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アイテム番号: SCP-7013
オブジェクトクラス: Keter Resolved
特別収容プロトコル:
[ N / A ]
説明: SCP-7013は、財団の主要な使命に則った監督評議会の責務遂行能力に影響を及ぼしていた確率異常でした。このアノマリーは、1969/02/14、監督評議会に13番目の席が追加された直後に発現しました。

図. 1.1: 自身のオフィスでのO5-13。
SCP-7013は世界中の財団の職員および施設に影響を及ぼす、通常では極めて起こり得ない出来事の異常な集積として発現しました。これらの発生確率が低い出来事は一様に、不運な結果、人命の喪失、資産の破壊、職員への多数の悪魔憑き、連鎖的な収容失敗を引き起こしました。記録されたSCP-7013関連現象は全て、13番目の監督者が直接的もしくは間接的に関与していました。
SCP-7013を引き起こした要因やメカニズムは現在も不明ですが、SCP-7013はもはや財団全体に脅威を呈していません。詳細な情報については補遺-7013-Aを参照してください。
補遺-7013-A: SCP-7013の発見に加え、半年間で連続的な収容違反を含む通常では起こり得ない現象が相次ぎ、財団の資源に未曾有の負担が掛かっていたために、監督評議会が管理サイト-01で緊急サミットを開き、アノマリーを無力化できる可能性のある対策を協議しました。
内部映像ログ
サイト-01会議室
[ ログ開始 ]
[O5-1、O5-2、O5-6、O5-13を除く全評議員が会議室に出席している。いずれも疲れ切っているように見受けられ、幾人かはため息を吐いている。時おり腕時計を一瞥する評議員もいれば、身内で口論をしつつ、書類などの記録用紙を手早くめくっている評議員もいる。]
[出入り口の扉が勢いよく開かれ、クリップボードを携えたO5-2が、大量の段ボール箱と、ホッチキスで綴じられた書類を運搬しているアシスタントとともに入室する。2人が現れると会議室に静けさが訪れ、アシスタントが全ての荷物をガラスのテーブルの上に置く。2人が部屋の反対側まで歩き、評議員に発言権を与える。]
[O5-2が両目を擦り、クリップボードをガラスのテーブルへと放り投げて、椅子に倒れ込む。]
O5-2: ご機嫌よう、皆さん。それでは、あー、始めましょうか。
O5-5: ワンとシックスは?
O5-2: 残念ながら、その2人は今日は欠席ね。というのも…… 予期せぬ —
O5-7: 予期せぬだと、ふざけやがって。
[O5-2が中断を受けなかったかのように話し続ける。]
O5-2: — 情報セキュリティ違反により、移動ルートが一時遮断されたの。通信が散発的にダウンするから、遠隔での連絡も不可能ね。
[O5-2が深く息を吐く。]
O5-2: じゃあ今日の議題に移りましょうか。サーティーンのことについて。
O5-4: うん? どうしてそうなる? 奴ならこの場に出席してすらいないぞ。
O5-2: あいつの…… まあ、あいつのことだから、遅れて来るのでしょうね。
O5-12: それは私たちにとって良い知らせじゃないか……
O5-10: あいつは脳足りんなのか?
O5-11: おいおい、それは言い過ぎだよ。確かにそうだが…… [ため息] それでも言い過ぎだ。
O5-4: いい加減にしろ、私は17を離れてまでここに来たんだぞ。あそこが今どれほどクソな目に遭っているのか、知ってるか?
O5-8: その辺にしておけ。私たちは危険地帯に一歩でも近付いてはならないんだ、今起こっているこの状況では。しかし、私も同じ気持ちだな。今回集まったのはただサーティーンの愚痴を言い合うためか?
[O5-2がため息を吐き、アシスタントに身振りで合図する。アシスタントが各評議員に一連の書類を配り始める。]
O5-2: サーティーン抜きで会議を始めたのはこのため。今全員の手元に配られたのは、SCP-7013に関する提案資料よ。
[その場にいる全評議員が手渡された書類を熟読する間、会議室が静寂に包まれる。]
O5-5: これは…… これは本当なので?
