クレジット
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2024
著作権者: ThatGuyThatTime
原題: Making Waves (hate you)
作成年: 2023
初訳時参照リビジョン: 34
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-7119

SCP-7119-A、ナイル次席研究員の家の外で撮影。
特別収容プロトコル: サイト-37内の全ての電子レンジは除去され、サイトの全職員は更なる家電の要求のためにSCP-7119について認識させられます。いかなる目的であれサイト-37に電子レンジを持ち込んだ職員は叱責され、SCP-7119の存在を思いださせれます。ナイル次席研究員はサイト-37寮内に留まることになっており、サイトを出たり住居に戻ることは許可されておらず、彼の状況について断続的なカウンセリングを受ける必要があります。このカウンセリングは、主任研究員のフェントン博士(総合研究)と彼の人的資源連絡係のエセル・カーシュによりスケジュール・計画されます。
説明: SCP-7119はナイル次席研究員(簡潔のためSCP-7119-1に指定)を中心とする進行中の異常現象で、不明な半径、観測された最大値は周囲200メートル[編集済](参照: 補遺7119-4)に存在する電子レンジを関与させます。
指定されたSCP-7119半径内に電子レンジが存在する場合、その電子レンジは2分から2時間ごとに、5から35メートルの距離をSCP-7119-1に向かって前進します。これらの電子レンジ(SCP-7119-Aに指定)がどのように移動しているかは不明であり、観察されていないときにのみ移動します。SCP-7119-AはSCP-7119-1に向かって0.10メートル以内の距離まで前進し、それ以降は更なる動きを停止します。
SCP-7119-Aを停止させる唯一既知の方法は、それをSCP-7119-1の影響範囲から除去することです。通常周囲の構造によって進行が不可能な状況であっても、SCP-7119-AはSCP-7119-1に向かって前進します。
補遺7119-1: 発見タイムライン
SCP-7119は2022年6月15日から始まる週、ナイル次席研究員が要求した1週間の休暇中1に発見されました。
2022/06/15、10:15 AM: ナイル次席研究員は犬の散歩中、自宅から100メートル進んだ先の家の芝生にLGエレクトロニクス製電子レンジが置かれているのを発見した。ゴミ回収のために置いてあると思い、一日を続けた。
2022/06/18、11:45 PM: ナイル次席研究員は友人宅でのパーティーからの帰宅中、自宅から75メートル進んだ先の別の家の芝生に、別の電子レンジ、今回はパナソニック製電子レンジが置かれているのを発見した。興味深い偶然だと考え、一日を続けた。
2022/06/19、9:20 AM: その日の朝自宅を出た後、ナイル次席研究員はメーカーもモデルも不明な電子レンジが自宅の目の前の芝生にあるのに気付いた。彼は写真を撮ってこれを彼の自宅の芝生に置いたか近隣に尋ねることに決め、通りの向かいの近隣住民であるエージェント・ジェフリー・ギャラガーに、前2台の電子レンジについて話していたことを思い出した。しかし電子レンジを見せた際、エージェント・ギャラガーは、その電子レンジは彼のものと同一モデルだと述べた。エージェント・ギャラガーの自宅に入ると、2人は電子レンジがなくなっているのを発見した。ナイル次席研究員とエージェント・ギャラガーは、財団に何かを報告する前に問題を一日保留することに同意する。エージェント・ギャラガーの電子レンジは再設置され、彼は何らかの状況が起きる場合に備えてキッチンに留まり、電子レンジを監視することにした。ナイル次席研究員は玄関先で座っておくことになった。
2022/06/19、2:43 PM: 洗面所の使用のためにキッチンを出た後、戻ってきたエージェント・ギャラガーは電子レンジが10メートル動かされ、自宅の入口に置かれていることに気付いた。電子レンジを適切な場所に戻した後、エージェント・ギャラガーはナイル次席研究員の自宅に向かい、様々なブランドの電子レンジが彼の芝生と通りにあり、電子レンジの扉がナイル次席研究員の自宅を向いているのを発見した。ナイル次席研究員は「瞬きしたらこいつら(電子レンジ)が全部同時に現れた」と主張した。アノマリーの可能性を認識し、両者はエージェント・ギャラガーの車に乗ってサイト-37へと戻った。
