アイテム番号: SCP-704-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-704-JPは、存在する███山を封鎖し、当該地域へのサイト-81██の建設により周辺住民の接近を防いでいます。SCP-704-JPの存在する洞窟内壁面には定間隔でCCDカメラが設置され、変化の有無を常に記録しています。SCP-704-JP自体の監視にはDクラス職員を使用し、定期的な巡回と監視、必要以上の加虐性を刺激しないよう進入毎の記憶処理を実行してください。また、仮に一般市民の進入があった場合、外部より何らかの対話が可能であればアトラクション及びノルマのクリアを完全に実行させるよう指示、対話が不可能な地点にある場合はセキュリティレベル2以上の職員が進入し同行して脱出、その後、Aクラス以上の記憶処理を施して解放してください。
説明: SCP-704-JPは、██県██市、███山に存在する洞窟内にて発見された、███████████を模したと見られるテーマパークです。洞窟外の岩壁に"████ひーたのりぞーと!"の記載が認められました。また、洞窟外と内部の空間面積は一致しておらず、なんらかの手段により同テーマパークと等しいサイズに広げられており、微細なヒューム値変動の残寧から、なんらかの現実改変能力による内部空間の書き換えが行われたものとみられています。
SCP-704-JPは███████████を精巧に再現していますが、全てのキャラクター、シンボル、あらゆるモチーフが、19██年、██/██に██県██市にて行方不明になっている児童、████(以降SCP-704-JP-1とする)の容姿に置き換えられています。また、SCP-704-JP内に存在する全てのSCP-704-JP-1個体は外部への連れ出しを行おうとすると即座に消失する為、同園内でのDNA鑑定を行った結果、これらは完全に同一のDNAを持った一般的な人間と変わらない存在であることが判明していますが、助けを求める以外の発言をほとんど行いません。なお、SCP-704-JP-1はほぼ全ての実体において、稚拙な罵言1が記された紙(コピー用紙や藁半紙、ノートの切れ端と見られるもの)が体の一部に添付されています。
前述の通り、SCP-704-JPにおける全てのアトラクションや販売物、存在するスタッフからデザインの意匠に至るまで同███████████に存在するものをほぼ完全に再現していますが、SCP-704-JP園内に展開されているアトラクションの内容は一部かその全てが変更されています2。その途上において確実にSCP-704-JP-1が何らかの手段により殺害されますが、参加者に対してもその殺害に加担することが強要されます。
これを拒否した場合、参加者は入出園ゲート、及び物理的に脱出できうる空間に発生する不可視の障壁により即座にSCP-704-JP内に閉じ込められます。これを突破する手段は現状判明しておらず、SCP-704-JPアトラクションの観覧及び参加を経て提示されるSCP-704-JP-1殺害ノルマを達成した場合にのみ脱出が可能となります。ノルマは大きく前後しますが、平均して██人前後の殺害が求められます。二名以上の人数で進入した場合でも、それぞれに指示される内容は同じです。
SCP-704-JP内へ進入した場合、前後してほぼ確実にこの案内を受けるため、これを回避する術はありません。無人機器での進入も試みられましたが、同洞窟内においてSCP-704-JPの顕現が確認されず、有人での探査しか実行できませんでした。同園内の撮影自体はDクラス職員に装着させたウェアラブルカメラにより成功しています。
SCP-704-JP内における全てのSCP-704-JP-1は、同SCP-704-JP内にアトラクションへ参加、及び付近に接近する人間が存在しない限り完全に停止していることが確認されており、どのように殺害されたとしても不明な手段により復元、あるいは補充されています。SCP-704-JP-1は観測外、あるいは進入不可能なエリアからの補充が為されているとされ、入出場を阻害する障壁と同様に進入不可領域への進入は成功していません。現時点で観測された危険はありませんが、アトラクションへの過度な参加による無意味な実験、殺傷行為は禁止されています。
以下は、SCP-704-JPへの進入記録と、幾つかのアトラクション内容の抜粋です。
SCP-704-JP内進入記録004:
調査日時: 2015/07/24
調査者: D-704-JP-1
進入対象: SCP-704-JP
D-704-JP-1: 入った。聞いてた通り、全部ガキの顔になってやがるな。気色悪ィ。
██研究員: 行動順序は説明したな。決して躊躇わず、言われたようにすること。
D-704-JP-1: わかってるよ。このガキを皆殺しにすりゃいいんだろ。
██研究員: アトラクションの中だけだ。
SCP-704-JP-1: ひーたの█████らんどへようこそ! 素敵なお兄さん、今日はゆっくり楽しんでいってね!
D-704-JP-1: うげ。話しかけてきたぞ。
██研究員: 無視しろ。
SCP-704-JP-1: ひーたの█████らんどへようこそ! 素敵なお兄さん。(突如苦悶の表情を浮かべ大量の涙を流す)助けて。
D-704-JP-1: なんで泣きながら笑ってやがるんだこいつは。鬱陶しい。にーちゃんよ、殴ってもいいか?
