アイテム番号: SCP-704
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-704への出入口は私道であるとして閉鎖します。入口と出口は双方とも、スイングアーム式ゲートに似せた形状の鋼鉄製の防壁で封鎖します。スイングアームは見かけだけのものとし、防壁はセミトレーラー以上の大きさの車両の高速度での衝突にも耐えられるように設計します。武装した警備員がSCP-704の入口と出口に常時駐留し、その他の進入の試みを阻止します。
車輪式または履帯式の車両によるSCP-704への進入は禁止されていますが、いずれにせよそうした試みはほとんどの場合悪い結果をもたらします。進入が許可されるのは徒歩の場合のみで、なおかつ1名のレベル3管理者の事前承認が必要です。
SCP-704に車両を進入させた場合、担当者は遺体や運転手を回収する前におよそ2時間の間隔を置くようにしてください。これは活性化状態のとき、運転手とSCP-704の行動の双方が予測できないために取られる、職員の安全を確保するための措置です。
説明: SCP-704は州道96号線の支線である曲がりくねった道路で、███████国有林の中に位置しています。この支線は従来の地図または電子地図上では表示されず、監視衛星も影響されているエリアへ焦点を合わせることが困難になります。
SCP-704には潜在状態と活性状態が存在します。潜在状態は徒歩で進入した場合にのみ観測できます。潜在状態の間は、SCP-704は曲がりくねった、車両の残骸が散らばる静まり返った道路のように見えます。活性状態の間には車両の残骸は確認できません。道路の地形や距離は活性状態の間、一定を保っています。活性状態の後、地形と距離は新たな構造に変化します。
運転手がSCP-704に進入すると、活性状態が開始されます。この活性状態はいくつかの実験で、SCP-704に進入した車両に設置された遠隔カメラを通して観察されています。活性状態の最初の兆候は、一部の運転手に興奮状態が見られるようになることです。道路状態が困難になるにつれ、運転手はこの道路がいかに楽しいものか口にするようになり、同乗者に運転技術を見せつけようとします。同乗者は一般に、この道路に否定的な反応をし、不安や被害妄想、恐怖の様相を見せます。
やがて道路はますます困難になり、車両の目の前で道が変化する様子を車載カメラが捉えることもありました。しばしば下記のような信じがたい道路状況が観察されることもあります。
- 開始地点に戻ってくるきついループ
- 70度の傾斜
- 垂直方向に延びているように見えるループ
道路や風景の見かけもそれに応じて変化し、舗装された道路や未舗装の道路までその状態をさまざまに変化させます。運転手の興奮と同乗者の否定的反応の度合いは、運転手が車の制御を失って事故を起こすまでの間増加し続けます。この事故がカメラに記録されたことはなく、その前にすべての記録装置が機能を停止しています。
この事故は常に、すべての同乗者の死亡と運転手の生存という結果をもたらします。同乗者は普通、事故現場の近くで見つかり、外に投げ出されたことによる負傷が見られますが、車両の残骸にはそうしたことが起こった形跡は見られません。興味深いことに、彼らは一般的に、その場所にあったオブジェクトと分子レベルで結合した状態で発見されます。いかに事故が激しいものであっても、運転手は発見された際に擦り傷や打撲以上の怪我を負っていたことはありません。運転手はSCP-704で過ごした時間の部分的な記憶のみを有していますが、同乗者の死を引き起こしたことへの責任は強く痛感しています。
補遺704-01: 内部モニター装置によると、多くの運転手は道路に対して語りかけ始め、まるで道路とコミュニケーションしているかのように応答しています。会話は常に同乗者についてのもので、これは通常運転手の狂ったような笑いを引き起こしますが、同じような怒りをも発生させることが記録されています。
SCP-704が実際にコミュニケーション可能であるかどうか、もしくは知性を持っているのかどうかは明らかになっていません。活性状態の間の人格の変容と事後の逆行性健忘症の症状から、運転手に対するインタビューの試みはすべて失敗しています。
補遺704-02: 2009/4/9、█████ ██████バイカーギャングのメンバーであったD-4701は、一人乗りの車両に関わるSCP-704の性質を確認するために選出されました。彼は遠隔殺害装置を搭載されたバイクを与えられ、SCP-704を通過するように指示されました。このケースでは、SCP-704はD-4701を反対側の出口の守衛小屋に誘導するように道を変化させ、2名の調査担当者を殺害しました。一人乗りの車両についてのSCP-704のさらなる実験は推奨されません。