クレジット
タイトル: SCP-6991 - 巣
翻訳責任者: Tutu-sh
翻訳年: 2023
原題: SCP-7556 - Den
著者: Sirslash47
作成年: 2021
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-6991
初訳時参照リビジョン: 14
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アイテム番号: SCP-6991
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-6991への全ての進入口は自然保護としての偽装の下で非公開とされます。新たに形成された進入口は直近の火山・地殻の活動あるいは考古学的発見に関する情報を拡散することにより隠蔽されます。加えて、この情報の信頼性を向上しかつSCP-6991からの動物相の離散を阻止することを目的とし、雪崩や地滑りあるいはその他の自然災害が演出される場合もあります。職員がSCP-6991へ進入する場合、当該アノマリーに隣接するサイトの運営者であるサイト管理官3名の承認が必要です。
近隣の道路の検問所は民間人による周辺地域への進入を阻止します。協力を拒否した個人には強制的に記憶処理が実行される場合があります。
現在、大規模な安全警戒と収容のための選択肢については地質学部門が研究中です。
説明: SCP-6991は、固有の生物群系を支持する生物圏を擁する、南アメリカ大陸に位置するアンデス山脈の内部空洞に対する指定です。最も特筆すべき点として、当該アノマリーは絶滅種や未知の種あるいは架空の種として公的に知られる動物相の残骸や植物相を内包します。
ユーヤイヤコ山
発見: 2004/06/05、チリ共和国コピアポのハイカーであるギジェム・バルガスはユーヤイヤコ山1への旅行中に失踪しました。当該地域でのキャンプの設営は珍しいことではなかったため、彼の失踪は2週間に亘って認知されませんでした。地元当局が捜索を開始して3日後、地図上には存在しない深さ50メートルに達する穴とそこから下方へ続くロープが発見されました。
全ての公務員は記憶処理を受け、官僚的に他の調査チームへ異動させられました。ギジェム・バルガスの死体が回収された後、地質学者や火山学者用の調査地としての偽装の下、後の探査のため穴の周囲にキャンプが設営されました。
補遺: 解剖所見
解剖所見
死者: ギジェム・エスター・レオノール・バルガス
照合手段: 写真比較、歯科記録
年齢: 28歳⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀身長: 174.2 cm
性別: 男性⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀体重: 72.4 kg
国籍: チリ
体表の所持品
- 赤色のTシャツ、緑色のフリースのチョッキ、ベージュ色の耐風ジャケット。いずれも皮膚の上で僅かに溶け合っている
- 約1-5 cm2の血痕が付着した、ストライプの入った灰色のビーニー帽
- 空のライター
- チリ北部の地図と方位磁針
- リップスティック
視診検査
- 洞窟に孤立し腐敗の過程が遅れたため、身体は比較的良好な状態にある
- 腰から下部の体の部位は欠損しており、大腸が僅かに垂れ下がっている。右腕も同様に欠損している
- 両目は開いており、茶色の虹彩は僅かに褪色し、瞳孔は散大している
- ジャケット背部のチョークストライプはおそらく引き摺る動作に起因する
- 口唇周囲の血は出血性ショック2の兆候である
診断結果
1) 溶解した衣類に見られる痕跡と同様の酸性成分の兆候が脳に認められる。酸あるいは他の未知の揮発性物質により幻覚が誘発された可能性がある。明らかな剥離が認められる。
2) 2本の左肋骨が骨折している。
