った父親の遺体を伴なってロンガバウに帰還しました。地元当局に尋問されたウォーレンは、平原でSCP-6854の雌個体が2頭の仔個体に石油を授乳しているのを発見したと報告しました。ウォーレンは、自分ではSCP-6854を撃つことができなかったが、父親が猟銃をその頭部に向け、片方の角から発射された弾丸によって射殺されたと証言しました。

申し立てを裏付ける証拠が全く無かったため、ウォーレン・シェパードは父親殺害の最有力容疑者と見做され、見せしめ裁判で絞首刑を宣告されました。翌朝、約40人の民間人が処刑を見物しに集まりました。全ての目撃者は、足場が外された直後に、低く唸るような音が聞こえたと報告しました。この時、1頭のSCP-6854雌個体が草原から姿を現し、1発の弾丸を発射して、ウォーレンの首に巻かれた縄を切断しました。SCP-6854はすぐに立ち去り、ウォーレンは軽傷を負っただけで生き残りました。彼はその後、全ての容疑から無罪放免となりました。

この事件は全米確保収容イニシアチブによって隠蔽され、関連する裁判記録や歴史文書は全て押収・アーカイブされました。最初の発見以来、12頭のSCP-6854個体が野生環境から回収され、更に30頭が飼育下で誕生しています。財団の管理外に存在するSCP-6854の個体数は、現時点では不明です。



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