SCP-706-JP
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発見当時のSCP-706-JP

アイテム番号: SCP-706-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-706-JPはSCP-706-JP専用ユニットにおいて一般的生物オブジェクトと同様の収容を行ってください。ユニット内にはクリアランス3以上の研究員から許可されない限り、一切の物品の持ち込みを禁止します。ユニット内は6時間ごとに800℃以上の高温状態におき、SCP-706-JPの殺害を行ってください。この条件が満たされない場合、保全部隊によって即時SCP-706-JPの殺害を行ってください。

説明: SCP-706-JPは、雌のノドチャミユビナマケモノ(Bradypus variegatus)です。生物的条件の一切は、後述の異常性を除き、通常のノドチャミユビナマケモノと差異は認められていません。

SCP-706-JPは同種の個体と比較して非常に高い好奇心を持ち合わせています。SCP-706-JPは初めて見る物品に対し、非常に機敏な動作で接近し、多くの場合その使用方法を理解することに専念します。使用方法の理解にはおおよそ8–48時間を要し、使用方法を把握するまで食事を含む一切の生理的行為を行いません。

SCP-706-JPが物品の使用方法を理解する1と、誤った使用法で物品を使用、あるいは誤った使用法に遭遇します。その使用は現在時点で全てがSCP-706-JPの死亡に繋がる事件を引き起こす結果に終わりました。SCP-706-JPが明確な知性、あるいは自死願望を持ち合わせているかは不明です。

SCP-706-JPは死亡後、約1時間後に死亡した箇所の周囲1m以内に再出現します。再出現した個体はDNA検査の結果、死亡したSCP-706-JPと同一個体であることが判明しています。この現象はSCP-706-JPが自死した場合に限定されません。また、SCP-706-JP個体の死体は、死亡後、約1時間程度で消滅します。

以下はSCP-706-JPの死亡記録です。

日付: 20██/██/03
担当者: ██博士
物品: ボールペン
推測される理解内容: 約8時間後、筆記をするものであると理解
死亡理由: ペンを投擲していたところ、誤ってペン先を眼球に突き立て死亡

日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: ゴムボール
推測される理解内容: 約8時間後、球技に使用されるものであると理解
死亡理由: 爪を刺し、破裂させたゴムボールを飲み込んだことによる窒息死

日付: 20██/██/12
担当者: ██博士
物品: 黒色火薬
推測される理解内容: 約18時間後、摩擦熱による燃焼を確認、発火を引き起こすものであると理解
死亡理由: 火薬を大量に摂取したことによる中毒死

日付: 20██/██/21
担当者: ██博士
物品: ギター
推測される理解内容: 約31時間後、爪を用い、簡単なリズムを奏でる。楽器であると理解
死亡理由: 切れた弦を用いた窒息死

メモ: 音楽、というものに対する理解は済んでいるようだ。原始音楽の発生研究に貢献できるかもしれないな

日付: 20██/██/02
担当者: ██博士
物品: 収容ユニット2
推測される理解内容: 約40時間後、自分の存在する場所が何らかの収容室であると理解
死亡理由: 近接していた一般的生物オブジェクトユニットにおいて、SCP-███-JPの新たな異常性が発現。それに伴った収容違反に巻き込まれ死亡。この事例により█名の職員が死亡。█体のオブジェクトが破壊、█体のオブジェクトによる収容違反が発生した

メモ: このオブジェクト自体が引き起こした事象でなくとも、強制的に殺されるらしいな。気の毒に思えなくもない。実験を行う場合は隔離した場所で行う必要がありそうだ

日付: 20██/██/09
担当者: ██博士
物品: 不明3
推測される理解内容: 不明
死亡理由: [編集済み]。また、この事案に伴い、サイト内に存在していた██博士を含む職員█名全員が行方不明、あるいは消失した。サイト内は現在非ユークリッド空間の発生、時空間の異常膨張、あるいは収縮が発生していると推測され、封鎖されている。また、SCP-706-JPのみ事案発生から約22時間後に発見された。この事案を以て、SCP-706-JPに対する実験は凍結され、現在の特別収容プロトコルが制定された。

メモ: オブジェクトが何を理解したのかは分かりません。一つだけ分かると言えるならば、このオブジェクトの好奇心が死に及んだ場合、そしてそれを理解した場合の状況が判明しない限り、我々は殺し続けるしかないということでしょう。猫ならばともかく、ナマケモノの魂がどれだけストックされているのかは知りませんが - 北畠研究員

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