SCP-6975

評価: +53+x

アイテムNo: SCP-6975

収容クラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: SCP-6975はイランサイト-14の収容チャンバー08に収容され、ハカム計画の指令に基づいた場合でのみ損傷を与えることが許可されます。

SCP-6975-1標本は全ての財団サイトに配置されています。追加のSCP-6975-1標本が必要となった場合は、基材の入手のためにSCP-1106の利用が許可されます。

説明: SCP-6975はイラン人であるルカイヤ・アバスの心臓です。SCP-6975が機能停止するほどに損傷を受けた場合、周囲一帯1の時間状態が、その出来事が起こる8時間前に逆行します。ただし、逆行時にSCP-6975もしくはSCP-6975-1標本の10 m圏内にいた人物に限り、元々の8時間の記憶を保持します。

SCP-6975-1標本はルカイヤ・アバスの身体から切除した肉片であり、いずれも大きさは1 cm3で、防腐用薬液の入った適切な大きさの容器に保管されています。

発見経緯: 1953-08-12、イランのケルマーンシャー州でトラックが衝突してきたために、アバス一家の数人が即死し、ルカイヤ・アバスもその10分後に失血死しました。

1953-08-12、サイト-14が特異な時間異常を記録しました。職員はSCP-6975が異常の発生源であることを突き止め、ルカイヤ・アバスはのちにサイト-14へと移送されました。アバス一家にはクラスC記憶処理を施し、ルカイヤは先天性の心臓病で死亡したとのカバーストーリーを提示しました。代替用の6歳女児の死体が埋葬のために渡されました。

1953-09-27、監督司令部は、SCP-6975を財団内での用途に応用させる提案書の提出を承認しました。

拒絶された提案:

提案者: エドガー・サンティアゴ、サイト-14の時間分析部門の次席研究員

手法: ルカイヤ・アバスを数回続けて殺害し、SCP-6975が時間を逆行できる回数に限りがあるか確認する。

監督司令部: 却下。この提案では、時間異常に関して、他の情報源からでは容易に入手できない情報が得られる可能性は低いため。

提案者: シャーロット・ペニーコック、サイト-14のミーム・認識災害部門の次席研究員

手法: 認識災害を有すると思われるアノマリーに被験者を曝露させる場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。認識災害が発見された場合、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより曝露前に時間が逆行し、被験者を失わずに認識災害の存在を確認できるようになる。

監督司令部: 却下。ルカイヤ・アバスが認識災害に曝露する可能性があり、なおかつ時間異常と認識災害との関係性が不明であるため。

提案者: ヒュー・カークウェル、サイト-14の高度尋問部門主任

手法: 捕らえた敵エージェントを尋問する場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。7時間後、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより尋問を永久に繰り返すことができ、それまでに入手した情報を活用しつつ対処法を完全なものとすれば、以前よりも大きな成果を、より短期間で収めて尋問作業を完了できるようになる。

監督司令部: 却下。尋問中に災害性のある情報が開示され、ルカイヤ・アバスとSCP-6975に傷害が及ぶ危険性が高いため。

1953-10-12、チャールズ・マーティン2が、SCP-6975を財団の防衛システムに組み込むという提案を詳述したハカム計画を監督司令部に提出しました。仮承認を経て、この提案書は精査のために倫理委員会へと送られました。続く道徳上の異議は全て監督司令部によって破棄されました。

ハカム計画:

1953-10-29から1955-08-07にかけて、ルカイヤ・アバスの身体から切除した肉片を基に100,000以上のSCP-6975-1標本が生成されました。SCP-6975-1標本の持つ記憶保持効果が十全に及ぶよう、これらの標本は全ての財団サイトに配置されました。

1955-08-30、SCP-6975は手術によってルカイヤ・アバスから摘出され、人間の心拍を再現するのに適した機械に取り付けられました。ルカイヤ・アバスの死体はのちに、財団の生物学的廃棄物処理要件に則って焼却されました。

1975-07-12現在、ハカム計画により財団は19回の敵襲、26回の収容違反、39億人以上の死を阻止することができています。

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