██研究員: 無視しろ。アトラクションに入ったら指示の通りにするだけだ。
D-704-JP-1: (舌打ち)わかったよ。
D-704-JP-1がアトラクションへ入る。アトラクション名は"ひーたのアストロブラスター"と記載されている。
SCP-704-JP-1: たくさん撃ってたくさんやっつけよう!
D-704-JP-1: アホみてぇなデザインのアトラクションに連れて来られた。なんだこれ、銃? (連続する奇妙なサウンドが続く) ははっ面白れぇ。
██研究員: おい、勝手な行動は。
D-704-JP-1: 良いじゃねぇか。どうせ殺すのが目的なんだろ。幾ら殺したってかまわねぇってんなら……やりぃ50点!
██研究員: それ以上勝手な行動をするなら即終了とするが、構わないか。
D-704-JP-1: (10秒の沈黙と、発砲音と見られる奇妙な音、ファンファーレ)へいへい、わかったよ。もうノルマ達成だと。
SCP-704-JP-1: また遊びに来てね! 僕はいつでも待ってるよ! (聞き取り不能な嗚咽)
██研究員: 何か妙なものはなかったか。
D-704-JP-1: ねえよ。あーあ、せっかく良い気分になってたのによ。
██研究員: よし。戻ってこい。
<ログ終了>
SCP-704-JP アトラクション内容抜粋記録
記録日時 | 参加者 | 指示内容 | 結果 |
---|---|---|---|
20██/██/██ | D-704-JP-1 | 園内スピーカーより「アトラクションに隠れてるひーたくんを見つけてやっつけてね! いっぱいいるよ!」とアナウンスが流れる。 | 27名の殺害後、「ブブー! 時間切れ! また今度参加してね。もっとやっつけてってもいいよ!」と音声の出力後、全SCP-704-JP-1個体の積極的な動作が停止。アトラクションに参加すると、平時通りSCP-704-JP-1の殺害が行われた。 |
20██/██/██ | D-704-JP-1 | 「ひーたの海賊」への搭乗後、本来展開される録音音声ではなくSCP-704-JP-1の声色にて「武器を使って隠れてるひーたをやっつけよう! どこにいるかな? 探してみよう!」とアナウンスが流れる。 | 悲鳴を上げ水中を逃げるSCP-704-JP-1が不明の光源によりライトアップされ、銛による投擲、刺突の指示が為された。命中部位によっては、SCP-704-JP-1の爆発も確認されている。アトラクション終了後、「目標達成! 大変よくできました!」の案内後にファンファーレが鳴り響いた。この後、D-704-JP-1は問題なく脱出に成功している。 |
20██/██/██ | D-704-JP-2 | 当初は指示通りに探索を進行させていたが、途中より指示を無視。 | 遠心力でSCP-704-JP-1を殺害する「ひーたのストームライダー」の終了後、唐突にSCP-704-JP-1を追い掛け回し始め[編集済]を行って回った。アナウンスは特に流れず、ノルマ達成のファンファーレ等も無かったが、D-704-JP-2は問題なく解放されている。なお、指示を無視した為、自発的に脱出してきたD-704-JP-2はSCP-███-JPの実験に流用。終了済。 |
20██/██/██ | エージェント・██ | アナウンスに指示された通りの行動を取るよう命令。 | 問題なく██名のSCP-704-JP-1を殺害し、脱出。指示されたノルマを達成した際、ファンファーレのみが流れた。エージェントより、アナウンスに時折ひそひそとした子供の声が流れていたとの証言があるが、記録機器には何も残っていなかった。音量が小さかったため、エージェント自身も内容の聞き取りには失敗している。 |
20██/██/██ | エージェント・██、及び██研究員 | アナウンスを無視し、園内の正確な測量と、進入可能なアトラクション以外の施設が無いかを探索。 | 配電室、及び地下通路への通用口は███████████と同様の位置に存在していたが、施錠されており通行は不可能だった。なお、園内設備に対する攻撃の一切は功を奏していない。ノルマ達成後、速やかに脱出。 |
補遺: 20██/██/██時点まで進入不可能であったSCP-704-JP内配電室の施錠が解かれており、進入に成功しました。内部には意図不明な大量の落書きや、園内アトラクション、SCP-704-JP-1をイメージしたと見られるイラスト等が大量に書き記されており、電源を落とす各部レバー付近に対しそれぞれ「もう」「やっつけ」「ない?」「なら」「かけたい」「あきた」「ので」「なんで?」「つまんない」「(判読不能)」「よい」「ので」「いい」「から」「でんき」「きっても」「いいよ」等と刻み込まれていました。電源切断によるSCP-704-JPのNeutralized化の可能性も予想されていますが、実行の検討は現在もされていません。