クレジット
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2024
著作権者: crashb
原題: Look What I Can Do
作成年: 2022
初訳時参照リビジョン: 16
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-6856
施設内地熱発電所、ネバダ州、サイト-56
アイテム番号: SCP-6856
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-6856はネバダ州、サイト-56に収容されます。SCP-6856の収容室はLI-900シリカ断熱タイルで建造されますが、それ以外は標準人型収容仕様に忠実に従う必要があります。SCP-6856の収容室には、模造の内装やその他の装飾が許可されています。
サイト-56敷地内地熱発電所の下に位置するSCP-6856の作業室もLI-900シリカ断熱タイルで建造されます。作業室には控室からのみアクセス可能で、控室にはロッカー、自動販売機、及びオリビア・ストラットン博士が要求したその他の物品を設置することが許可されます。作業室内に許可される備品は、最高温度500℃と明記された温度計、耐熱監視カメラ、耐熱インターコムシステム、SCP-6856のハーネスのみです。
SCP-6856は勤務時間中、温度計に目を合わせ続ける必要があります。改良策として、SCP-6856が使用している間、作業室に財団が承認したラジオ番組を流すことが許可されます。SCP-6856が使用している間、財団職員が作業室に入ることは禁止されています。
説明: SCP-6856は23歳の人間男性であり、自身の体温を自由に上昇させることが可能です。オブジェクトは熱による悪影響にも異常な耐性を示します。SCP-6856の最高温度はおよそ500℃です。
SCP-6856はネバダ州アイディルで、住宅火災の直後に発見されました。地元警察はSCP-6856の特異な熱への耐性に注目し、アイディルに潜入していた財団職員は警報を受けました。初期収容時、SCP-6856は財団に全面的に協力的であり、財団の要求と規制に従い続けています。
SCP-6856の協力的振る舞いの認められた経歴から、オブジェクトはパイロット・プロジェクトとして選択されました。SCP-6856は気候変動に実存的な恐怖を抱いており、自身の能力をクリーンエネルギーの生成に利用することに関心を示しています。この提案は相互利益になると判断され、施設内地熱発電所に専用の"作業室"が建造されました。毎日午前8時、SCP-6856は2名の武装警備員に作業室へと護送されます。SCP-6856は1時間の昼休憩を挟んで8時間勤務の間作業室に留まります。SCP-6856はこの日課によく適応しています。
14時37分からのビデオカメラ映像
SCP-6856はハーネスに繋がれており、作業室の壁に取り付けられた温度計を見つめている。温度計の針は、最高値である500℃付近で緩やかに揺れている。SCP-6856は熱を放射しており、その輝きによりビデオ映像が僅かに歪む。
インターコムから劇的な音楽が流れる。
インターコム: お前ならやれるぞ、兵卒! 部隊は今途中だ。決して見逃すな!
インターコム: 到達予定時刻はわかりますか、将軍? あとどれくらい持ちこたえられるか……
インターコム: アノマリーに目を合わせ続けるんだ、兵卒。これは命令だ!
インターコム: やってみます、将軍。
インターコム越しに兵士が移動する音が聞こえる。歪みの中で、SCP-6856が目を閉じているのが見える。
インターコム: 行け行け行—
雰囲気と台詞が突然中断し、単調で女性的な声が代わる。
インターコム: 注意。SCP-6856、温度計を監視してください。
SCP-6856は目を閉じ続けている。
インターコム: 注意。SCP-6856、目を開いて温度計を見てください。財団が局所的な停電を避けるためには、あなたの注意力が極めて重要です。
SCP-6856は目を開く。
インターコム: ありがとうございます、SCP-6856。スケジュールされたプログラミングに戻ります。
インターコムから勝利の音楽が流れる。
インターコム: -りました、将軍! これ以上の災害は回避されました!
インターコム: 財団を甘く見るなよ、兵卒。
07時58分からのビデオカメラ映像
SCP-6856とオリビア・ストラットン博士は控室にいる。ストラットン博士は研究デスクの前に、SCP-6856はロッカーの前のベンチに座っている。
ストラットン博士: 何か痛いところはない?
