Info
翻訳責任者: mochizkyy
初訳: FattyAcid
翻訳年: 2026
著作権者: PlaguePJP
原題: SCP-7001 - Site-19
作成年: 2022
初訳時参照リビジョン: 53
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-7001
by PlaguePJP
«ログ開始»
SCP-7001-マッキンス: もしもし?
エリクソン: ムース管理官ですか?
SCP-7001-マッキンス: ええ、そうよ。
エリクソン: 私は除外サイト-21のアレクサンダー・エリクソンという者です。私が昨日送信したメッセージをお受け取りになっていますでしょうか? 返信が無かったもので。
SCP-7001-マッキンス: うーん。
エリクソン: 私もこれが少々面倒なことであることは承知しています、ムース管理官。ですが、これは簡単な点検のようなものでして、そちらのサイトが上手く回っていることを確かめるために必要なものですので。
SCP-7001-マッキンス: ふうん。で、実際何が起きたの? 私の留守電は12時間ごとに消去されるのよ — メッセージが溜まっていると不安になるでしょう。
エリクソン: ええと、その…… ムース管理官、その設定はどうかと…… まあ、それについては別の機会に話しましょう。何が起きたかと言いますと、小規模な現実改変イベントです。心配するようなことでは——
SCP-7001-マッキンス: それはもう心配なことよ。
エリクソン: 現実改変イベントは確かに危険にもなり得ますが。
SCP-7001-マッキンス: "現実改変イベント"だなんて、本当に物騒ね―― そんなのに巻き込まれるなんてごめんだわ。絶対嫌。
エリクソン: その……必要な確認事項に移らせてもらえませんか? 軽い点検が済んだら、それでお終いですので。
(記録上の沈黙。)
エリクソン: では、続けます。直近の評価によれば、サイト-19には432種類の異なる異常なエンティティまたはオブジェクトが収容されているはずですね。間違いありませんか?
SCP-7001-マッキンス: ええ、今朝自分で数えたもの。
(書類をめくる音。)
エリクソン: ええと…… ああ、ありました。昨夜、サイト-19に駐在している全員の署名を貰いました。全員の所在は確認できていますので、その点は問題ありません。
SCP-7001-マッキンス: そう。で、それで全部?
エリクソン: いえ、ムース管理官、実はまだ…… ここからが今回の電話が重要な理由なのですが、そちらの提出したアノマリーのチェックリストに幾らかの食い違いがあるようなのです。
SCP-7001-マッキンス: あら…… それはおかしな話ね。
エリクソン: 本来確実に記載されるべきアノマリーが抜けていて、間違ったアノマリーが記載されたリストになってしまっています。
SCP-7001-マッキンス: あのね、アレックス。このリストは私を含め、指揮系統内を5層は経由してるの。もし何かが抜けてたら、すぐに分かるのよ。
エリクソン: あなたを疑っているわけではありません。ですが、リストには明白に抜けがあります。隅々まで目を通しても、SCP-173がどこにも載っていないのです。流石に覚えているはずでしょう、あのサイトはアレのためにEuclid収容棟を作ったのですから。
SCP-7001-マッキンス: うちに173は無いわ。別のサイトの話でしょう。そっちの手違いじゃないの。使えない男と話すのは嫌いなのよ、アレックス。
エリクソン: 何のことを言ってるか、お分かりですよね?
(返答はない。)
エリクソン: こう、見続ける必要があって…… 視線を逸らすと動く彫像です。分かりませんか? 大丈夫ですか?
SCP-7001-マッキンス: うちにSCP-173は無いし、そもそも彫像型のオブジェクトさえ1つも無いわ。私はちゃんとしたリストを送ったはずなのに、まったく。
エリクソン: いいえ、あなたは正しいリストを送っていませんよ。彫像だけじゃない、サイト-19が対応しているはずの他のアノマリーについても、少なくとも20件以上の掲載漏れがあります。173のファイルには「1993年にサイト-19に移された」と明記されていて、他のサイトに移送したとは書かれていません。しかもこれは1994年以降更新されていないんです。つまりですね、あなたがアノマリーを紛失したか、そもそもそれらがもう存在しないのか、あるいは、あなたが意図的に話をややこしくしているか、です。
SCP-7001-マッキンス: 言ったはずよ。今朝自分で数えたけど、ここにはそんなふざけた彫像なんて無いの。うちにあるアノマリーはたった50しかないのよ!もし本当にそれがここにあるなら、見逃すはずなんかないわ。
エリクソン: 待ってください。
SCP-7001-マッキンス: 何?
エリクソン: 今、アノマリーは50種類だけだと言いました?
(5秒間の沈黙。)
エリクソン: もしもし?
(13秒間の沈黙。)
エリクソン: 聞こえますか?
マッキンス: ……ああ? (呻き声。) 何が起きている?
エリクソン: もしもし? 管理官?
マッキンス: ……我々は、いつからこの通話を?
エリクソン: 大丈夫ですか? アラン・マッキンスさんで合っていますか? どうしてサイト-19に?
マッキンス: あ、ああ。そうだ、私だ。ここにいる。戻ってきた。
«ログ終了»
SCP-7001-被影響サイト。
特別収容プロトコル: SCP-7001は最近確認されたばかりの事象であり、収容手法は現在開発中です。RAISA、財団除外サイト、監督評議会の協力により、記憶補強薬を用いてSCP-7001を確実に追跡することが可能となりました。現在、SCP-7001の起源を解明するための取り組みが監督評議会を中心に進行中です。
SCP-7001の見取り図。
説明: SCP-7001は当報告書執筆時点までに建設された中で最も大規模な保安施設である、SCP財団サイト-19です。SCP-7001には、400体以上のアノマリーに対応可能な収容設備、2000人以上の職員が勤務可能なオフィス、13のサイト駐留の機動部隊、監督評議会メンバーのためのオフィスが存在します。
SCP-7001は単一の物理的な場所に限定されません。SCP-7001は、SCP財団のサイト、仮設サイトまたはエリアとして公式に指定された建造物、土地の一部、および異常区域に出現します。SCP-7001は、建築物の拡張、SCP-7001-1の出現、記憶影響、文書の改変によって、対象となった場所をサイト-19へと変化させます。
SCP-7001は対象の内部トポロジーを改変することで、外郭の建造物を維持したまま、内部をサイト-19の見取り図に沿ったものへと変化させます。対象となった場所は、その大きさに関係なくこの効果の影響を受けます。
SCP-7001のミーム効果は極めて強力です。一度SCP-7001の影響を受けると、財団のあらゆる階級の全職員は、対象となったサイトをサイト-19であると思い込みます。SCP-7001が対象から離れ、他のサイトと繋がるまでの間、本来のサイトの名称は記憶から抹消されます。1990年から2004年にかけ、サイト-17がSCP-7001の影響を受けていました。この期間中、あるいは以前に作成された文書は全て異常性の影響を受け、更なる拡散の元となりました。
SCP-7001-1は、SCP-7001内に出現するSCP財団の職員です。SCP-7001-1実例は、出現するたびに外見や行動が異なります。サイト-19の従業員に関する5万件以上の裏付けのない文書が、人事ファイルに対する複数回の監査によって発見されました。SCP-7001-1のうち、影響を受けた全サイトに出現した特定の個体が4体存在します。これらの人物は、誇張された言動を取り、プロ意識に欠け、また一貫して財団の職務基底に違反する傾向があります。
- SCP-7001-1A | イライアス・ショー管理官: 財団の上級職員で、財団に収容あるいは雇用されている人間が多い家系の出身者です。SCP-7001-1Aは"SCP-963"1と呼称されるアノマリーの影響を受けており、その物理的な外観は各出現事象において毎回異なります。SCP-7001-1Aは、いかなる状況においても、首飾りとプロ意識に欠けた態度で識別できます。
