SCP-7043
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音声記録転写開始 - 通話記録 - 2022/7/7 - 09:24:77 - サイト-19 文書化部門 から サイト-19 管理官オフィス への発信

オリーリ管理官: やあクラレンス、何か問題か?

C. ロビンソン: やあ、もう秘書の子は口説いたかい?

オリーリ管理官: まだ言ってるのか? 無理だって分かってるだろ。

C. ロビンソン: (含み笑い) これがラッキーコールになることを期待してたんだけどな。いや何、いくらか用があって電話したんだ。まずは、君が実際にそのオフィスにいる今、お祝いを伝えようと思ってさ。オーガスト管理官以上の苦労はあり得ないさ、それだけは保証しよう。僕らの部署は君を応援しているぞ。

オリーリ管理官: ありがとう! この地位にいると色々と混乱が多いものだよ。昨日の停電とか、上で揺れてる何かとかね。

C. ロビンソン: 停電? どこでだい?

オリーリ管理官: 建物全体の監視カメラとかね。6日以降の映像が全くないんだ。警備スタッフは大慌てだよ。

C. ロビンソン: へえ、まあそのうち詳細は教えて貰えるだろうけど…… って、待て。6日って今日じゃないのか?

オリーリ管理官: 私の時計には7日と表示されているな。今まで間違ったことはない。

C. ロビンソン: おかしいな、間違いなく昨日が5日だったと思うんだが。もしかすると昨日飲み過ぎたかな。

オリーリ管理官: まあ、よくあることだな。

C. ロビンソン: (含み笑い) そう言うなよ、禁酒しようと努力はしてるんだぜ!

オリーリ管理官: (含み笑い) 分かった分かった。

C. ロビンソン: とにかく、もう2つほど話したいことがある。もっと奇妙なことだ。調査部門のパトラと一緒に、入ってきた新しいスキップのカタログを作ったんだ。確か、えー、7000番台の…… 7043だ!

オリーリ管理官: まだ埋まってなかったのか?

C. ロビンソン: 以前は埋まってたが、別スロットに移動しただけだ。俺にとっちゃラッキーだったね。検索をかけたり、ボードにダーツを投げたりせずに、空きスロットを見つけられたから。とにかく、何も考えずに貼っ付けていく作業さ、分かるだろ。

オリーリ管理官: ああ、勿論。

C. ロビンソン: それで、説明セクションまでやり終えて、補遺の書類をスキャンしようとしたとき、ふと見たら、ページが補遺で埋め尽くされてたんだ。

オリーリ管理官: AICは嫌いなんじゃなかったか。

C. ロビンソン: ああそうだよ、だから使ってなくて、ダブルチェックしてたんだ。補遺を検索して何が出てくるか見てみたら、自分のクリアランスレベルを超えるものが3つか4つ引っ掛かったけど、それくらいだった。何をどうしたらいいのか分からない。補遺は切り離したけど、君が見たがるかと思って別の書類にまとめてある。

オリーリ管理官: それは…… 書類に出現したというわけかい?

C. ロビンソン: パッとね。何もないところから。画面には何も表示されていなかったのに、突然9つか10つの文書があって、それもちょっと変わった感じでさ。脳に影響するようなのがあると困るんで、全部には目を通してないが、ちょっと見た分について言えば…… 全然見覚えがないフォーマットだった。

オリーリ管理官: 今忙しいっていうのに、君のおかげで興味が湧いちゃったじゃないか。情報災害の研究者に一度調査して貰ってから見てみるよ。

C. ロビンソン: じゃあメールかファックスで送ろうか?

オリーリ管理官: (含み笑い) 未だにファックスを置いてるのは、あの古い所だけだって知ってたかい? IT部門に試験用に1台あるくらいで、それ以上はない。君のいる書類部門だけが古代人なんだよ。

C. ロビンソン: (笑い声) そうだな、まあ、それでも紙を送るには一番いい方法だと思うぜ。じゃあ、後でメールを送ろう。

オリーリ管理官: 助かる。それで、もう1つ用事があるんじゃなかったか?

C. ロビンソン: ああ、なんだって建物全体から煙草とスタンド売店の安酒みたいな匂いがするんだ?



音声記録転写開始 - 通話記録 - 2022/7/8 - 14:34:86 - サイト-19 管理官オフィス から サイト-19 文書化部門 への発信

オリーリ管理官: やあ、クラレンス?

C. ロビンソン: どうしたんだい、ボス?

オリーリ管理官: "ボス"呼びはまだ違和感があるな。

C. ロビンソン: もしよければ、別の呼び方をしても構わないが。

オリーリ管理官: いや、いいんだ。なあ、聞いてくれ。私は君が送ってくれた奇妙な補遺を、情報災害の研究者たちに送ったんだ。手短に言えば、我々はあれを見るべきじゃなかった。二人とも、数日後に記憶処理を受ける手筈になってる。記憶処理部門は、実際、多くの人を受け入れているらしい。

C. ロビンソン: ああ、畜生。

オリーリ管理官: 全くだ。

数秒間の沈黙。

オリーリ管理官: この際、補遺を読んでしまってもいいんじゃないかと思うんだが、どうだろう? だって、どうせ記憶は消されるんだし。

C. ロビンソン: おいおい、それは君が勝手にやれよ。俺は、見てはいけないものは見ないことにしてるんだ。

オリーリ管理官: ああ、そうだ。O5から追加のメモが来ている。7043番に追記して欲しいそうだ。君に転送しておくよ。追記が終わったら、最終版を送ってくれ。いいかな?

C. ロビンソン: 了解だ。ファックスで? それともメールで?

オリーリ管理官は笑い出す。

C. ロビンソン: (含み笑い) ほら、一番いい方法だろ!

記録終了








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