アイテム番号: SCP-6880
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-6880の消化液はクラスIVの化学/生物兵器として処理されますが、それ以外の点ではヘリアンフォラ属の食虫植物と同じように栽培され、取り扱われます。更なる文書記録、手入れ、実例数管理の詳細は財団植物学部門に要請して取り寄せることができます — まずはチェルシー・エリオット博士に chelliott@foundation.scp 経由で連絡してください。外部環境のSCP-6880実例は機動部隊シータ-4 (“庭師”) 及び ラムダ-12 (“媒介害獣除染隊”)の共同師団によって栽培され、民間人から防護されています。資材部門、工学部門、生体医療部門は多量のSCP-6880消化液を徴用することができます。

サイト-19、温室L-12のSCP-6880。
説明: SCP-6880は奇跡術を使用してウシツツキやチスイコウモリなどの吸血生物を捕食するヘリアンフォラ属の植物種です1。SCP-6880の主要な異常性はその消化液にあります — これは揮発性のフッ化化合物2ですが、凝固していないウシの血液と同一の外見、匂い、黒魔術的特徴を有しています。その他の点において、SCP-6880は高さ約1mの多年生植物であり、非異常なヘリアンフォラ属と同様の繁殖・摂食習性があります。
日中、SCP-6880は根系を介して微量の消化液を注入し、半径5mの土壌を有毒化して日光、水、受粉を巡る競争を排除します。また、上部の葉からも少量の消化液を捕虫嚢の内部に滴らせ、徐々にウシの血液のような悪臭を放ち始めます。太陽からの紫外線は、現在まだ十分に理解されていない奇跡術反応を促進し、1日あたり最大2リットルの血液を消化液に変換します。
日没までには、蓄積された消化液によって、SCP-6880は匂い、黒魔術的特徴、更には熱画像やレーダースキャンにおいてさえも出血しているウシと似た状態になっています。このようにして、SCP-6880は大型の吸血生物をおびき寄せ、捕虫嚢に止まって内部の消化液を飲むように仕向けます。吸血を試みた獲物はフッ化物ガスに圧倒されて捕虫嚢に転落し、溺水、窒息、もしくは酸熱傷で死亡します。死骸が溶けると、体内の血液は放出され、更なる消化液の触媒になります。
SCP-6880は葉緑体の内部で数多くの特異な酵素を進化させており、太陽光を媒介とする奇跡術反応を介して消化液を触媒します。これによる生成物として有機性樹液、葉緑素含有物質、SCP-6880本体を消化液から保護する厚い粘膜状ワックスなどが挙げられます。また、これらの生成物はフルオロカーボン級の滑りやすさと安定性、セラミックに近い断熱性と耐熱性などの、工業的観点から見て魅力ある特性を備えています。SCP-6880の粘膜状ワックスは涼しい気候で断熱性を発揮し、暑い気候では水分貯留を補助するため、SCP-6880実例群は大半の温帯地域で生育できます。1株のSCP-6880実例は動物の血液が50グラムあれば最長1ヶ月まで生存可能です。
SCP-6880は、第七次オカルト大戦中に密売買に関与した容疑で、吸血性変身体 ヘマトモーフ ████████ ████████ を追跡していた機動部隊ラムダ-9 (“ヘルシング旅団”) によってアルゼンチンで発見されました。████████の遺体は半分消化されたコウモリの姿でSCP-6880実例の内部から見つかりました。発見以来、財団はヘマトモーフの自然な防除手段として、ロンドン、イングランド、ワシントンDCなどの世界各地でSCP-6880の小規模な実例群を栽培しています。