- SCP-7001-1B | アルト・クレフ博士: 財団の上級研究員であり、写真やビデオ映像でその顔を視認することが出来ないという異常の影響を受けています。SCP-7001-1Bは低位の奇跡術師でもありますが、その能力を攻撃的または防御的な手段に用いたことはありません。SCP-7001-1Bは、3つの多色の眼を有し、ビジネスカジュアルや研究室用の安全装備を着用せず、また背が低いことで識別できます。
- SCP-7001-1C | ティルダ・D・ムース管理官: ティルダ・D・ムース管理官は物理的実体ではなく、SCP-7001の影響を受けたサイトの現在の管理官を財団の上級職員であるティルダ・D・ムースであると確信させる一要素です。SCP-7001-1Cは奇跡術と奇跡論実体の専門家であり、要注意団体"蛇の手"の元メンバーでもあります。SCP-7001-1Cへの言及はSCP-7001の出現でのみ見られるものではなく、SCP-7001-1Cがサイト-17の共同管理官であるとする文献が存在します。この内容に裏付けはありません。
- SCP-7001-1D | ケイン・パトス・クロウ博士: 財団の上級科学者で、未知の手段によりその意識を成体のゴールデンレトリーバーに移植されています。SCP-7001-1Dは天才的な知性と落ち着いた態度の持ち主だと言われています。SCP-7001-1Dはサイト-19に居住しており、サイト全体に姿を現すことは滅多にありません。
収容破綻報告
2004/02/17、財団が管轄する2ヶ所の異常領域において、同時多発的に地質的災害が発生し、財団が建造した構造物が全て破壊されるという事態が発生しました。現在も原因は解明されておらず、再収容の試みが進行中です。
補遺 7001.1: SCP-7001発現の時系列
以下、文書化を容易にするため影響を受けたサイトをサイト-Xと表記します。
| フェーズ1 | SCP-7001はサイト-Xに割り当てられている全人員に影響し、彼ら自身がサイト-19に割り当てられていると信じ込ませる。加えて、彼らは自分たちが最初からサイト-19に割り当てられてきたと信じるようになる。サイト-Xはサイト-19と呼称されるようになり、本来のサイト指定番号は速やかに忘却される。 |
|---|---|
| フェーズ2 | サイト-Xの現在の管理官が、自身をティルダ・D・ムース管理官であると思い込むようになり、癖、話し方、振る舞いもそれを反映したものへと変化する。 |
| フェーズ3 | 文書中のサイト-Xへの言及が、サイト-19に置き換えられる。同時に、以前SCP-7001の影響を受けていたサイトへの言及は、元のサイトを指すものに戻る。 |
| フェーズ4 | 建築構造の改変が開始する。サイト-19のアノマリー収容棟、住居、およびオフィスが出現する。 |
| フェーズ5 | サイト-19のアノマリーおよび駐留する機動部隊が、それぞれ適切な場所に現れる。同時に、建築構造の改変が完了し、サイト-Xの間取りがサイト-19のものに完全に置き換わる。 |
| フェーズ6 | SCP-7001-1AからSCP-7001-1Dを含む、サイト-19の特定の人員が出現する。SCP-7001の出現が完了する。 |
SCP-7001の侵食が完全に完了するまでには、84~96時間を要します。完了すると、影響は最大で20年間もの期間、発見されないまま継続します。
補遺 7001.2: 発見
SCP-7001は、2004/02/17に除外サイト-212のアレクサンダー・エリクソン管理官によってサイト-43に対して行われた監査によって発見されました。02/16から02/17にかけて、サイト-43はSCP-7001の影響を受けていました。発現状況がフェーズ4に達していたことで、SCP-7001の存在が発見されるに至りました。
発見されたSCP-7001はサイト-43から分離されましたが、その直後にサイト-120で再発現し、変換プロセスを開始しました。これを受け、監督評議会は直ちに記憶補強薬の投与を開始し、2004/02/17に以下の会議を開催しました。
監督評議会会議
«ログ開始»
O5-1: さて、始めようか。まず、急な召集で申し訳ない。だが、我々が喫緊の課題を抱えていることには全員が同意してくれることと思う。
(口々に同意する声。)
O5-1: 2004/02/16、新たな除外サイトの1つによって、サイト-19が実際には実在しない施設であることが発覚した。建設期間中に我々がネブラスカ州にいたことを考えると――
O5-5: ネブラスカだって?
O5-3: ワン、サイト-19が建てられたのはネバダ州だ。
O5-5: おい待て、待てよ。違うだろ。イリノイだろ。
O5-1: なあ、頼むよ―― [咳払い] 誰か、この件を記録に追加するよう後でリマインドしてくれ。私の権限で指揮を取る。これを収拾するまでは、このアノマリーの収容を最優先事項とする。
O5-8: 具体的に何を収拾するつもりだ?皆一貫した証言などしていないじゃないか。
O5-1: 歴史だ―― 100%真実であると言える土台を作り、そこから出発するもの。建設の前、収容の前、アレがアイデアに過ぎなかった頃の話だ。ナイン、この件にジョーンズを引っ張ってこれないか。
O5-9: 彼女からは昨日知らせがありました。今日、RAISAと複数の分類アルゴリズムが全ての19関連のファイルの抽出とコンパイルを開始。長くても3日以内に完了予定とのこと。
O5-1: 素晴らしい。
O5-7: 恐らく最も差し迫った問題は、我々の最も信頼していた職員の4名が偽物であったという事だろう。どうやってあらゆる指揮系統をすり抜けたんだ?
O5-1: 後でマリアが詳しく教えてくれることとは思うが―― 我々の知る限り、19の職員の怠慢によって財団全体に問題が引き起こされたことは一度としてなかった。もしかしたら隠蔽したのかもしれないし、それは分からない。だが、もし何も隠蔽していないのなら、それはそれで納得はいかないだろう。我々が訪れた偽のサイト、何度も出会った偽の職員、それに我々が調査した偽のアノマリーを作り出したアノマリーが存在する。そいつは驚くべき能力で自身を現実に溶け込ませて隠し通し、正常だと信じ込ませている。だと言うのに、そいつが我々に親切でもあると?
O5-12: 普段、私はワンの意見にはなから賛成するタイプではないが、確かにこれは腑に落ちない。今回ばかりは私も同意する。我々の目標は、いつ、どのように、を知るだけでなく、この現象の終局を見極めることであるべきだ。
O5-1: 最悪な事に、デッドマンスイッチ3はサイト-19にある。つまり、19の誰かしらが暴走し、我々を記憶から消すことすらあり得るわけだ。
O5-6: "管理者"と連絡の取れる者は?私は今日数回試したのだが、ダメだった。
O5-2: 私も除外サイトから発見についての知らせがあった直後に試したが、通じなかったよ—— 最初から期待していなかったがね。
O5-13: なぜ彼が必要なんだ?
O5-10: 19の建設を命じたのは管理者だろう。違うか?
O5-7: 恐らくそれはRAISAが明らかにする。私の記憶が正しければ、テンの言う通り。
O5-13: なにか行動計画はあるのか?フォー、こういうのは君の領分だろう。
O5-4: まあ、そうだな。試せる戦略はいくつか。だがな、そう、こいつは少し奇妙なケースなんだ。専門外というわけではないが、一応備忘録として言っておくと、俺は19に手を出さないよう意図的に指示されていた。機動部隊の訓練やら、ファイアウォールやバックドアに関するテストも、何もかも無しにだ。つまりは、既知の情報以外は何もない状態で進むってことになるな。
O5-1: 待て、君に19に手を出すなと言ったのは誰だ?
O5-4: お前らの…… 誰かじゃなったか?
O5-1: 誰か、フォーに19を離れるよう命じた者は?
(沈黙。)
O5-4: ああ、そうだ…… 建設が始まったときに手紙を貰ったんだった。内容は「全ての作戦行動は他の場所で実施すること。サイト-19の完全性を損なうような行為は、それが計画的なものであれ厳重に禁止する」みたいな感じだったと思う。
O5-13: ナイン、ジョーンズに連絡してフォーの証言の検証を優先させてくれ。
O5-9: OK。
O5-13: それで、行動計画についてどう見る、フォー?