3) 肝臓は穿孔を受けており、また麻痺を誘発する有毒物質が含まれる。さらなる毒物学的分析にはより多くの試料が必要である。
4) 大腸は腹部から垂れ下がっており、吐瀉物と唾液の混合物に被覆されている。おそらくは皮膚の上で衣類を溶解させた物質と同一のものであり、数センチメートルの肉や布を液化させることが可能である。昆虫類や蛛形類の狩猟・食餌パターンとの強い類似性を示す。
要約
犠牲者は酸性の液体あるいは煙霧への曝露、刺創、および下半身の切断を受け3、これにより大量失血に至った。
死因
失血
補遺-2: さらなる探索
機動部隊ゼータ-9によりマークされた空洞
2004/07/08、機動部隊ゼータ-9("メクラネズミ")は大洞窟のさらなる探索を開始しました。洞窟調査の開始から3日後、彼らは湖の存在する空洞をベースキャンプの設営候補地としてマークし、より良い装備と食料の回収のため帰還しました。
帰還後、ゼータ-9は反響定位を用いて空洞の付近に位置する通路の地図を作成しましたが、増幅した信号を用いてもある1本の通路の規模は測定不能でした。ゼータ-9は通路への機動作戦を決定し、マークした空洞に残った10小隊の隊員が周囲を分析してキャンプを設営し、他の10小隊の隊員が探索任務に向かいました。ログを以下に提示します。
<記録開始, [2004/07/12 03:55]>
ゼータ-9-1: こちらゼータ-9-1司令官。5分後に作戦開始。総員状況確認。
ゼータ-9: 展開準備完了。
ゼータ-9-1: 時刻確認、マルヨンマルマル、作戦開始。ゼータ-9-8およびゼータ-9-10は前方を偵察せよ。
ゼータ-9-8: 了解。200メートル先で待機する。
簡単のため6時間分の内容を省略。
ゼータ-9-10: 司令官。壁画を発見した。ゼータ-9-6に正面へ回って石摺りを作成するよう提案する。
ゼータ-9-1: 偵察隊だけでできないのか?なぜシックスの補助が必要だ?
ゼータ-9-10: 自分は今目にしているものが何か分からないが、シックスは考古学の学位を持っている。羽毛の生えたヴェロキラプトルか何かだとは思うが、これほど古い物の石摺りとなると、元々が何だったか判断できなくなるかもしれない。こいつに偶然気付いたなら、特定すれば至極さっぱりする。
ゼータ-9-1: ゼータ-9-6、正面に回って写真を撮り、石摺りを作成しろ。それが何に似ているか検討が付くか見てみろ。
ゼータ-9-6: 了解。
数分経過。
ゼータ-9-6: こちらゼータ-9-6。おそらくこれはアウストロラプトル、あるいは他のドロマエオサウルス科の種の絵画だ。白亜紀の南アメリカに生息。情報源が無いから今言えるのはこれくらいだ。
ゼータ-9-3: つまり我々は恐竜の子孫に警戒しなければならないのか?
ゼータ-9-6: 子孫は居るかもしれないが、実のところ、自分は心配していない。
ゼータ-9-1: シックス。何故か説明しろ。
ゼータ-9-6: アウストロラプトルは平均的な男よりも少し大きいだけだ。この狭い通路なら簡単に倒せる。
ゼータ-9-1: 良いだろう。標準フォーメーションで続行できるように、石摺りを送信しろ。
ゼータ-9-6: 了解。
ゼータ-9-6により送信された石摺り
ゼータ-9-4: おお、可愛い獣だな。良いトロフィーになりそうだ。
ゼータ-9-8: 諸君、休憩は終わりだ、荷造りを始めよう。偵察隊前進。200メートルの距離保て。
ゼータ-9-1: 了解。進め。
簡単のため3時間分の内容を省略。
ゼータ-9-8: こちらゼータ-9-8。通路の端に到着した。ここは ⸺ おい、これを見ろ!
ゼータ-9-1: 行き止まりじゃないのか?何だ?
ゼータ-9-10: こちらテン。巨大なひび割れの中の、小さな高台に来た。いや、言い直す ⸺
ゼータ-9-8: くそったれ、山全体が空っぽだ。
ゼータ-9-1: 待て、何?
ゼータ-9-5: ちょっと待て、聞き間違いか?