2022/06/19、4:28 PM: サイト-37に到着すると、2人はナイル次席研究員の研究主任フェントン博士を見つけ、状況を説明した。フェントン博士が試験提案を起草している間、サイト-37は小規模な停電に見舞われ2、研究開発棟内の全ての照明が停止した。3分後に照明が戻ると、サイト-37のカフェテリアと休憩室の電子レンジ6台が全て施設周囲に移動しているのを職員が発見し、2台はフェントン博士のオフィスの扉前に現れていた。その後、FISC3映像を通じて、全ての電子レンジの扉が、ナイル次席研究員の存在したフェントン博士のオフィスを向いていることが判明した。
2022/06/19、4:50 PM: ナイル次席研究員を取り巻く現象は異常と宣言され、SCP-7119に指定された。総合研究部門のフェントン博士とナイル次席研究員による文書が起草され、サイト-37の全職員に迅速に配布された。
補遺7119-2: 財団人的資源部門からの注記
財団人的資源部門からのメッセージ
SCP-7119の目録化以来数日、アノマリーに必要な収容プロトコルに関してサイト-37の職員から多数の不満を受け取っています。施設から全ての電子レンジを除去したことによる不便は理解していますが、本来あるべきでない場所に電子レンジが現れることに関わる問題を防ぐことの必要性も理解しています。ナイル次席研究員を自宅から永久に連れ出すことが既に十分な問題であり、皆さんには申し訳ありませんが、電子レンジを取り去らねばならないのです。
皆さんはオーブンの使い方くらい学べることでしょう。
— エセル・カーシュ、人的資源連絡係
補遺7119-3: インシデントレポート7119-A
6月30日、SCP-7119の存在を忘れていた████████博士4によって送信された物品リクエストフォーム5に誤って電子レンジが含まれていました。その後、2022年7月2日、サムスン製電子レンジがサイト-37からリクエストされた他の物品と共に配達されましたが、気付かれることはありませんでした。
7月3日、FISCシステムにより、ナイル次席研究員の寮内で以下の出来事が記録されました。
映像ログ
日付: 7月3日、10:11 PM
注: この時点では、サイト-37の全職員は前日に配達された電子レンジに気付いていませんでした。ナイル次席研究員は14日間施設に安全に収容されていました。
[記録開始]
10:11 PM: ナイル次席研究員はベッドで眠っている。寮内の照明は切られ、扉は閉じている。
10:12 PM: 寮内のFISCシステムが誤作動を起こし停止する。
10:13 PM: FISCシステムが再起動する。すると、SCP-7119が寮内に存在しており、扉の足元に置かれている。ナイル次席研究員は眠り続けている。
10:16 PM: 寮内のFISCシステムカメラが再び誤作動を起こし停止する。
10:19 PM: FISCシステムが再起動する。ナイル次席研究員は目を覚まし始める。SCP-7119-Aは今度は寮の床の中心に位置している。ナイル次席研究員は実例に気付き、助けを求める。
10:20 PM: 寮内のFISCシステムカメラが再び誤作動を起こし30秒間停止する。
10:20 PM: ナイル次席研究員は後ろの壁に後ずさり、叫び声を上げる。寮の壁と窓のカーテンに火が点き、部屋中に広がる。寮の扉は閉じている。SCP-7119-Aはナイル次席研究員のベッドの足元に位置している。ナイル次席研究員の向かいの壁にメッセージが焼き付けられており、「アルミホルをでしレンジにいれんじやねえ」と書かれている。電源がないにも拘らず、SCP-7119-Aは起動して中のプレートが回転を始める。
10:21 PM: ナイル次席研究員の寮の扉が勢いよく開く。エージェント・ギャラガーと他の警備員が部屋に突入する。SCP-7119-Aの電源は切れ、警備員に掴まれる。エージェント・ギャラガーは部屋を出て、消火器を持って戻ってくる。ナイル次席研究員は胎児のような姿勢で丸まって泣く。
[記録終了]
映像記録の確認後にナイル次席研究員にインタビューしたところ、一週間の休暇の始めごろに、アルミ箔で包んだピザを電子レンジで温めたことが判明しました。この出来事がSCP-7119とどう関係しているのかは不明です。