O5-4: あー、とりあえず思いつくのは、標準的な潜入・拘束・攻撃作戦だ。これが可決されれば、俺が指揮権を行使しよう。要は、この件はレッド・ライト・ハンドに任せたい。彼らならセンシティブな情報は外には漏らさないはずだ。それと同時に、俺たちも記憶補強薬の服用を続ける必要があるだろうな。少なくともエージェントには1日2回投与するようにするつもりだ。
O5-13: 理に適っているな。
O5-4: あそこには3体—— いや、4体の—— 注意すべきな人型実体がいる。そのうち少なくとも1体でも確保できれば上出来だ。ショーとクレフとして知られている2体、こいつらが一番簡単だろう。ムースは火力が無いとちと厳しいだろうな。パトス・クロウに関してはそもそも情報がない。いずれにせよ、潜入して情報を得るって感じの、財団の古き良きやり方になる。それで次の行動指針が明らかになったら、攻撃を開始し、収容できるようになるだろう。
O5-10: 犬が財団で働いているというのは、何かしらの危険信号と捉えるべきだったようだな。
O5-1: 後知恵は感心しないな。
O5-4: まあ少なくとも、バカ犬ではないだろうぜ――
O5-13: フォーの提案について決を取るとしよう。
評議会投票集計:
| 是 | 棄権 | 非 |
|---|---|---|
| O5-01 | ||
| O5-02 | ||
| O5-03 | ||
| O5-04 | ||
| O5-05 | ||
| O5-06 | ||
| O5-07 | ||
| O5-08 | ||
| O5-09 | ||
| O5-10 | ||
| O5-11 | ||
| O5-12 | ||
| O5-13 |
| 結果 |
|---|
| 承認 |
O5-1: 会議は一度終了とする。RAISAからの詳細な情報が入り次第、再度召集させてもらう。
«ログ終了»
収容破綻報告
2004/2/21、サイト-17のEuclidクラスアノマリー棟で前例の無い規模の収容違反が発生し、40以上の異常なエンティティおよびオブジェクトが解放されました。このうち、現時点で34が回収済みです。
サイト-17のセキュリティシステムは発生前日の時点で財団の正式なガイドラインに適合していたため、この収容違反の具体的な原因は不明です。
補遺 7001.3: 任務報告
SCP-7001は、サイト-43から分離された後、サイト-120に感染していることが判明しました。監督司令部の下、機動部隊アルファ-1 ("レッド・ライト・ハンド") は財団のレベル4職員を装ってサイト-120に潜入したのち、異常な人型実体を拘束し、SCP-7001の収容に繋がる情報を取得するという極秘任務を命じられました。
任務概要
アルファ-1のエージェントであるプルート、マーズ、フィーバス、サターン、マーキュリーは、侵入時、既知のサイト-19の見取り図には存在しない、異様な大きさの空の通路に迎えられた。その部屋には何百ものSCP-7001-1実例のみが存在していた。これらの実体との会話の試みは全て失敗し、エージェントらは無視されるか、または困惑の表情を向けられた。
部隊の進行によって、この"通路"の実際の長さは、全長約3kmであることが判明した。その他にも、以下のような奇妙な点が発見された。
- 床と天井が徐々に傾斜しており、エージェントらは廊下の最後1/3を這うように移動しなければならなかった。
- 探索の後半では、内部放送システムがビートルズの「ヘイ・ジュード」の最後の3分間を流し続け、ポール・マッカートニーとアンサンブルが同じフレーズを繰り返していた。
- しばしば、放送される曲はサバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」の冒頭8秒のループに切り替わる場合もあった。
- 部屋の端まで到達すると、人が入るには小さすぎる扉が存在した。扉の前には、青い粘性の液体の入ったガラスの小瓶があり、その表面には「縮少 (原文ママ)」という文字が引っ搔きによって記されていた。
- 引き返して別の侵入経路を探そうとしたところ、エージェント達は行く手を壁に阻まれた。その壁には「ダ~メ☆」というフレーズがスプレーで描かれていた。
- 青い液体を飲むと、エージェントらはドアを通れるサイズまでに縮小し、7001影響下のサイト-120にアクセス可能になった。
侵入時、エージェントらは急速に元のサイズに戻った。周囲を確認した後、エージェントらはSCP-7001-1B4を識別した。厚い縁の眼鏡に作り物の鼻と口ひげをつけた"変装"をしていたものの、三つ目を隠すための努力はなかったために、すぐに発見された。
エージェント・マーキュリーとエージェント・プルートは、SCP-7001-1BをSafeクラス収容棟の通路を通じて追跡した。以前まで空であった収容チャンバーから大量のSCP-7001-1実例が現れ、SCP-7001-1Bの逃走を阻んだことで、捕獲に成功した。
マーキュリーとプルートはSCP-7001-1Bを尋問室へと連行し、インタビューを行った。一方、マーズ、フィーバス、サターンは、サイトの偵察へと向かった。
マーズ、フィーバス、サターンの3名は、SCP-7001の他の出現事例には見られなかった多くの異常を指摘した。その内容は以下の通りである。
- その場から一切動くことのない13体のSCP-7001-1実例。
- 武装した研究者からなる3つのグループがサイト内を走り回り、無作為に「収容される必要があるか、ないか」を尋ねている。
- この質問を受けたエージェントがこれらの実例との対峙を試みたところ、全てのケースで「収容されることで安定が確保される」という返答を受けた。
- 収容されることに同意したSCP-7001-1実例は、空の収容チャンバーや無人のオフィススペースに案内され、中に閉じ込められた。
- 歩いて通過可能な複数の壁。これらの壁を通り抜けたSCP-7001-1職員に混乱した様子は観察されなかった。
- 1度入ると、サイト内の別の場所に出ることができる収容チャンバー。
- 平らな壁に繋がった複数の階段。
転写記録
«ログ開始»
(尋問室の外では、1体のSCP-7001-1実例がその場で静止している。)
A1-32 | マーキュリー: コイツ、一体どうしちまったんだ?
A1-01 | プルート: とっとと始めよう。
A1-32 | マーキュリー: 不気味だぜ。
A1-01 | プルート: ここで一体何が起きてる? 君はアルトだな?
SCP-7001-1B: いいや。お前の言ってるアルトって誰のことだ?そんな人間のことは今までの人生で一度も聞いたことがないね。
(SCP-7001-1Bはこの時点まで変装を解除することを拒んでいる。)
A1-01 | プルート: ほほう、君が彼に随分とそっくりだったものでね。おかしな話もあるものだ。では、君の名前を教えてもらおうかな?
SCP-7001-1B: ああ、そうだな、私はトレブル5…… そう、T・レブル。私はT・レブルだとも。
A1-01 | プルート: T・レブルと来たか、面白い。ドイツ人名みたいじゃないか。Tは何のTなんだい、T・レブルさんよ?
SCP-7001-1B: TはTだぜ。文字通りな。Uの前、Sの後のアレだ。
A1-32 | マーキュリー: いい加減にしろ。こんなジョークには付き合ってられん。
(マーキュリーはSCP-7001-1Bの顔から眼鏡を無理やり取り外す。)
SCP-7001-1B: 何しやがる!鼻を擦りむいたじゃねえか、この乱暴者め。
A1-32 | マーキュリー: この場所が一体どうなってるのか、教えてもらおうじゃないか。
SCP-7001-1B: おーっと、こりゃ"良い警官・悪い警官"ってやつだな?笑えるねぇ!ここはサイト-19で、専ら収容が仕事さ。
A1-01 | プルート: ああ、実は我々もそうでね。君を収容するよう指示を受けたんだよ。
SCP-7001-1B: そんなことを試みた奴は、これまでにもいたさ。
A1-32 | マーキュリー: 聞け、アルト。私は時間を無駄にされるのが好きではない。腹が立つ。
A1-01 | プルート: 心の痛む話だこと。
SCP-7001-1B: おい、その手法をちゃんとやりたいと思ってるんなら、こうするのがベストだったろうぜ。まずそっちの頑固者を送り込み、相手にプレッシャーをかけるだろ。それから優しい方が来て休息を与える―― そうすりゃこっちは"良い警官"に好感を持つ―― それから最初の方が引っ込めば、俺も優しい方と話す気になるって寸法だ。その点お前ら、下手クソだな。努力は買うけどよ。
A1-32 | マーキュリー: 何のつもりで専門家気取りしているのかは知らんが、そんな眼鏡で変装できると思ってて、自分の一番目立つ部分を隠すことを考えつかないような奴のアドバイスは受けられんな。
SCP-7001-1B: それはそうだな、こいつは痛いところを突かれた。良い指摘—— いや、素晴らしい指摘と言える。次回に活かそうかね。
A1-32 | マーキュリー: お前がこのまま説明を拒むつもりなら、"次回"なんか無いだろうよ。我々を手助けしてくれるなら、解放してやる。
SCP-7001-1B: お前らを手助けすれば、他の全部が危険に晒されるだけだ、馬鹿め。お前がいるのは氷山の一角に過ぎんぞ。
A1-32 | マーキュリー: 何の氷山の一角だって?