ゼータ-9-10: いいや、こんなこと ⸺ デカい!どうせ後200メートルなんだ、自分の目で確かめてくれ。我々に見えているものを送る。

ゼータ-9-5: ああ、こいつぁたまげたな。下は雲だらけだ……
ゼータ-9-1: 思い出せ、我々はまだ海抜数千メートル地点に居る。総員、新しい地図が必要になる。エコーロケーションを使え。地下でどれだけの経験を積んでいようが関係ない、我々はここで道に迷うわけにはいかない。総員エイトとテンの場所に向かえ、そこで本日の遠征を終了とする。
ゼータ-9: 了解。
簡単のため残りの内容を省略。
<記録終了, [2004/07/12 14:08]>
ベースキャンプでチームは他の隊員とのコンタクトを確立し、土壌と植生の試料を回収して地形図を描画しましたが、大洞窟が広大であったため周囲の反響定位には失敗しました。また、周囲の踏査においてゼータ-9-3は複数の未知の生物種の遺骸を伴う孔を発見しました。
<記録開始, [2004/07/12 20:13]>
ゼータ-9-3: こちら9-3。孔と骨を発見した。9-6の援助を要請する。
ゼータ-9-6: こちらゼータ-9-6。今見ているものが何の種か、僅かにでも考えはあるか?
ゼータ-9-3: 恐竜のお友達がここに居るのは断言できる。古代の野郎はともかくとして、デカいヘビや自分には皆目見当のつかない動物が見えてる。
ゼータ-9-6: 井戸のような孔なのか、あるいは下の空間に繋がっているのか?
ゼータ-9-3: ゴミ捨て場みたいなもんだ。歩いて行ける。自分に言わせれば、辿り着くのは楽勝だ。
ゼータ-9-6: よし、行こう。
<記録終了, [2004/07/12 20:15]>
ゼータ-9-3および-6は彼らの発見を文書化しました。彼らがベースキャンプと連絡を取りローカルサイトへ帰還した後、当該動物の種が同定されました。ゼータ-9-6は全ての遺骸が起源不明の酸あるいは酸性成分に接触されたように見えることに言及し、これらの遺骸を生み出した捕食者も不明としました。
⠀
| 指定 | 説明 | 同定された種 |
|---|---|---|
|
SCP-6991-1 |
肉食性、二足歩行、獣脚類の恐竜。羽毛を持った痕跡が見られる。 | Austroraptor cabazaiとして同定。特徴は先に発見された絵画と一致する。 |
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SCP-6991-2 |
全長10-15メートルにおよぶヘビ。頭蓋骨の後側と脊椎の中央には翼が存在する。 | アステカの神ケツァルコアトルの元となった種である可能性が高い。アステカ帝国は中央アメリカに位置したため、渡りを行う種であったと仮定される。 |
|
SCP-6991-3 |
身長約2.50メートルの平胸類の鳥類。嘴の特徴から食性は肉食であることが示唆される。 | 人喰い鳥としても知られる民間伝承上の沼地の鳥であるトゥヤンゴと推察される。特徴はナンドゥ4のものと類似する。現地では絶滅鳥類あるいは架空の鳥類として説明される。 |
|
SCP-6991-4 |
ウマの頭部を持つ、全長4メートルに達する魚類。 | 神話上の魚であるピラヌと考えられる。特徴はArapaima gigas5やクリオロ馬6と同一の解剖学的構造と類似する。 |
|
SCP-6991-5 |
遺骸の内部に光沢を示す金属部品を伴う、様々な体サイズの鳥類。 | チリの神話に登場する鳥類アリカントとして同定。アリカントは金や銀といった金属を摂食し、暗所ではその金属の元の色に類似した光を放射する。 |
|
SCP-6991-6 |
頭蓋骨と複数の肋骨に突起を持つ全長10メートルに達するヘビ状の骨格。 | アルゼンチン北部の民間伝承に登場する毒蛇アラガナクルタとして同定。 |
ゼータ-9はさらなる指示を待つよう指示されました。
補遺-3: アンデス・クラウド・インシデント
2004/07/13、ゼータ-9はSCP-6991の動物相のうち生存個体を発見したか否かを問われました。彼らは未発見であることを確認した後、翌朝のさらなる探索の任務を負いました。
<記録開始, [2004/07/14 07:56]>
ゼータ-9-1: よし、全員揃ったな。最後にもう一度作戦について説明する。異議のある者は居ないな?