O5-2: ええ。ワンが厳選したチームによって、全てがそこに記録されてる。
O5-10: そんなまさか。このファイル全てが……
O5-2: そう、サーティーンが間接的に影響を及ぼしたと確認されている出来事よ。
[全評議員が書類を読み続けている間、会議室が静寂に包まれる。]
O5-9: 嘘だろ。83年の襲撃? 57年の収容違反? こいつは……
O5-7: まあ、全く予想していなかったとは言わない。だがこれが全て本当なら —
O5-2: ええ、私を信じて。ワンと私がこの情報を全て集めるのに、何週間もかかったのだから。
O5-12: ちょっと待て。だからあいつを夜のボウリングに誘うようになったのか? [声を荒げて] お前のせいで皆殺しにされるかもしれなかったんだぞ!
O5-2: そうね。この件について、もっと早くから議題に上げなかったことを詫びましょう。
[全評議員がテーブルを見つめて熟考する。少しの間、誰も動かない。]
O5-11: では、これからどうすればいい?
O5-7: 何か手を打たなければ。サーティーンを檻に閉じ込める資源はあるのだから、厳重にやれば奴の思考すらも外には及ばなくなるだろう。
O5-9: まあ待て。確かにサーティーンは嫌な奴だ、そこに疑問の余地はない。だが評議員を監禁するだと? 前代未聞だ! 全くもって信じられん。
O5-4: 奴は異常だ! やるしかない!
O5-9: OK、落ち着け。別に使命に逆らう気はこれっぽっちもないのだが、我々が遭遇した異常性持ちを本気で全員収容するとなったら、職員の半分がいなくなってしまう。その論拠は説得力が薄い。
O5-10: 単純に別の人物と代えるというのは?
O5-2: ダメね。現在のサーティーンが発端なのではなく、7013は評議会に席が追加されてから活性化状態にある。事実、評議会ができる前から、我々の管理機関に13名のメンバーがいればその度に活性化していたの。
O5-9: そうか、なら今やるべきは対処法を見つけ —
[会議室のドアが突如として押し開かれ、O5-13が入室する。O5-13はほつれたスーツを着用しており、目に見えるあざがいくつも付いている。全評議員が急に沈黙する。]
O5-13: やあ、みんな! 遅れてごめんよ、さっき [荒く息をする] さっき、サイトに入ろうとして地獄を見たばかりでね。ここに来たら、資格証明が承認されなかったんだ! セキュリティシステムを解除しようと何度か奮闘する羽目になったし、その後でアルファ-1が口うるさく言ってきてさ。全く、今日はひどい一日じゃないか?
O5-2: [目に見えて苛つく] どうも、サーティーン。じゃあ、まあ、席に着いたら? それで、あー、会議が始められるから。
O5-13: それは良かった! ところで、ワンとシックスはどこに —
[銃声が鳴り、O5-13の頭が後ろにのけぞって、O5-13が床に倒れる。会議室の反対側では、O5-3が銃を構えているのが確認できる。]
O5-9: 何やってんだ、スリー!?
O5-3: ん? これで解決するはずだろ、違うか?
O5-9: なぜそうなる!? いや、他の方法でどうなるかは分からんが、単に14番目の監督者を迎え入れる手もあったのでは?
[会議室が静まる。]
O5-11: うーん……
O5-7: まあ……
O5-10: 正直なところ、このままでもいい気はする。
O5-4: 同感だな。
O5-8: うん、まあ、済んだことはしょうがない!
[全員が共に頷き、O5-3の咄嗟かつ決然とした判断を褒め称え、拍手を送る。]
[O5-2が起立し、評議員に言葉をかける。]
O5-2: じゃあー…… これで定員ね。良い会議でしたっと。
[ ログ終了 ]
SCP-7013の無力化に伴い、監督評議会は正確に12名の評議員で再編成されました。この変更後、SCP-7013関連の活動は全て停止しました。元O5-13の死体はサイト-01地下のコンクリートブロックに安置されました。