SCP-7001-1B: 財団が軌道に乗るまでにクソほど時間がかかったってのに、今更デカい面してノコノコ乗り込んできやがって、全部ぶち壊そうってのか。この場所をよく見てみろ!
(SCP-7001-1Bは窓際まで歩くと、何の抵抗も受けず手を窓に突き通す。そしてその手で部屋の外にいるSCP-7001-1を平手打ちするが、反応は無い。)
SCP-7001-1B: このクソつまらねえ見世物のせいで、もう散々な目に合ってんだよ。畜生、くたばりやがれ。
A1-01 | プルート: 一体何の話だ?
SCP-7001-1B: アチョーッ!
(SCP-7001-1Bは素早く立ち上がり、床に向けて小さなペレットを放つ。衝撃とともに濃い煙が部屋に充満する。扉が開く音がする。SCP-7001-1Bは尋問室から走り去る。)
«ログ終了»
プルートはSCP-7001-1Bの追跡を速やかに開始した。一方マーキュリーは尋問室に残り、すべての記録が無事であることを確認していた。その後、部屋を出ようとしたマーキュリーは、扉や窓が全て異常な方法で除去されていることに気付き、白く無機質な部屋に閉じ込められることになった。
マーキュリーは全てのオペレーターに対して救難信号を送信し、正確な居場所が特定された。しかし、到着した最初の尋問室は空っぽであった。その後、エージェントらはサイトから退出するよう命じられた。エージェントらはSCP-7001のメイン通路を移動中、床の中央に亀裂が入っており、小さな枝分かれした螺旋状の模様が形成されているのを確認した。その亀裂の向こうには、黒く反射する物質が観察された。
収容破綻報告
2004/02/24、SCP-5001で大規模な停電が発生し、アノマリーの一部が機能不全に陥ったのち、完全に活動を停止しました。SCP-5001-Aの内部ヒューム値が急激に上昇し、非重要職員は避難させられました。電力は迅速に復旧し、SCP-5001-Aの内部ヒューム値は基準レベルに戻りました。
同時に、SCP-169を監視していた財団研究員により、南アメリカ南西部の大陸棚の大規模な移動および複数の壊滅的な地質学的事象に繋がる当アノマリーの活動の急激な増加が観測されました。現在、偽情報キャンペーンが行われていますが、通常のヴェール維持プロトコルの信頼性の欠如が報告されています。大気中に拡散する記憶処理剤の世界的な散布が検討されています。
補遺 7001.4: 監督評議会会議
財団の収容インフラ全体における障害は急激に増加し続けています。各サイトにおいて電磁ロック機構の故障が頻繁に報告されており、かつての回転ツマミ式ロックの採用が再び行われています。
エージェント・マーキュリーの捕縛と、財団全域における前例のない収容破綻の急増を受け、O5-1は監督評議会の緊急会議を招集しました。当会議は2004/02/25に行われました。
監督評議会会議
«ログ開始»
O5-9: では、私から話します。ジョーンズの編纂作業はまだ半分にも達していません。彼女は謝罪していましたが、19のファイルの大多数は暗号化されており、復号には随分昔の技術と、さらに大昔のファームウェアが必要とのこと。しかし、一つだけ重要な情報を掴んでいます。暗号解析チームが19のファイル内にあったサイトの建設情報の解読に成功。これがジョーンズから送られてきたものです。
「"建設"のタグが付けられたフォルダは不完全であるか、あるいは意図的に情報が抜かれている可能性があります。我々はフォルダ内に3つのファイルを発見しましたが、いずれもスキャンされた文書でした。最も古いものは1925年に遡り、いずれも"管理者"によって書かれたものでした。1つ目は初期の財団憲章であり、特に収容に関する部分が記されています。特筆するべき点として、この文書には"物理的支柱"という用語について詳細に記されているものの、手元にある他の憲章の写しにはこの記述がないということが挙げられます。これまでに復号した範囲では、この用語についての説明は見つかっていません。
2つ目のファイルは、ランダム性と収容成功率の相関関係についての調査書でした。収容成功率には大きなバラツキが確認できます。これは現存するファイルの中で将来的なサイト-19の可能性について最初に言及されたものでもあります。また、この文書にも"物理的支柱"を造るという記述があるものの、詳しい説明はありません。
3つ目は1946年に作成された別の調査書です。サイト-19の建設について、およびランダム性と収容成功率に関する別の調査も含まれています。こちらのデータでは収容成功率はかなり安定しており、ランダム性が低下するほど収容成功率が上昇することが示されています。結びには"確保、収容、保護"の言葉が書かれていますが、"収容"の部分は横線で取り消されていました。
これをどのように解釈すればよいか判断しかねます。新たな情報が入り次第、連絡致します。」
これについて、何かアイデアはありますか。
O5-10: 管理者が19や"物理的支柱"とやらを使って何かしようとした結果、それが失敗し、その結果19が逆に異常の影響を受けるようになったというのはどうだろう?サイト、職員、そしてアノマリーまでもが、財団という概念に紐づけられたミーム性のアノマリーになってしまったという可能性は。
O5-1: 我々は早急に管理者と連絡を取る必要がある。これは明らかに何かしらの隠蔽工作が行われている。彼との連絡に成功したものは?私は何度試してもダメだったのだが。
O5-2: 私もここに来る前彼のオフィスに電話を入れてみたが…… 何も。
O5-1: いずれにせよ、現時点では7001の収容を最優先すべきだ。明らかに不安定化しているうえ、その存在を自らの力で現実化させるような兆候が見られる。
O5-2: 入口の巨大な空間、侵入自体の困難さ、マーキュリーの捕縛、建築構造の異常、そしてSCP-7001-1の異常な行動。まるで19自身が我々の動きを把握しているかのようだ。
O5-4: ああそうだ。マーキュリーの件だが、潜入した他のエージェントと話をしたんだ。どうもマーキュリーの通信機はまだ生きてるらしい。本来なら6時間前に切れてるはずだが…… まあ、とにかく聞いてくれ。
(O5-4は胸ポケットから通信機を取り出し、アルファ-1の通信チャンネルに接続する。しばらくの無音の後、「収容完了」と繰り返し言う男性の声がし、続いて大人数の観衆からの歓声と拍手の音がする。)
O5-4: こんなのが8時間は続いてる。マーキュリーとの交信すら全くできてない。チームが経験した他のクレイジーな現象を加味して適当に推測するなら、7001が混乱してレッド・ライト・ハンドをアノマリーとみなし、彼ら全員を収容しようとした、といったところだろうか。まあ話半分に聞いておいてくれ。だが少なくとも通常の職員は19への立ち入りを禁止するべきだ。俺個人としては、あんなイカれた場所に人を閉じ込めるわけにはいかない。今晩にもマーキュリーの救出作戦を計画するつもりもある。
O5-1: それについては最後に決を取ろう。ただ、今は藁をも掴むような状況であるから、その推測を信じよう。他の選択肢もあるようには思えない。
O5-13: 同意する。収容に関して言えば、今週に発生した収容破綻の総数は?セブン、これは君の担当分野のはずだ。
O5-7: 各サイトの現状について話す。まず大半の収容破綻は前例が無い。17のEuclid収容区画では保管されていたほぼ全てのアノマリーについて大規模な収容違反が発生した。全体的な問題として、我々の統合した特殊な収容プロトコルが敷かれたサイトの全てが機能不全に陥りつつある。SCP-2845を維持する儀式は以前までの効果を失った。サイト-322とエリア-179の統合プログラムも、過去3週間での進展が無かったために一時停止している。SCP-3000は記録以来の大規模な活動の激化を示している。SCP-5243は過去30日間で5回発生した。これらは凡そ20ある問題のうち4つに過ぎない。
O5-1: つまり、我々は今収容そのものに問題を抱えていると?
O5-7: 見た限りはそうだ。
O5-1: 最悪な話だ。
O5-8: デッドマンスイッチの支配権を取り戻せるような可能性はあるのか?