沈黙。
ゼータ-9-1: 良いだろう。エイトとテン、お前たちはまず東側の崖から降り、大気組成を継続的に測定しろ。標準プロトコルに沿って付近にはガスマスクがあるから、躊躇せず装着しろ。これだけの森林なら、他の作戦のように有毒ガスが顔にかかることはないはずだ。ここまで良いか?
ゼータ-9: はい、司令官。
ゼータ-9-1: よろしい。その後、我々は全員降下するが、ゼータ-9-2と9-7だけは上に残って観察し地図を作成しろ。ゼータ-9-5は我々が降下した後、地上での地図作成を担当する。地上の地図作成だが、予想される本日中の進捗は?
ゼータ-9-5: 我々の現在の地図は極めて詳細だ、細部まで求めるなら今日カバーする範囲の50から60%はできると思う。我々が休憩を取るとして、周囲に小川や流砂のような自然障壁が存在しなければ、標準マーカーで完遂可能。主に森林の丘陵地帯を想定している。
ゼータ-9-1: よし、では始めよう。
簡単のため20分間の内容を省略。
ゼータ-9-8: 降下準備完了。9-10、準備は良いか?
ゼータ-9-10: 準備良し。降下開始。
簡単のため数分間分を省略。背景音として鳥の鳴き声が聞こえる。
ゼータ-9-10: 雲の中に入る。有毒ガスや有害粒子は検出されていない。念のためガスマスクを装着。
ゼータ-9-1: ラジャー。エイト、どうだ?
ゼータ-9-8: 標高は高いが、酸素供給の点で悪影響は無い。後でテンの例に倣うかもしれないが、良い推定ができると思う。
ゼータ-9-1: 了解。状況報告は継続しろ。
ゼータ-9-8と-10が高度を下げ、雲に到達する。
ゼータ-9-8: オーケー、雲の中に入って、視界が悪化している。視野の広さについてはまた報告する。息苦しさは無いが、空気が強烈になってる。
ゼータ-9-1: 「強烈」とはどういう意味だ?詳しく教えろ。
ゼータ-9-8: どう説明したものか分からない。何かがおかしい。自分の知る限り、湿度じゃない。
ゼータ-9-1: 9-10。マスクを付けていても同様の影響はあるか?
ゼータ-9-10: ああ、ある。自分のフィルターのインディケーターの色は変化していない。だから他の作戦みたいなアスベストやそれ以外の有害物質じゃないが、これという原因は分からない。
ゼータ-9-8: 我々は完全には雲を抜けられないようだ。まるでほんの少し、抱き抱えられているみたいだ。
ゼータ-9-1: 組成をもう一度分析しろ。降下速度を調整する。
ゼータ-9-8: 了か ⸺ 待て。
さえずりが止む。鳥の群れや有翼のヘビが飛び去る様子が見える。
ゼータ-9-1: 何か問題が?
ゼータ-9-10: ちょっと待て。エイト、お前も ⸺
ゼータ-9-8: 待て!自分 ⸺ こ、これは何だ?
ゼータ-9-10: もうこれ以上、降りられない。
ゼータ-9-1: 待て、今の発言は ⸺
ゼータ-9-3: 司令官。もうロープは堅くないが、我々は推定される降下距離の半分にも届いていない。彼らを引き上げられない。
ゼータ-9-1: まだ動けないか?状況に変化はあったか?
ゼータ-9-10: 司令官……自分が思うに、これは雲じゃない……網だ。
ゼータ-9-1: なぜその結論に至った?
ゼータ-9-10: 司令官……蜘蛛が近づいてくる。
沈黙。
ゼータ-9-10: 司令官、自分のガスマスクにはカメラがある。この映像も間違いなく記録されるはずだ。
ゼータ-9-1: 自分が ⸺ ふむ。ゼータ9-3、ライブ映像をスキャナーのモニターか何かに表示しろ。
ゼータ-9-8: 急いでくれるか?かなりまずいことになってきてる!
