アイテム番号: SCP-698-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-698-JPは筒状に丸めて、適切なサイズのケースに収納します: この状態でのSCP-698-JP-1の出現は現在まで確認されていませんが、万一の可能性を考慮し、ケースは常に監視装置の作動している収容室内で保管されています。
説明: SCP-698-JPは縦78 cm × 横54 cmのポスターです。SCP-698-JPが貼り出されている時、不定のタイミングで、その前方付近にSCP-698-JP-1が出現します。
SCP-698-JP-1はポスターに描かれたとおりの姿をしており、青い粘土でできたキャラクターがプラスチック製の「スイッチ」を頭上に持ち上げている状態で現れます。SCP-698-JP-1は「ねーねースイッチ押してー」「誰か押してよー」等と話しながら歩行します: 人の多い所へ行こうとする傾向にあるようです。
SCP-698-JP-1を視認する人間は、非現実的、非科学的、あるいは何らかの特別な存在を見ているようには感じません。可愛らしい等と思う事もありません。しかしSCP-698-JP-1の外見「以外」に対する印象に関しては、前述のような心理操作を受けることはありません。実験に参加した被験者のおよそ8割はSCP-698-JP-1に不信感や面倒臭さ等の感情を示し、SCP-698-JP-1を無視あるいは軽く会釈して離れようとして、自発的にスイッチを押そうとはしませんでした。
SCP-698-JP-1はスイッチを押されると、喜ぶような顔をして感謝の言葉を述べ、SCP-698-JPの近くへ戻って消失します。スイッチを「押した」人間に関してSCP-698-JP-1は「もう自分のスイッチを押せてた人」と評しますが、特異な点や「押した」後の変化は確認されていません。
SCP-698-JP-1を視認してもスイッチを「押さなかった」人間は、SCP-698-JP-2に指定されます。SCP-698-JP-2は後述の「行動」を起こすまで、「押さなかった」事実を忘れる事ができません。SCP-698-JP-1を視認してから長期間が経過し、何かの作業に従事している時であっても、SCP-698-JP-2はSCP-698-JP-1について尋ねられると「押さなかった」時の事を詳しく思い出し、多くの場合は後悔の言葉を交えて話し始めます。「押さなかった」経験がSCP-698-JP-2の日常に支障をきたすレベルで影響を及ぼした事例は記録されていません。
SCP-698-JP-2は他者への援助や貢献などの「行動」を起こす事に対して積極的になります。元々の性格にかかわらず、SCP-698-JP-2は「行動」の機会を見つけると率先してそれを遂行しようとします。「行動」の詳しい定義は解明されていませんが、以下のような事例が記録されています。
- 高齢者や障害者等への座席の譲渡。
- 荷物運びの手伝い。
- 持ち物を落としたことの指摘。
- 火災や事故の現場での救助活動、またはその手伝い。
- 急病人の介抱。
- 他者間のハラスメントに対する抗議や告発。
このような「行動」を達成したSCP-698-JP-2は、「押さなかった」事を忘れられるようになります。
SCP-698-JPは財団の物流部門により発見されました: 財団に搬入される物資の中に、SCP-698-JPを筒状にして収めた箱が紛れ込んでいました。箱の中にはSCP-698-JPの他に、電子メールをプリントアウトしたと見られる書面1枚と、防腐処理を施された人間の人差し指が同梱されていました。
SCP-698-JPと共に発見された人差し指は、DNA鑑定によりPOI(要注意人物)-011/013-JPのものと判明しています。POI-011/013-JPはAre We Cool Yet?の反乱分子として知られる「池光子いけてるこ」本人もしくはその構成員と推測されている人物で、財団は今回の人差し指以外にも複数の、POI-011/013-JPの分割された身体の一部を回収しています。
SCP-698-JP-1は、財団が収容する前のSCP-698-JPについて「大きな交差点が近くにある、都会の駅」に貼られていたと主張しますが、その駅名については覚えていないと話します。
補遺698-1 - SCP-698-JPの裏側に書かれた記載:
近くにいたりするとイヤーなカンジになる、うっとーしい、メーワクなやつ。
今回はうまいこと作れたと思うんだけど、どうかな。
てるこ
補遺698-2 - SCP-698-JPと共に発見された書面:
特級品の糞だ。
あんたが撒き散らした中でもこいつは特にひどい。
駄作に過ぎる、いや作品ですらない、アート未満だ。
道徳なんて糞だと言われた意味をこれっぽっちも理解していない、
救いようの無いあんたの無能さを体現したかのようだ。見てるだけで虫唾が走るこいつも、有志のメンバーがアートに昇華してくれるかもしれない。
あんたの他の糞みたいにな。
だが俺は敢えて、この惨めな姿を見せしめとして残しておいてやろうと思う。何しろこいつのくせえくせえ悪臭ときたら、
あんまり突き抜けすぎてて逆にクールだ。(注: 黒く塗りつぶされていました。下に書かれた内容は判読不能)素材を素材のままありがたがるような、物の価値を知らない奴らの元へこいつを送っておいてやる。
奴らなら、こいつを俺たちからうまく隠しておいてくれるだろう。追伸:息子の件とは関係無い。あの世で永遠に眠っていろ、クソアマ。