O5-9: マリアの暗号解析チームが遠隔での接続を試みているものの、今のところ成功の兆しはありません。彼女の知る限り、端末は70年代から一度も起動されていないそうです。
O5-12: 失礼。こうも憶測ばかり飛び交うのは、信頼性に欠けるのではないか?確かに我々は多少なりとも管理者を警戒している。それも正当な話だ。しかし、ほぼ何の根拠も無しに、この状況をトップクラスの陰謀であると決めつけるのは、些か早計であろう。
O5-1: セブン、最初の収容破綻が起きたのはいつだ?確か、2つの異常なロケーションで同時に発生したのだったな。
O5-7: 2月17日だ。
O5-1: 因果関係と相関関係は分けて考えるべきだが、2月17日はあの除外サイトからマッキンスに電話をかけた日だ。この件については、全体像が見えるまで柔軟な見方をしておくべきだろう。こういった状況で疑念を煽っても何の意味もない。
O5-11: 日付の話を抜きにしても、SCP-7001の発見が我々の日常業務に深刻な影響を及ぼしているのは明白だろう。7001を直接収容できれば、この状況をも制御し、秩序を取り戻せるのだ。
O5-1: よし、よし、一回立ち止まって考えてくれ。我々は全員、認識を共有できているのか?全員、この事態を収容したいと思っているんだな?
O5-13: ああ、ワン。我々全員がこれを収容を望んでいる点に異論はない。ただ、私の見る限り、我々の対応そのものが収容破綻を悪化させている。なぜこのような事態になっているのかは不明だが、むしろ一度本当に立ち止まり、方針を立て直すことが有効なのではないだろうか。
O5-1: いや、聞いてくれ……我々が対立しているとは思っていない。だが、我々は稼がれた猶予時間の中にいる。コントロールを確立する機会を失ったときに何が起きるのか——正直、想像したくもない。事態は、すでに最悪だが、それ以上に悪化しかねない。
O5-13: それには同じ意見だが——
O5-12: そもそも私がこの話題を持ち出したのだ、すまない。この理論が、諸君らにとってこれ程まで意味を持つとも思わなかった。結局、我々は流れに身を任せるほかない。違うかね?
O5-1: 我々は完全に手玉に取られた状況下だ、トゥエルブ。
O5-12: やれやれ。本当にこの話の続きがしたいのか?
O5-1: 私がやりたいのは、秩序を回復することだけだ——それが我々の仕事だろう。だが今はどうだ?セブンの言うことがこのまま進行すれば、「壊された虚構」を迎えることになる!それに、私の見る限り、さらなる崩壊事象が、警戒すべき指数関数的速度で増加している。
O5-12: ああ、同意するが、しかし一度引いて状況を俯瞰できる視点を確保する方が、合理的ではないだろうか?
O5-1: いいか、そうだな、私も少し苛立っていた……推測頼みで動くのが嫌なのも本当だ——本当に。だが、我々はいま帰路に立たされている。管理官はいくら説明を求めても電話に出やがらず、そして7001の発見以降、収容率は65%を一度も上回っていない。ここで一度引き、さらなる収容崩壊のリスクを取ることもできる――下手をすれば、もはや修復不能な段階に至る可能性もある。あるいは、サイトへ直接侵入し、我々の管轄下に置き、すべてを本来あるべき状態へと戻したうえで、そこから対処を進めることもできる。
正直言えば、今の私は、もしかすると、もしかするとだが、ただこの状況そのものを終わらせたいと思っているからこそ、こうした案にも以前より前向きになっているのかもしれない。因果関係は明白だ、そしてそれは諸君らも理解しているはずだろう。だから、我々は一つの組織として——監督評議会として――協力し、このアノマリーを収容できないだろうか?頼む。
(O5-1は言葉を止める。)
O5-1: マーキュリー奪還任務の実施、ならびに残存するレッド・ライト・ハンド部隊による制圧後、SCP-7001を直接収容下に置く件について採決を行う。賛成する者は?
評議会投票集計:
| 是 | 棄権 | 否 |
|---|---|---|
| O5-01 | ||
| O5-02 | ||
| O5-03 | ||
| O5-04 | ||
| O5-05 | ||
| O5-06 | ||
| O5-07 | ||
| O5-08 | ||
| O5-09 | ||
| O5-10 | ||
| O5-11 | ||
| O5-12 | ||
| O5-13 |
| 結果 |
|---|
| 承認 |
O5-1: 動議は可決だ。収容の確立を確認でき次第、再招集とする。
«ログ終了»
収容破綻報告
2004/02/25、東海岸地域の財団施設の大半へ電力を供給している財団の電力網において、現時点では修復不能な大規模停電が発生しました。これにより、50を超えるサイトおよびエリアにおいて、程度の異なる収容破綻が発生しました。影響を受けた各サイトは現在、技術部門が電力網障害の原因評価を進める間、サイト内の非常用電源によって最低限の運用を維持されています。
補遺 7001.5: サイト-120 任務報告
SCP-7001内部への最後の有人ミッションは、監督評議会会議の2日後に実施される予定でした。O5-4は初回探査と類似した作戦方針を策定したものの、アルファ-1部隊の予備エージェントから、計35名によるはるかに大規模な部隊が編成されました。エージェントには、確認されたすべてのSCP-7001-1実体の拘束が許可され、携行型現実錨デバイスの使用も許可されました。また、防衛訓練を受けたアルファ-1所属の奇跡論術師2名に対し、SCP-7001-1-Cを非致死的手段によって無力化する権限が与えられました。
2004/02/27、部隊はSCP-7001の影響下にあるサイト-120へ展開されました。隊員は標準装備の武装およびボディアーマーに加え、赤外線および暗視ゴーグルを装着していました。
任務概要
転写記録
«ログ開始»
(部隊はSCP-7001の北・南・東ゲートに配置される。各分隊の指揮官であるA1-プルート、A10-ヴィーナス、A100-ウラヌスはハロタンガス発射装置を備えている。各扉にはC-4爆薬が設置されている。)
A1-01 | プルート: 準備よし。
A1-01 | プルート: スリー。
A1-01 | プルート: ツー。
A1-01 | プルート: ワン。
(爆薬が遠隔起爆される。映像フィード上で三方向同時に爆発が発生している。扉は破壊され、濃煙が周囲を満たす中、全エージェントの侵入経路が確保される。)
A1-01 | プルート: ゴー!ゴー!ゴー!ゴー!
(各部隊がそれぞれの通路へと突入する。煙が晴れるにつれ、サイト-120職員が物陰に身を伏せている様子が確認される。エージェントは施設図面を照合するが、サイト-120の構造に変化は認められない。直後、サイト-120保安部隊が突破地点へ急行する。保安主任ジェレミー・コーンウェルが身分を明かす。)
A1-01 | プルートー: アルファ-1、撃ち方やめ!……何が起きている?
コーンウェル: 所属を明かせ!さもなくば発砲する!
A1-01 | プルート: おいおいガンマン、落ち着けよ。プルート、機動部隊アルファ-1所属だ。
コーンウェル: てめえの施設を戦場みたいに扱いやがって、一体何のつもりだ?
A1-01 | プルート: ここはサイト-19じゃないのか?
