アイテム番号: SCP-712
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-712-1と名付けられた光を放出する機械が、完全に組み立てられた状態で研究サイト-14にある安全収容室に保管されます。室内にはHEPAフィルターが使用されます。SCP-712-1の光学を妨げる埃の発生を最小限にするため、部屋へ入るすべての者はクリーンスーツを着用しなければなりません。SCP-712-1の部品を調整する者は、粉なしニトリル手袋を必ず着用します。███████博士に重度のアレルギーがあるためゴム手袋は許可されていません。SCP-712-1には衝撃を吸収する土台がついており、それは部屋の床にボルトでしっかりと固定された1.5mの高さの机にしっかりとつけられます。この安全収容室は"L"字型のレイアウトをしており、器械はドアに垂直の方向の遠くの壁に向けられています。室内では全ての映像記録機器が禁止されており、入り口を撮影する全てのカメラにはラッテン番号90のフィルタと偏光軸が水平な直線偏光フィルタが装着されます。
SCP-712-1の放射レンズは後方の壁へ向いており、光へ当てる対象は実験の時以外は機械の後ろへ置かれます。フェイルセキュアシステムの一部として、SWNT(シングルウォールナノチューブ)フォレストのパネルがSCP-712-1の放射レンズの前方へ置かれています。部屋の後部の壁はSWNTフォレストの光吸収パネルがタイル貼りされています。10機の300ワット金属ハロゲン投光照明器が目標の壁に向けられており、色温度が5000Kで安定することを確実にするために、SCP-712-1に電源供給される最低でも1時間前には電源が入れられます。
フェイルセキュアシステムは部屋の中に設置されています。実験の間、投光照明器は閉じられ、放射レンズの前方にあるパネルは除去されます。実験を遂行する研究者は常にサムスイッチ1に一定の圧力を加えていなければならず、発作を示す可能性のある歯の食いしばりを、噛み合わせプレートが検出します。もしサムスイッチへの圧力が無くなるか、噛み合わせプレートへの圧力が通常の限度を超えるか、システムへの電源が失われると、投稿照明器を覆っていたカバーが開き、SCP-712-1の放射レンズの前に光吸収パネルが落とされます。
SCP-712-1に電源が入っている時にその場にいる全ての職員と実験被験者は、遠見視力、近見視力、色覚を検査する視覚テストを室内へ入る前と、出た直後に受けます。███████博士に文書で承認を受け、レベル4職員より許可を得ない限り、どの程度であれ色盲を患っている人間は室内へ入ることが許されません。実験後に視覚能力が低下した者は観察のために24時間拘束され、解放される前に検査を受けます。24時間の観察期間の後も視覚の応力が低下したままである者はSCP-712の任務を行なうことが禁止され、さらに30日の間は非研究任務に割り当てられます。30日過ぎても視覚能力が低下したままである者は完全に転任されます。24時間経過後に視覚能力の低下を示した者はその後SCP-712の実験に再び任命されることはありません。
SCP-712に関する研究は███████博士が統括しています。
説明: SCP-712はSCP-712-a及びSCP-712-bと名付けられた色の組であり、光放出機械SCP-712により発生します。被験者はSCP-712-aを"赤みがかかった緑"、SCP-712-bを"黄色がかった青"と形容します。これまでになされた不可能な色2に関する研究ではある色を構成する2つの色を被験者のそれぞれの目に当てることで多少の成功を収めていましたが、SCP-712-aとSCP-712-bはそれぞれに個別の色です。SCP-712の色は人間の被験者が知覚することが出来ますが、可視スペクトラムに見られるような波長ではなく、それらの波長は虚数として表されます。より詳しい情報は███████博士の研究ノートに見ることができます。
これらの色を見た被験者は不安感や畏怖感を報告しており、それらの感情は実験後の影響とは対応していません。約26%の被験者はSCP-712を見た後に影響を受けません。約74%の被験者はSCP-712を見た後に視覚能力の低下を見せ、それらの視覚能力低下を見せた被験者の内約95%の被験者は24時間以内に回復します。視覚能力低下を経験した被験者の内約1%は24時間経過後も回復しません。
器械は振動減衰土台に上に取り付けられています。部品には型打ちしたメタルプレートのラベルが付いており、機械の前方にあるプレートには"f = 9907mm"と記されています。4本の信号線のあるケーブルが電源部から出ており、それには"220v"と油性ペンで書かれています。
SCP-712-1の主要な部品は次のとおりです:
- 標準US220V三相電源へ接続されるケーブル。
- ███nmの光を放出するダイオードレーザー。
- レーザーモジュールを囲っているオシレータ制御のリング状の電磁石。電磁石は"a"と"b"と記された2つの位置のあるスイッチがついた電源へ接続されている。
- ビームを様々な長さの8つの光ファイバーに分断し、様々な幾何パターンを作り出す1連のビームスプリッタ。
- 光ファイバーの出力を放出レンズへ集中させる8つの蛍石レンズのセット。それぞれのレンズは独自の調整部の付いた土台に装着されており、"a"と"b"とラベルの付いたスロットのどちらかに合わせられる。
- 反射率が[編集済]である密度の高い物質で作られた10cmのレンズ。この部品はその端につけられた"a"と"b"とラベルの付いた2つの位置のどちらかにロックされる金属栓を使用して、光学軸の周りに回転させることができる。
電源が取り外されている確証を得るまで、SCP-712-1のいずれの調整も行わないで下さい。もしあなたに基本安全規則が当てはまらないと考えるなら、私は怪我のリスクが切り傷や書痙程度に収まるような任務に喜んであなたを転任させましょう。 - ███████博士
メインスイッチ、調整部の付いたレンズ土台、そして放出レンズは全ての部品が"a"か"b"のどちらかに合わせられていない限り、レーザー放出器の電源をオフにするセーフティインターロックに接続されます。
SCP-712により通常現れる効果:
以下の効果がSCP-712へ曝された被験者に観測されています:
- SCP-712を見た後に可視スペクトラムにある色を見た時に彩度の低下を認識する。SCP-712-1aを見た後、被験者は黄色と青色に彩度の低下を認識した。SCP-712-1bを見た後、被験者は赤と緑の色の彩度の低下を認識した。これは最も共通に報告された効果である。
- これまでに数回偏頭痛を発症したと診断された被験者は、SCP-712を見ることが視覚野のある部分に重度の偏頭痛を引き起こした。
- SCP-712の放出する光に焦点を合わせる能力は維持しているものの、可視光に焦点を当てる能力が低下した。
- 2名の被験者は一時的に可視スペトラムが完全に見えなくなった。両方の被験者は30日の観測期間内に回復した。
- 大きな発作。SCP-712-1-の回収前、██████ ███████████博士は大きな発作に苦しんでいたようであった。初期実験の最中、2名の被験者はてんかんによる発作であると診断された。