アイテム番号: SCP-696
オブジェクトクラス: Neutralized(旧Safe)
特別収容プロトコル: SCP-696は現在、サイト-73の保安ロッカー内に収容されています。
説明: SCP-696は持ち運び可能な機械式タイプライターです。SCP-696には製造者情報、シリアルナンバー、あるいはその他の識別しうる特徴はありません。
SCP-696には知性があり、そのキーを独自に動かすことが可能です。しかし、紙および赤インクのリボンが装填されない限りは、コミュニケーションを取ることに難色を示します。またSCP-696はタイプされたメッセージを理解することができ、双方向のコミュニケーションが可能です。SCP-696は触覚のみを有しているはずであり、その手法は不明ですが、コミュニケーションする個人を区別することができます。SCP-696のメッセージの大半は冗長な口調をすべて大文字でタイプしたもので1、一般にダーク・ファンタジーの作品で用いられるようなテーマやイメージがしばしば見られます。
補遺: SCP-696は定期的なD-69601との会話と、彼が非会話目的のための紙および赤インクをSCP-696に装填することを求めており、他者に読ませるための小説の執筆に関する欲求について言及しています。このことはSCP-696による非会話型の生産物が異常性質を有していないか実験するため、一時的に許可されました。D-69601は適切なスノウ・プロトコルについて説明を受けており、実験の最中に有効化されました。
SCP-696は24時間以内に50枚のページを書き上げ、実験中にその速度は向上を続けました。8日の間に、SCP-696は「深淵の暗黒神(The Dark Gods of The Abyss.)」という題名の666ページから成る作品を作り上げました。D-クラス職員を用いた実験により、この小説(SCP-696-1に仮指定)の抜粋にはなんらの異常性質も無いことが確認されました。
その文章すべてを読むことでなんらかの異常効果が発生しないか試験するため、D-69601はSCP-696-1を与えられ読むよう指示されました。SCP-696-1を読み終えると、D-69601はSCP-696との対話を求めました。この要求は、異常効果が発生した場合に備えてインタビュー中はD-69601の手首と足首を拘束した状態に置くことを条件に認められました。
怪物と闘う者は、自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。ストップ。