コーンウェル: 何を言ってる?サイト-19はフィラデルフィアだぞ。
(沈黙が流れる。)
A1-01 | プルート: クソ。
«ログ終了»
アルファ-1潜入チームの大半はサイト-120から撤収し、サイト-01へ帰還した。エージェント・プルートはコーンウェル主任による78分間の事情聴取を受け、さらにO5-4による真正性確認済みの紹介状が提示されて初めて、サイト-120職員は彼の帰還を許可した。
その後、プルートはサイト管理官ダニエル・アシュワースにより収容室へと案内された。室内では、半裸状態のエージェント・マーキュリーが簡易ベッドの上で眠っていた。アシュワースは、マーキュリーが過去72時間にわたり意識不明の状態にあったと説明した。マーキュリーの身体には「収容済」の文字が何度も刻印されており、さらに戯画的な男性器の落書き、および「ES」「AC」というイニシャルも書き込まれていることが確認された。
マーキュリーは財団病院へ空輸搬送され、プルートはその後サイト-01へ帰還した。
ペンシルベニア州フィラデルフィアに所在するサイト-322においてSCP-7001への感染が確認されました。部隊がポーランドにて展開中であったことから、SCP-7001に対する新たな全面侵入作戦は保留され、本情報を受けて監督評議会が協議のため招集されました。エージェント・マーキュリーの血中からは複数種の鎮静剤を混合した投与痕が検出されており、その影響により、彼はさらに36時間にわたり意識不明状態に置かれていました。覚醒後、マーキュリーは尋問室内におけるすべての出口が消失した時点以降の記憶を完全に喪失していました。
補遺 7001.6: 監督評議会会議
以下は、2004/02/27に実施された監督評議会会議の記録転写です。本会議は、サイト-120の状態復帰およびサイト-322における感染、ならびに財団インフラ全域で報告されつつあるさらなる収容破綻事例について協議することを目的として開催されました。
監督評議会会議
«ログ開始»
O5-9: 準備はよろしいですか。では。マリアから、チームが解読した最新のファイルを受け取っています。これも、"建設"フォルダのものです。
「以前お送りした3つ目の文書の裏面を復元できました。確認した限りでは、既存の情報に新たな文脈を加えるものではありません。
内容は、管理官の筆跡による箇条書きです。"管理官・監督評議会・サイト-19"が列挙されています。"管理官"および"監督評議会"の横には"限定的不死性、安定"と記されています。"サイト-19"の横には"ミーム性、もはや物理的実体でない、その他は安定"とあります。
繰り返しとなりますが、これをどのように解釈すればよいか判断しかねます。」
O5-12: もう限界だ。我々はこれらの任務で、同じ壁に何度も真正面から突っ込んでいる。今こそ一歩引き、この状況を精査し、適切かつ熟慮された解決策を立てるべきだろう。
O5-4: ちょっと待てよ、トゥエルブ。俺は思いつきで立案したわけじゃねえ。責任は全員にあるぜ。あれはお前ら全員が同意して、投票で可決したものだろ。
O5-12: 君についての話はしていない、フォー。私はが問題にしているのはワンだ。
O5-1: おい、ふざけるなよ。
O5-12: なあ?なあ。頼むから、説明してくれたまえよ。先日の大言壮語は記憶に新しい。「秩序こそ我々のすべてだ」と。記憶力が衰えているのかもしれないが、その"秩序"がどう築かれたか、知らないとでも言うのか?我々は、一歩ずつ、積み上げて作った。銃を持って突入し、運任せに成功を祈った結果ではない。
O5-1: 我々が得られる情報はもう出揃ってしまった。マリアは他のファイルにアクセスできないし、この煮えきらない一触即発のゲームにも、もう沢山だ。財団の収容インフラ全体が、いまや一本の糸によって、――いや、髪の毛一本によって、辛うじて保たれている。原因はこのアノマリーが――もう一度言うぞ、アノマリーが、未収容で、しかも制御不能にあるからだ。これ以上なにを待てと?フィラデルフィアへ行き、当該施設をさっさと掌握し、このアノマリーを収容するほかない。
O5-2: それはもう……二度も試している。コレは、我々が想像する以上にずっと頭が切れるようだ。
O5-1: 7001への完全な変換が完了するまで、少なくともあと2日は322からは離れないはずだ。影響が比較的軽微なうちに突入し、状況が明確になるまで現地を確保し続ければ――
O5-3: 無理だ。サイト-43も完全な変化より前に発見され、それでもサイト-120への移行は防げなかった。
O5-4: それについてだがな、ワン。次の任務も実施は不可能だぜ。
O5-1: 何故だ?
O5-4: レッド・ライト・ハンドの大体85%をヨーロッパに置いてきてんだ。帰還だけで飛行機で10時間かかるし、休息だって必要だろうよ。再編成にはダウンタイムが最低でも2日。加えて消耗した物資、新しい侵入計画の立案、それから――
O5-1: それで?なら別の機動部隊を使えばいいだろう。
O5-4: バカ言え。セキュリティ確保のための特別権限をもう使い切ってんだ。却下だ。そんなん実行できねえ。
O5-1: 管理官は音信不通、サイトにも侵入できない。それで今さら一歩引こうだと?収容体制を立て直さなければならない。スイッチを立て直さねばならない。そして何より、我々自身を立て直さねばならない。何がそんなに難しい?
O5-12: 座れ!みっともない振る舞いはよせ、聞き分けの悪い子供ではないのだから。もう十分だ。私は、ワンの権限行使を覆し、即時収容に最適な介入指針を確立する調査の優先を提案する。賛同する者は?
(評議会の過半数がO5-12に賛同する。)
O5-1: これは暴挙だ。あと少しのところまで来ているのが分かっているのに、ここまでの進展をすべて無駄にする気か。そんなことが許さるはずがない。
O5-12: 君の感情は今のところ、何の助けにもなっていない。フォー、322が完全に7001へ変換された後、
まずは無人ドローンによる調査作戦を開始するのが最善だと考える。十分な情報を得てから次段階へ進もう。皆、賛成する者は?
評議会投票集計:
| 是 | 棄権 | 否 |
|---|---|---|
| O5-01 | ||
| O5-02 | ||
| O5-03 | ||
| O5-04 | ||
| O5-05 | ||
| O5-06 | ||
| O5-07 | ||
| O5-08 | ||
| O5-09 | ||
| O5-10 | ||
| O5-11 | ||
| O5-12 | ||
| O5-13 |
| 結果 |
|---|
| 承認 |
O5-12: 過半数が賛成。動議は可決された。
«ログ終了»
補遺 7001.7: ドローン監視記録
UIEドローン。
無人情報探査Unmanned Intelligence Explorerドローン(UIE)3機、H-UIE、D-UIE、L-UIEにはパターン認識プログラム・Scrooge.AICが改修搭載されました。
H-UIEは職員が集中する区域の監視を、D-UIEは収容区画の監視を、L-UIEはSCP-7001内部全域の通行用通路の監視をそれぞれ担当した。また、すべてのUIEには共通の最優先任務として、デッドマンスイッチの所在特定が割り当てられました。
任務概要
H-UIE 観測結果
- 4階職員用通路は、250体以上のSCP-7001-1実体で溢れかえっていた。すべての個体が、SCP-7001-1Aに確認されたものと同一のネックレスを装着していた。
- 補遺 7001.4で確認された音声ファイルの著しく歪曲されたものが、H-UIEの探索期間全体を通して館内放送システムから再生され続けていた。
- 複数の人型存在が確認された。これらは2~3体のSCP-7001-1実体が身体の各所(主に腰部または腕部)で融合した状態にあるように見受けられた。周囲の融合していない個体は、この異常性に対して特段の反応を示さなかった。
- SCP-7001-1Bが、H-UIEの赤外線スキャナによりセーフルーム内部で発見された。SCP-7001-1Bは胎児姿勢のまま動かず横たわっていた。室内反対側には、SCP-7001-1Dと推定されるイヌ科個体も床に倒れていた。微弱で苦痛を伴う鳴き声が確認されたが、どちらが直前の乱闘の当事者であったかは不明である。
- SCP-7001-1実体同士の衝突が複数回観測された。個体群は4~7体程度の集団を形成し、別個体を無力化したのち、室内へ閉じ込めようとする行動を取っていた。この事象は約10~20分間隔で発生していた。対象個体が収容された後に何らかの結果が生じることを、SCP-7001-1実体側が予期しているように見受けられた。
- すべてのトイレ区画は完全に破壊されており、便器・洗面台・小便器はすべて消失していた。取り付けられていた配管からは継続的に水が噴出していた。
- ポール・ラグー管理官の執務室は、繫茂した森林へと変換されていた。樹木は人工的に肥大化され、本棚に類似した形状へ削り出されていた。
H-UIEが当該執務室へ侵入した際、植生内部に潜伏していたSCP-7001-ラグーが機体を視認した。H-UIEは鎮静弾の発射準備を行ったが、SCP-7001-ラグーは地面へ防護ルーンの刻印を開始した。この呪術的作用によって発生したエネルギー波により、H-UIEは空中安定性を喪失し、地面へ墜落した。
D-UIE 観測結果
D-UIEは、SCP-7001の異常収容区画のうち最大であるEuclid/Keter収容区画へ侵入した。すべての収容セルは解錠状態にあり、複数のアノマリーが通路内を徘徊していた。なお、確認された個体はいずれも敵対的行動を示さなかった。
