アイテム番号: SCP-6950
オブジェクトクラス: Euclid

“ウェンディーズ・ロード”
特別収容プロトコル: イギリスの█████で“ウェンディーズ・ロード”の俗称を有する道路沿いの区間は、隔週で11:55 PMから12:05 AMまでの間、3名以下の巡回保安職員によって監視されます。
保安職員はあらゆるSCP-6950目撃事例を報告します。そのような状況が出来した場合、保安職員は標準的な非物理ヒト型実体との対話プロトコルに従うものとします。疑惑を喚起しないために、職員は質素かつ夜間の気候に適した衣類を着用する必要があります。
更なる詳細情報は、性質上類似する現象についての追加資料を参照してください1。
説明: SCP-6950は、肩までの長さの金髪で、白いセーターとスカートを着用した若い女性に似ている非物理ヒト型実体です。
SCP-6950は2週間に1回、無作為な夜の12:00 AM丁度になると、イギリスの█████郊外、地元民から“ウェンディーズ・ロード”と呼称される無人の道路沿いを歩きながら出現します。12:01 AMまでに車両が通りかからない場合、SCP-6950は消失します。車両が現れると、SCP-6950は運転手にヒッチハイクを試みるかのような手信号を見せます。本稿執筆時点では、恐怖心や無関心が原因で、SCP-6950を乗せるために停車した人物は報告されていません。
発見ログ: SCP-6950の発見以前から伝わる地元の伝説によると、この道路の近隣では、25年前にSCP-6950とほぼ同じ年頃の若い女性 (ウェンディ・ウィリアムズ) が自殺しています。若い女性のような“亡霊”を目撃したと主張する人物が幾度も現れた後、この道路は地元民から“ウェンディーズ・ロード”の綽名で呼ばれるようになりました。時間が経つにつれて目撃談は少なくなり、伝説もほぼ無名になりました。
25年後、目撃談の唐突な増加に続いて、SCP-6950の存在が報告されました。
SCP-6950の異常性の程度や、突然再出現した理由は、現時点ではほとんど判明していません。更なる研究のために、ウェンディ・ウィリアムズの遺体の発掘調査が検討中です。
補遺: ウェンディーズ・ロードの隔週の監視中、職員はSCP-6950を助手席に乗せていると思しき車両が通りかかるのを目撃しました。車両は翌日、現地の伝説には精通していないと主張する地元民、クレイグ・スプリットナーの所有物と特定されました。
クレイグ・スプリットナーは、SCP-6950を車両に乗せた後、2マイル離れた地元の墓地で降ろしたと説明しました。帰宅したスプリットナー氏は、車両の前部座席で、数本の金髪が付着している擦り切れた白いセーターを発見していました。
SCP-6950は翌日の深夜、ウェンディーズ・ロードに出現せず、代わりに2マイル離れた休憩所のバーガーキングで目撃されました。エージェント シモンズが調査に派遣されました。
インタビューログ:
エージェント シモンズ: もしもし。ちょっといいかな?
SCP-6950: やあ、あんたたちじゃん。キッショいストーカー集団。
エージェント シモンズ: 違う! 我々は- どうして君がここに居るのか困惑しているんだよ。
SCP-6950: …お腹減ったからだけど?
エージェント シモンズ: しかし、君は非実体のはずだ。幽霊だろう?
SCP-6950は露骨にダブルチーズバーガーを一口かじる。
SCP-6950: “ゴーストバスターズ”でやってる。楽勝。
エージェント シモンズ: オーケイ… だが元々の居場所から移動したね。何故あそこを去った?
SCP-6950: 今言ったじゃん。お腹減ってたの。
エージェント シモンズ: 違う! その、何故“ウェンディーズ・ロード”に化けて出るのを止めたんだ?
SCP-6950: 化けて出る? んな事してないし。友達ん家に向かう途中で車拾おうとしてただけ。でもダメだね、みんなあたしをチラッと見ただけでビビり散らかすんだもん。普段は暗い所で目立つように全身白を着るようにしてんだけど、もう止めよっかなー。
エージェント シモンズ: じゃあ、誰を訪ねようとしていた?
SCP-6950は数秒間、ぼんやりと宙を見つめている。
SCP-6950: …ウェンディ。
エージェント シモンズ: …つまり、君は25年前、ヒッチハイク中に死んだ少女、ウェンディ・ウィリアムズの幽霊ではない?
SCP-6950: んーん。あたしは去年死んだの。マジ最悪だよね、コロナウィルス。
エージェント シモンズ: だとすると、ウェンディは代わりに墓地に化けて出ているのか?
SCP-6950: ちげーよ、住んでんだよ。幽霊なんだから当然じゃん。
エージェント シモンズは、クレイグ・スプリットナーの車から回収したセーターを取り出す。
エージェント シモンズ: だったら、このセーターは。君の死に関わる何かしらの重要性か、象徴的な意味合いがあるのか?
SCP-6950がセーターを見つめる。
SCP-6950: ヤッベ、あたしのセーター! すっかり忘れてた。
SCP-6950はこの直後にセーターを持ってバーガーキングを退出し、消失しました。エージェント シモンズが名前を訊ねなかったため、SCP-6950の生前の身元はまだ特定されていません。当該事象を目撃したレジ係は後ほど記憶処理されました。
SCP-6950の収容プロトコルの改訂が進行中です。