SCP-6856: いえ。
ストラットン博士はシフト前チェックリストの最後のボックスにチェックを入れ、椅子から立ち上がる。
ストラットン博士: 準備万端ね。後はお任せする。
SCP-6856: ありがとうございます。
ストラットン博士: どういたしまして。
ストラットン博士はクリップボードを白衣の下に押し込み、退室しようとする。
SCP-6856: あの、あー、最近献血しましたか?
ストラットン博士: いえ。どうしてそんなことを?
SCP-6856: バンドエイドが。
SCP-6856はストラットン博士の左膝を身振りで示す。
ストラットン博士: あぁ、ただの擦り傷よ。えっと、誰かが私の脚から血を抜いたと思ったの?
SCP-6856: それって基本そのためのものじゃないんですか?
ストラットン博士: バンドエイドが? これは基本的に擦り傷とか紙で切っちゃったとかに…… あなたは使ったことある?
SCP-6856は腕を組む。
SCP-6856: 普通僕がそれを見るのは、あなたたちがテストするときだけだと思います。それと、お母さんと僕は毎月献血してました。
ストラットン博士: 毎月?
SCP-6856: はい。周りの人を助けるのが私たちの責任だとお母さんは言ってました。
ストラットン博士: えっと、医療界を代表して貢献に感謝します。彼女はいつあなたにそうさせ始めたの? 17歳?
SCP-6856は肩をすくめる。
SCP-6856: 思い出せる限りではずっと。多分4か5歳?
ストラットン博士: 何ですって?
ストラットン博士は目に見えて心配する。
ストラットン博士: それは早すぎる。どうして気を失わなかったの? そんな少ない血を抜いたの? どう-
ストラットン博士の言葉はSCP-6856の勤務時間開始を知らせるブザーで中断させられる。
ストラットン博士: 気にしないで。始めてちょうだい。
SCP-6856はストラットン博士が控室を出るのを見つめる。SCP-6856はブザーの音が止まるまで座っている。SCP-6856は立ち上がって服を脱ぎ始め、控室のロッカーの一つにしまう。完全に服を脱いだSCP-6856は作業室に移動する。
SCP-6856は作業室中央のハーネスに自分を縛り付け、目立つように壁に取り付けられた温度計に目を向ける。SCP-6856が光り始めると、温度計の針が上がる。
12時02分からのビデオカメラ映像
SCP-6856は控室、自動販売機前のテーブルの前に座っている。SCP-6856がサンドイッチを食べていると、ストラットン博士が入室する。
SCP-6856: おぉ、どうも。あー、問題はないですか?
ストラットン博士: ええ、全部良さそう。ここに座ってもいい?
SCP-6856: あぁ、どうぞ。
ストラットン博士: ありがとう。
ストラットン博士は昼食の包みを開く。動きが止まる。
ストラットン博士: さっきの、話を続けたいと思ってる。
SCP-6856は口に食べ物を詰め込んだ状態で頷く。
ストラットン博士: じゃあ、あなたは本当に毎月お母さんと献血してたの? それは本当に、本当に普通じゃないことだから。特にあなたがそんなに小さいときには。
SCP-6856は肩をすくめる。
SCP-6856: 僕にはごく普通のことです。それに当然のことですよね? 僕たちの身体はたくさん血を作れるから、必要な人にできるだけ分け与えるべきなんです。たまに多少嫌な思いはしても。
ストラットン博士: …うんうん。そう言われてみれば、それも- それも当然ね。お母さんからそう教わったの?
SCP-6856: だと思います。
SCP-6856は食事を続ける。
ストラットン博士: あなたの親は昔気質の宗教的罪悪感を与えてたみたいね。
SCP-6856: 僕とお母さんだけです。それにお母さんは信心深くありませんでした。
ストラットン博士: ふむ。それじゃあ、その考え方の落としどころはどこ? 他人のために自分の命を犠牲にすることはできないわよね。ある程度の時点で、自分を- 自分を気にかけてあげないと。
SCP-6856: えっと、いえ。そうでもないです。ですよね?