- D-UIEはSCP-7001のセキュリティ端末への接続を試みたが、当該システムは本探索の12時間前に停止していることが判明した。
- その後の接続試行では、当該システム自体がそもそも存在した記録がないことが確認された。
- SCP-173は収容室内に存在しており、SCP-131が継続してアイコンタクトを維持していた。室内には糞便および血液が約30cmの高さまで堆積していた。
- 小型収容室内にはSCP-527が閉じ込められており、扉際で怯える様子が確認された。
- 区画の一部は、SCP-093を介して接続する主要な異次元空間へと変換されていた。当該領域では、ワンダーテインメント博士製の「リトル・ミスターズ」が多数集まり、SCP-3301を用いた「ザ・ファウンデーション」というゲームが行われていた。
- 単一の収容室では放送システムからSCP-6999が大音量で再生されており、室内ではSCP-6096、SCP-106、SCP-682が互いを見つめ合ったまま静止していた。
- すべての監視カメラ映像にはSCP-4228のエピソードが映し出されていた。
- インタビュールーム内部では多数の死亡したSCP-7001-1実体が発見された。部屋の中央には、机にもたれる形で、著しく疲弊した様子のSCP-049が確認された。
探索開始から約2時間後、複数のアノマリーが自発的に収容室へ閉じこもろうとする行動を示した。しかしながら、収容チャンバーのロックが作動しなかったため、それらは明確に焦燥および混乱した状態を示した。
Euclid区画の最奥部は異常な改変を受け、外見的には無限に続いている8本の同一構造の通路へ分岐していた。D-UIEは3番目の通路へ進入した。通路壁面は未知の力によって引き延ばされたように変形していた。約2時間が経過した後、壁材質は順に、生のクッキー生地、黒色の火山岩、ダイヤモンド、そして最終的に白色の灰へと変質した。
通路幅は拡張を続け、やがて両側壁面を視認できなくなった。D-UIEはさらに約78分前進し、この空間の中心部と推定される地点へ到達した。床面にはSCP-184が設置されていた。D-UIEがメイン区画への帰還を試みた時点で、通過してきた通路群への経路はすべて消失していた。
L-UIE 観測結果
L-UIEは、SCP-7001の影響中心と推定される1階ロビーへ進入した。床面タイルは、巨大な黒色の裂け目を中心として放射状に破砕していた。L-UIEが接近すると、陥没した空間内部には、無限に反射・複製されたSCP-7001がフラクタル構造を形成しながら互いに折り重なっている様子が確認された。
当該空隙は緩やかに拡大を続け、周囲の壁面および天井は引き寄せられるように膨出を開始した。ロビー内の固定されていない物体は次々と特異点方向へと飛翔し、上空で旋回したのち内部へ吸引された。L-UIEは推進制御によってこの引力への抵抗を試みたが、飛来物の椅子脚がローターへ接触した。機体は姿勢制御を喪失し、そのまま空隙内部へ回転しながら落下、直後に通信が途絶した。
すべてのUIE機は、本任務終了後、遠隔再接続の試行がすべて失敗したことを受け、行方不明が正式に宣告されました。L-UIEの観測記録において確認された巨大な裂け目は、SCP-7001内部のみに局在する特異点であると考えられています。当該空隙の正確な拡張速度は現在不明ですが、指数関数的増大を示している可能性が高いとされます。
収容破綻報告
財団サイト17、120、43、666、および54において、複数の敵対的EuclidおよびKeterクラス実体による同時収容違反が発生しました。収容部隊は現在、解放されたすべてのアノマリーの制圧および再収容作業に従事しています。監督評議会命令により、各サイト配備の核弾頭は起爆準備状態へ移行されます。
補遺 7001.8: O5-1からのメッセージ
2004/03/01、O5-1はサイト-01への定時報告を行いませんでした。当初、これは他の評議会メンバーによる反対票決に対する抗議行動であると考えられていました。しかしながら、その後O5-1は以下のメッセージを財団全端末へ向けて一斉送信しました。当該メッセージは約1時間にわたり送信され続け、その間いかなる手段によっても中断できませんでした。
O5-1 執務室より
現在、財団の収容インフラは大規模な崩壊に直面している。およそ12時間以内に、無数の敵対的実体の解放を阻止するため、複数の財団サイトが核弾頭の起爆を余儀なくされる可能性がある。
サイト-19は存在しない。
それは、監督評議会がSCP-7001として指定した異常性を帯びたミームであり、財団全階層へ感染している。その発見以降、SCP-7001は、この1か月にわたり我々が経験してきた収容体制の指数関数的崩壊の直接的な原因となっている。監督評議会は、本アノマリーへ対処するために必要であった即時かつ強硬な収容措置の承認を怠った。その結果、財団全体は自壊へ向けて逸脱しつつある。
すべてのサイトに通達する。即時ロックダウン手順を開始し、あらゆる手段を用いて収容を維持できるようすべての警備要員を待機させよ。
我々は屈しない。
その後、監督評議会による統一見解に基づく追補声明が作成されるまで、財団の全端末は強制的にオフライン状態へ移行させられました。SCP-7001の影響下にないすべてのサイトは、勧告されたロックダウン手順を実施したことが確認されています。O5-12の招集により、監督評議会の緊急会議が開催され、O5-1はこれに出席しませんでした。O5-1の衛星追跡による最後の位置情報は、SCP-7001の影響を受けたサイト-322外部を示していました。
O5-1はSCP-7001内部へ進入する。しかし辿り着いたのはサイト-19ではなく、小さく薄暗い部屋であった。琥珀色の木製机の向こう側で、一人の男――"管理者"が几帳面にメモを書き続けている。彼は困惑する監督官の視線に応じようとしない。
O5-1: 何だ、これは?
管理者: 座れ。
O5-1: 何をした?
管理者: 19のようなものを放任すれば、いずれ手に負えなくなるものだ――私が自分の意思で、あの手の厄介な連中を抱えたまま、奇跡論術師にサイト運営を任せると思うのか?君も実際に見ただろう。昔から変わりはしない。だが、仕事はこなしていた。
O5-1: あれを意図的に放置していたのか?最大規模のサイトすら制御できないのか。
管理者: だから何だ?私は君と他の十二人に不死性を与えた。この仕事では……多少の裁量が必要になるものだ。あの狂気をすべてサイト-19へ押し込めておけば、他へ滲み出さずに済む。
O5-1: 19はどこだ?
(沈黙が流れる。)
管理者: 停止させた。19はもはや存在しない。ここは単なる私のオフィスに過ぎない。
O5-1: なぜ?なぜ今更そんなことを?最初からできただろう。
管理者: 君と話したかったからだ、ワン。説明をしてやるために。少し雑談といこうじゃないか。
O5-1: 財団は崩壊寸前だ。五つのサイトが自爆待機状態にあるんだぞ。それで雑談がしたいと?
管理者: 君を首席監督官に選んだ理由がある。指導者は信念を疑い始めた瞬間に沈むものだ。話が終われば、すべては修復されると約束しよう。君は聡明で、立場を貫く力がある。一度思考に入れば抜け出しにくい――それは立派な資質だ。
O5-1: 空虚な賛辞は要らない。世辞なんて、安っぽい手口を。
管理者: 理解してほしい。これは君の責任でもある。私はあえて放置していた。君たちが疲れ、無意味だと悟り、忘れるのを待っていた。だが、君を過小評価していたようだ。
O5-1: 違う。これはあなたの問題だ。私は人生をかけて尻拭いをしてきたんだぞ。それなのに、初めて本当に必要とした瞬間に、姿を消した。
管理者: 感謝していないわけではない。ワン、君の苛立ちは理解するが——
O5-1: いや、理解などしていない。秩序の維持を任しておきながら、真実を隠したせいでダメにした。もうこんな茶番にはうんざりだ。あなたの使命は確保、収容、保護じゃないのか?それなのに、自分の汚点一つすら保ち、収め、護ることができなかった。
管理者: その言葉を持ち出すとは、面白い。確保、収容、保護。今では福音のように扱われる言葉だが、創設当初の財団は失敗続きだった。客観的に見て、完全な失敗だった。離職率は悲惨。今や優秀なエリート連中を簡単に採用するが、当時の我々は笑い草だった。失笑の的だった。
O5-1: 立ち上げたばかりだっただけだ。
管理者: 人間の記憶は数百年も保たない。忘れているかもしれないが、我々は人材を山ほど消耗し続けた。研究員、Dクラス、管理官。誰も長生きする者はいなかった。毎日のように収容違反が起き、異常組織が襲撃してきては好き放題奪っていった。
O5-1: 覚えている。初年度にインサージェントに撃たれかけた。
管理者: それでも、サイト管理官の下働きで書類仕事をするのと、すべての頂点に立つのとでは違う。20年間、我々は――いや、私は――三つのシンプルな言葉すら満足に果たせなかった。確保、収容、保護。
O5-1: 何が言いたい。この一か月、私はまさにそれを実践しようとしてきた。挑戦しては失敗する繰り返しになったが。
管理者: ならば分かるはずだ。あの言葉が持つ力を。19以前の財団には、本当の意味での権威がなかった。巨大な建物と檻があるだけだった。だから私は19を作った。収容に対する実体的な権威を与えるため。
O5-1: つまり、19は虚構だったのか――威圧のための見せかけだったのか?