ゼータ-9-1: ゼータ-9-8、何を ⸺
ゼータ-9-10: 司令官、ロープを切断しろ。
ゼータ-9-1: ちょっと待て、何故 ⸺
ゼータ-9-8: ああクソ!やめろ!駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ ⸺
ゼータ-9-10: 司令官!ロープを切れ!僕を信じろ。
ゼータ-9-1: ゼータ ⸺
ゼータ-9-8: ああクソ!来るな!まずいまずいまずいまずいまずいまずい ⸺ あああ!
ゼータ-9-1: いったい何が起きて ⸺
ゼータ-9-8: [理解不能な叫び声]
ゼータ-9-3: 司令官……この映像は……クソッ、気色悪い!
ゼータ-9-1: 見せてみろ!状況を把握しなくては。
映像では、ゼータ-9-8に未知の種のクモが群がり、それらが彼の口や目から進入して内外から彼を生きたまま摂食し始めている様子が示される。
ゼータ-9-10: お前ら、ここからもう出るつもりか?ロープを切って逃げろ、畜生!
未同定の大型のクモがゼータ-9-10の方へ移動している様が認められる。
ゼータ-9-3: テン、そこに ⸺
ゼータ-9-10: 知ってる。知ってるさ……こいつは母親だ。
ゼータ-9-1: 光栄だったぞ、ゼータ-9-10。
ロープが切断され、落下する。
ゼータ-9-10: さあここから出て行け!
映像ではクモがゼータ-9-10を嘔吐する様子が見られる。これ以降、当該のクモ個体をSCP-6991-7に指定。彼のアーマーと肉は酸性物質により液化しており、SCP-6991-7は彼に噛み付いて肉を吸引する。カメラの腐食のため映像が歪み、途絶する。
ゼータ-9-1: 総員完全防備!他のキャンプに知らせ、通路に戻れ!必需品以外は置いて行け、今すぐに立ち去るぞ!ああ、それで、ゼータ-9-3。
ゼータ-9-3: はい、司令官?
ゼータ-9-1: 入口の爆破を準備しろ。
簡単のため数分間の内容を省略。
ゼータ-9-1: ゼータ-9-3、爆発の安全範囲はどの程度だ?
ゼータ-9-3: 開けた場であればおおよそ100メートル。この狭い通路ならカーブと高低差があるから、飛来する破片から身を守るのに十分な範囲をカバーしてくれるだろう。鍾乳石には警戒するが、入り口は早急に封鎖すべきだ。遠くでくすぐったい肢の音もしてるしな。
ゼータ-9-1: ゼータ-9-6、9-2と一緒に先頭に居るな?鍾乳石は見えるか?
ゼータ-9-2: こちら9-2。シックスは自分のすぐ背後に居る。一番近い鍾乳石で約300メートル先だ。
ゼータ-9-1: よし、ゼータ-9-3。爆破しろ。
ゼータ-9-3: ラジャー。
爆発音の後、崩落する瓦礫の音と金切り声が聞こえる。
ゼータ-9-1: 大丈夫か?
ゼータ-9-3: [溜息] 問題無い。少し鼓膜を痛めただけだ。
ゼータ-9-1: 休んでいる時間はあまり無いが、体調が悪い場合は知らせるように。総員、上昇開始。ゼータ-9-4、ベースキャンプか地上から何か伝言は?
ゼータ-9-4: 無い。試行を続行する。
ゼータ-9-1: 我々が到着次第、彼らも準備ができている方が良いからな。
簡単のため数時間分の内容を省略。
ゼータ-9-1: 背後でくすぐるような音が聞こえるな。蜘蛛どもが近づいてる。エコーからして小型個体じゃあないはずだ。総員、会敵用意。
ゼータ-9-3: クソが……
ゼータ-9-1: 9-3、何か問題が?
