SCP-6940

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SCP-6940収容主任からの通達

以下の文書は反名辞実体について言及しています。

反名辞効果を防ぐ目的で、この配慮が必要な実体の直接的言及は空欄として表現されます。この処置は現時点で上記の実体の言及法として最も効果的な手段です。

アイテム番号: SCP-6940

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-6940を収容している土地は買収された後、私有地に再分類されました。

SCP-6940内でのSCP-6940内の地形の矛盾、そして内部の住人たちの示す潜在的脅威性から、SCP-6940-1より先の更なる実地踏査は行われない予定です。

SCP-6940での実地踏査を目的として派遣された職員には文書6940-2A及び2Bの提供が行われる予定です。被験者は探索後のインタビューの後に記憶処理が行われなければなりません。包括的説明を得るために標準型催眠療法の実施が推奨されます。

SCP-6940-1では週ごとに実験が行われなければなりません。煙の濃度が低下し始めた場合、あの戦争の勝者の目の前で直接、文書-6940-2A及びBの全文をそのまま朗読しなくてはなりません。この手順は人種と髪色に貧しい家庭に生まれた職工と殆んど同じ共通点を持つ人間の成人女性により直に実施されなければなりません。該当する職員全員を載せた一覧表は文書-6940-1Cにて閲覧可能です。

説明: SCP-6940は木製の模型ドアからアクセス可能な異次元領域です。このドアはイングランドのオックスフォードに位置する森林(サイト-6940)中の、樫の樹の根元に設置されています。ドアの正面には"禁じられた敗れ去りし者共を支配す"と記された、小さな木製のプラカードがあります。

SCP-6940は多数の自然形成道が通る森林地帯に類似しています。当該領域の地形は訪問ごとにしばしば変化しており、矛盾を示しています。訪問した職員からはSCP-6940各所にて様々な空き地が報告されています。このような空き地に立ち入った場合、周囲の草木が再構築され、新たに道が出現し、既に通過した道を覆い尽くすとされています。新造された道は被験者が退去を試みると、同様に地面が露出し、形を変え、道を塞ぎ、内部移動が格段に困難になります。このような経緯で道に迷った被験者は次の新たなる実地踏査でも取り残されたままとなります。

被験者がSCP-6940から退去する唯一の方法は文書6940-2Aと2Bを読んだ/聞いた後で眠りに就くというものです。この行動を取った被験者はSCP-6940外で最後に眠りに就いた場所で目を覚まします。被験者の保持していた文書6940-2A及び2Bのコピーの代わりに読者の好みに応じて、ソフトカバーもしくはハードカバーの[編集済]が出現します。帰還後、被験者はSCP-6940内で遭遇したものと類似する光景や音声を知覚すると常に一時的に既視感を感じます。適切な記憶処理が行われない場合、被験者はSCP-6940における実地踏査時間が夢に過ぎないと納得するようになります。

職員が辿り着いた空き地に関する詳細な記憶を思い出す事は不可能であり、しばしば思い出す度もしくは目を覚ます度に記憶が薄れていくと訴えます。実体群、構造物、その他存在が示唆される物品を収容していた領域についての漠然とした概念のみが記憶に残ります。多くの記録された事例では、被験者は空き地の方を指し示す矢のような形の木製標識について言及します。これら標識には何れの場合でも常に無地の木製プラカードが取り付けられています。

当該領域から帰還した被験者はしばしば、恐らく遭遇したであろう実体と関係する、持続する外傷について報告します。

特筆すべき発生例としては次のものが含まれます。

  • 棍棒による頭部打撲
  • 副流煙の大量吸引により引き起こされた呼吸器症状
  • 被験者の腹内での消化された(大抵は糖分の多い)食べ物の存在
  • 首の後ろ側に生じた傷もしくは軽い切り傷
  • 猫の体毛に対するアレルギー反応
  • 大きな爪痕と焼け焦げた肌(大規模な集団でしばしば発生。このような集団は大抵全員の帰還に失敗している。)

SCP-6940-1はSCP-6940内の地形の矛盾による影響を受けない唯一の空き地です。SCP-6940-1へと通じる道は問題なく横断できる可能性があります。SCP-6940-1中心内部には藁葺き屋根の小さなコテージが立っています。コテージと一体化した上で延びた1本の石造煙突は絶えず大気中に煙を排出しており、煙は上昇して、SCP-6940の空を覆い尽くしています。内部には装飾が殆ど見られず、炉棚の上の鏡が割れた火の無い暖炉と、落ち着きのない孤児が横たわるツインサイズのベッドが1つ置かれているだけです。

名前を奪う者は反名辞的性質を備えたタイプ・グリーンの人型実体です。実体の描写は久遠に夢見る者の影響で名前、称号、素性を明言しようとすると失敗に終わります。上記の試みは被験者の本来の名前や称号や個人として識別する形而上学的性質の喪失に繋がります。決して自らの名を得られぬ者は意識が無く、肉体的に不老であり、栄養不足に伴う栄養失調にも苦しんでいません。白く渦巻く煙が絶えず頭部から排出されており、煙は暖炉の方へと浮遊し、煙突を通って上昇していきます。

あの工場の職工のいる場所で文書6940-2A及びBの通常の読み上げが失敗すると例の本の主人公が眠っている最中に寝返りを打って、殆んど目覚める寸前までいく事態を招きます。このような発作が長時間続いた場合、SCP-6940内の煙が晴れて更に暗くなり、濃さを増した灰色の煙が露になります。同時に、実地踏査後の被験者は錆と金属の匂いを明確に思い出します。あの名もなき兵器が目を覚ました場合、何が起きるかは分かっていません。



文書6940-2A及び2Bにアクセス



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