管理者: 虚構ではない。そして19だけでもない。私は役割を作った。"管理者"、狂気の背後に存在する、不変で、秘匿の、不死の力——確保。"監督評議会"、目的のため、異常をヴェールのこちら側に維持するためにあらゆる手段を取る頭脳集団——保護。そして"サイト-19"、職員、異常、研究、防衛のすべてを余すことなく集約した最大のサイト――収容。外部も内部も、我々の力を恐れ、そして信じた。その信念こそが成功を生んだのだ。
O5-1: 物理的支柱か。
管理者: そのつもりだった。しかし移り気なものだ。19は建設されたが、拡大するにつれ――異常も人員も増え――さらに不安定になり、やがて今の形へと適応してしまった。19ほどの異常エネルギーを一箇所へ集めれば、必ず悪い方向に歪む。サイト-19は他のサイトと同様に実在している。だが、他のサイトと同様には存在していない。他に選択肢はなかった。それでも機能はしていた。収容インフラは想像以上に改善されたのだ。
O5-1: なぜ秘密にした?知っていれば、無駄な作戦も議論もなかった。機動部隊を送り込み、議論を重ね、あらゆる手を尽くして状況を立て直そうとしてきた――あの時間は、すべて無意味だったというのか。
管理者: 虚構の裏側を見れば、信念は消える。収容破綻が突然、理由もなく発生したとでも思っていたのか?これは我々が創設当初に生きていた現実そのものだ。すべては再び、運任せに戻っただけだ。
O5-1: では、私はどうすれば良い?もう知ってしまった人間が多すぎる。
管理者: 選択肢はある。君自身も含めて、全員に忘れさせることもできる。ただし、君や誰かが再び真実へ辿り着かない保証はない。あるいは、全員が記憶を保持することもできる。その場合、我々の力はかつての水準まで弱体化するだろう。統制を手放すか。それとも締め付けを維持するか。選ぶのは君だ。
(短い沈黙。)
管理者: この一文が終われば、19は復帰する。進むか、戻るか。決めるといい。
閃光。O5-1は、最後に位置が確認されていた地点である、SCP-7001外部に立っていた。彼は困惑した様子で周囲を見回し、時刻を確認する。9時54分。到着した時と全く同じ時刻だった。
SCP-7001の外壁には亀裂が走り始めている。振動が周囲を揺らし、崩落した瓦礫と粉塵が地面へ降り積もる。監督官は深く息を吸い込み、そのままサイト内部へと歩み入った。
SCP-7001内部には何も存在していない。机、端末、人員、そしてアノマリーも消失している。軋む金属と砕ける石材の音だけが、入口ホールを進むO5-1の耳を満たす。歩を進めるたび、螺旋状に広がるフラクタルの無限の亀裂が壁面に増殖していく。遠くでは、莫大な熱量とエネルギーが放出されているかのように、空気が揺らいでいる。
進む中で、O5-1は床へ無造作に散乱した白衣に気づく。通路には錆色の液体が飛散している。識別バッジ、アノマリーファイル、設計図、手書きメモ。それらすべてが同じ螺旋状パターンに沿って裂け、砕けていた。
O5-1はメインロビー、30階層を貫く巨大なパノプティコン構造へと到達する。彼は足元を見下ろす。床面は、無限に反射する暗闇によって形成された巨大な底無しの穴へと呑み込まれていた。サイト全体が、その特異点へ引き寄せられながらも、なお抗おうとしているかのように膨張している。
彼は穴の縁へと歩み寄り、身を乗り出す。闇の中にはSCP-7001の反射像が映っていた。無限に反復し、自己へ折り重なり、さらに新たな写像を吐き出し続けている。深紅から蒼光へ、灰色、そして再び深紅へと、色彩は絶えず変転する。ガラスは砕け、金属は融解し、再形成され、そして再び崩壊する。
監督官は息を整える。静かに目を閉じ、最後の一歩を踏み出した。
そして、落下する。
彼は、何時間にも及ぶかのような感覚の中を落ち続ける。その姿は無限に反射し、周囲を取り囲んでいる。彼がそれらを見つめると、すべての像が同じように彼を見返した。
幼い頃の自分。財団の新人職員だった頃。サイト管理官へ昇進した日。O5-1としての最初の日。両親の死。そして自らの死。
監督評議会の会議室が見える。無人で、荒廃している。十三脚の椅子の革張りは腐敗し、黴に覆われている。巨大な評議テーブルに螺旋状の亀裂が走る。そして崩壊し、塵となって吹き散った。
彼自信の声が"収容"という言葉を無限に繰り返し、そしてそれはただの唸るような叫びの不協和音へと変わる。
突然、静寂が訪れる。
虚空が波打ち、見慣れた色彩の奔流は、やがて理解不能なほど眩い灼熱の光へと変貌していく。
一瞬の暗闇、そして無。
O5-1は着地する。
彼は両手を周囲へ伸ばし、滑らかで、形を変える絹のような感触、虚空の終端を感じた。
心地よい温もりが彼を包んでいる。まるで、かつて監督官がここにいたかのようだった。彼はサイト-19の中心部に立ち、古い感覚、目には見えない力、収容そのものの具現が、彼を取り囲んでいる感覚を得る。
収容違反で流されたすべての血。成功した回収任務の記録。職員たちが閉ざしてきた無数の扉。それらすべてが一度に彼へ流れ込む。理解不能な感覚。無数の感情が瞬きのように通り過ぎ、監督官に思考を留める暇を与えない。
再び、監督官は虚空の中に立っていた。意識が澄み渡る。先ほどの感覚は消え去るが、収容だけが残っている。
本能に導かれるようにO5-1は手を伸ばし、虚空へと押し入れると、その手は向こう側へ通り抜けた。
財団全職員に対するデッドマンスイッチの適用、およびその後の再建計画について協議するため、監督評議会会議が招集されました。
監督評議会会議
«ログ開始»
O5-1: さて、始めようか。本日は先月発生したデッドマンスイッチ事案について協議する。責任追及をするつもりはないが、この中の誰かが緊急記憶処理を発動した。その理由を知りたい。
O5-12: ナインは既にジョーンズに調査を命じている。現時点では、特定の人物に責任は帰されていないようだ。
O5-13: 証拠が出るまでは冷静に議論をしようじゃないか。それまでは、全員で協力して体制を整える必要があるな。
O5-1: そうだな、二人とも正しい。チームとして動こう。
O5-4: レッド・ライト・ハンドを二人一組に分けて、全サイトの状態確認に当たらせてる。えーと、大半のチームは週末までには帰還予定だ。報告によりゃ、ほとんどの施設は稼働率100%近くまで回復してるらしい。ただ、2週間から1か月分くらいの記録が完全に欠落してる。再建を必要としなかった唯一のサイトは、19だけだな。
O5-1: あそこはティルダがしっかり統率し、19は常に自己管理が徹底されている。想定通りだ。必要なら、周辺サイト支援のための人員を捻出させよう。
O5-3: 妥当な提案だ。
O5-7: 余剰人員も十分あるはずだ、賛成する。
O5-1: では決を取ろう。サイト-19に対し、周辺サイトの再建支援への特別参加権限を付与することを提案する。
評議会投票集計:
| 是 | 棄権 | 非 |
|---|---|---|
| O5-01 | ||
| O5-02 | ||
| O5-03 | ||
| O5-04 | ||
| O5-05 | ||
| O5-06 | ||
| O5-07 | ||
| O5-08 | ||
| O5-09 | ||
| O5-10 | ||
| O5-11 | ||
| O5-12 | ||
| O5-13 |
| 結果 |
|---|
| 承認 |
«ログ終了»