ゼータ-9-3: あー、俺にも聞こえると思ってたが……
ゼータ-9-1: まさかお前、耳がまだ ⸺
ゼータ-9-3: ああ。
ゼータ-9-1: 心配するな。地上に着いたらチェックさせてやる。
ゼータ-9-3: それでこそ司令官だ、決して諦めない。[溜息] 現実を見ろ。まだ道は長いし、時間も残ってない。
ゼータ-9-1: ……
ゼータ-9-3: 受け取れ。
ゼータ-9-1: 爆薬を全部自分に!?何故だ!?
ゼータ-9-3: 爆薬「全部」じゃない。
ゼータ-9-1: 待て、何を ⸺
ゼータ-9-3: さあさあ。計画があるんだよ。
ゼータ-9-1: そうはさせるか、9-3……
ゼータ-9-3: 司令官。今俺は、撤退が遅れるか、あるいは俺たちの中の誰かが殺される原因になっちまってる。俺の武器とこいつがあれば、あんたがどうしても必要な時間を稼げるんだ。
ゼータ-9-1: ゼータ-9-3、お前 ⸺
ゼータ-9-3: 行けよ!それとも何か、鼓膜も爆破されたいのか?
ゼータ-9-1: ……
ゼータ-9-2: こういうことは言いたくないが司令官、彼が正しい。9-3、光栄だった。
ゼータ-9-3: こちらこそ。さあ行け!
ゼータ-9-1: 畜生、9-3…… 畜生…
簡単のため数時間分の内容を省略。
ゼータ-9-6: キャンプに着いた。クソ、この洞窟をまた目にできて嬉しいぜ!
ゼータ-9-2: ああ、だが他の連中は残ったらしい。[溜息] だろうな……
ゼータ-9-1: おい、冗談だろ?
ゼータ-9-2: 本当だ。自分で確かめろ。
ゼータ-9-1: そうするとも!少し待て。
数分経過。
ゼータ-9-1: 皆はどこだ?皆はいったいどこなんだ!?ゼータ-9-4、地上との連絡は何か無いか?
ゼータ-9-4: 駄目だ。通じない。
ゼータ-9-1: 彼らが置いていった機材の間の端末を探す。慌てて出発して、忘れたに違いない。
数分経過。
ゼータ-9-4: 司令官。連中、地上との双方向通信を無効にしたみたいだ。暗号化されたデータしか送信できない。
ゼータ-9-1: 他には?
ゼータ-9-6: 爆薬の大半が残ってないし、地上への通路も封鎖されてる。残念だが、我々は巻き添えを食ったらしい。おそらく地上も封鎖されてる。
ゼータ-9-4: じゃあ今の計画は?弾薬を使い切るまでクモに立ち向かって撃ち続けるか?
ゼータ-9-1: カメラの映像をアップロードして、残りの爆薬を搔き集めて地上へ戻ってやる。「あの」地下機動部隊ゼータ-9の真髄を見せてやろう。生き埋めかもしれないが、まだ死んでないだろ。
ゼータ-9-6: じゃあ、蜘蛛が出てきたらどうする?
ゼータ-9-1: ああ、ここは私たちがさっき脱出した通路よりも鍾乳石が多い。天井を撃って雨を降らせてやる。
ゼータ-9-2: 司令官、爆発と組み合わせれば空洞が崩落するぞ。
ゼータ-9-1: それが狙いだよ。私たちが成功しなければ、あいつらだってそうだ。
<記録終了, [2004/07/14 21:36]>
2004/07/14から2004/07/15にかけての夜間、地下の崩落によりユーヤイヤコ山の火道が拡大し、火山が再び活発化しました。比較的小規模な噴火が複数回発生した後、中央アンデス地域でSCP-6991への新たな進入口が発見され、その後封鎖されました。加えてチリとアルゼンチンの複数都市でより急速な地盤沈下が進行していることがさらなる研究から示唆されたため、都市化と地下水盆の過剰揚水を非難する報告書が公表されました。
大規模収容違反に対する持続可能な恒久的解決法はいまだ見出されていません。