SCP-6856は控室で身振りを示す。ストラットン博士は沈黙している。
SCP-6856: 僕は地球を救おうとしてるんです。あなたたちはこの機会を与えてくれて、僕- 僕は責任を負ってるんです。
ストラットン博士: そうね。いえ、とても立派よ。このプロジェクトは- あなたはいいことを思いついてくれた。
SCP-6856: 僕のアイデアじゃありません。でもありがとうございます。
ストラットン博士: えっ? ファイルには地熱プロジェクトがあなたのアイデアだって書いてあるけど。少なくとも、そう暗示されてる。
SCP-6856は首を振る。
ストラットン博士: でもあなたのアイデアじゃなきゃおかしい。あなたが現場に来る前にこの部屋を造り始めたのを覚えてる。あなたが協力してくれるとわかってなきゃサイト管理官はプロジェクトを承認してないはず。
SCP-6856: 僕はアイディルから真っすぐここに来ました。その数日後にプロジェクトについて説明されました。疑う余地もないアイデアに思えたので、もちろん協力することにしました。
ストラットン博士: 道理が合わない話に聞こえる。
SCP-6856: 何を言えばいいのかわかりません。見解に違いがあるようです。
ストラットン博士: へぇ、まあいいわ。マトリックスの故障1ってやつかもね。
SCP-6856: 何です?
ストラットン博士: 「マトリックスの故障」。聞いたこと- あー、忘れて。
ストラットン博士は昼食を終えて立ち上がる。
ストラットン博士: 会話にふけらせてくれてありがとう、楽しいおしゃべりだった。また明日ね。
は食べ物を置く。
SCP-6856: あー、はい、ではまた。
ストラットン博士は控室を出て、その際警備員に挨拶する。SCP-6856は腕を組む。SCP-6856は遠くを見つめながら、背中をもたれかける。やがて、SCP-6856はサンドイッチの残骸を残してテーブルから立ち上がる。SCP-6856はしばらく行ったり来たりしてから、衣服をロッカーにしまって作業室へ戻る。
17時00分からのビデオカメラ映像
SCP-6856の勤務時間の終了を示すブザーが聞こえる。SCP-6856から発せられる光はビデオの歪みと共に減少する。SCP-6856は作業室から控室に入り、ロッカーを開け、衣服を着始める。
完全に服を着たSCP-6856は出口に進むが、研究デスクの近くで歩みを遅める。SCP-6856は停止して、未記入のシフト前チェックリストを机から取る。SCP-6856は紙を手に取ってひっくり返す。
SCP-6856は紙の端を手のひらに当てて動かす。SCP-6856はこの動作を激しさを増しながら繰り返す。やがて、SCP-6856は突然静止する。手には小さな切り傷が見える。
SCP-6856は手を目の高さに持ち上げ、血の滴り続けている切り傷を調べる。SCP-6856は熱心に切り傷を見つめ、ゆっくりと手を回転させてあらゆる角度から観察する。SCP-6856はシフト前チェックリストを研究デスクに置き直し、控室の扉を開けて外の警備員に挨拶する。
SCP-6856: すいません、バンドエイド持ってませんか?
警備員: <聴取不可能>
SCP-6856: ありがとうございます。あー、はい、すみません。
10時26分からのビデオカメラ映像
SCP-6856は作業室でハーネスに繋がれている。SCP-6856は目を閉じている。
インターコム: 注意。SCP-6856、温度計を監視してください。
SCP-6856は目を閉じたままである。
インターコム: 注意。SCP-6856、目を開いて温度計を見てください。財団が局所的な停電を避けるためには、あなたの注意力が極めて重要です。
SCP-6856は目を閉じたままである。SCP-6856の明るさが急速に増大し、ハーネスの細かな点が見えにくくなる。
インターコム: 注意。SCP-6856、すぐに目を開いて温度計を見てください。協力を控える場合罰則処置がとられる可能性がががががああああズズズズズズズズズズ
インターコムの故障が続く。部屋は光でほとんど見えなくなっている。復元可能な映像の最後の瞬間、断熱壁パネルが歪み、溶け始める。
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件名: RE: RE: 6856の違反
クロフト博士、何度でも言いますが、なぜこのようなことが起きたのかわかりません。仲間たちは彼が壁を通り抜けてきたと言っていましたが、それはあり得ないはずです。あの部屋が10フィートもある固い岩の下にあるのは言うまでもなく、タイルだって1500℃もあるんですよ。
彼をスーパーノヴァにさせる文書に載っていない何かがあるはずです。どうしてこれまで見せられていなかったのですか?
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件名: RE: RE: RE: 6856の違反
いくつかのアーカイブ済み文書のクリアランスを与えた。それを読んだら連絡してほしい。









