SCP-7153

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変形前のSCP-7153と付属の文書

アイテム番号 #:
7153

収容クラス:
SAFE

特別収容プロトコル:

SCP-7153を収容ロッカーから持ち出す場合、実験の前に湿気を帯びた物体面と接触させてはいけません。SCP-7153の使用には倫理委員会の承認が必要です。

説明:

SCP-7153は魚を模した形状の赤いプラスチック製のフィルムで、ポリアクリル酸ナトリウムの結晶によるコーティングが施されています。SCP-7153は一般的に“占いグッズ”として販売されている玩具“奇跡の魚Miracle Fish”の異常な実例です。SCP-7153の物理的な振る舞いは非異常の製品と同様で、人間の手の平のような湿気を帯びた面に乗せられると曲がり、丸く巻き上がるように変形します。SCP-7153に付属する文書は非異常の“奇跡の魚”製品の大半に封入されているものと類似しています。この文書は「手の平に乗せた際の変形の具合によってその人の運勢や心理状態を予見できる」と説明していますが、広範な実験により両者に相関関係はないことが確認されています。

典型的な“奇跡の魚”製品と異なり、SCP-7153は高度な知性を示します。SCP-7153は自身とその周辺環境を認識でき、人間の有する認知の中心的機能に相当する知覚能力を持ちます。これがSCP-7153の第一の異常性であると考えられています。その知性の存在は、人間の言葉による発話能力という第二の異常性の発現を介して認められます。これらの特性の組合せによりSCP-7153に対しては任意の質問を行うことが可能であり、前述した変形の進行中、SCP-7153は与えられた質問に返答しようと試みます。過去の実験の示唆するところによれば、このとき最も妥当性の高い回答が得られるのは、個人の未来に多少なりとも関連するような質問を与えた場合であるとされています。なお、この過程でSCP-7153が一定の不快感を示すことは特筆に値します。

補遺 7153.1: 実験例

以下のログは、SCP-7153が簡単な予知を行うよう求められた際の典型的な振る舞いの実例です。

これはSCP-7153の初回実験の記録から抜粋されたものです。ウォーラー研究員がSCP-7153と直接の会話を行い、スレーター研究員が音声の転写を担当しました。


ウォーラー: オーケー。もう一度いきましょう。落ち着いて、ゆっくりで大丈夫です。次の質問に進みます。

[SCP-7153は深く、震えるように呼吸をしている。]

ウォーラー: 準備はよろしいですか?まだならそう仰ってください。もし休憩を取りたいというのなら…

[SCP-7153の呼吸はますます荒くなる。]

ウォーラー: いいでしょう。4度目の試行を開始します。

[ウォーラーはピンセットでSCP-7153をつまみ上げ、自身の右手の平に乗せる。彼女は用意されたリストから質問を読み上げる。]

ウォーラー: 私は明日、職場に傘を持って来るべきでしょうか?

[SCP-7153の尾が背びれの方に向かって丸まり始める。]

SCP-7153: あぁ、なんてこった。いい加減にしてくれ。

ウォーラー: 質問に答えてください。イエスですか、ノーですか。

[SCP-7153の尾が背びれに触れる。]

SCP-7153: ウッ。やめろ、降ろせったら!マジでわかんねえんだって。

ウォーラー: 降ろして欲しければ早く質問に答えることです。

[ウォーラーは右手を軽く揺らす。ウォーラーの手の平との接触により、SCP-7153の頭部は胸びれの辺りに向かってゆっくりと湾曲する。チャンバー内の高感度マイクはプラスチックが変形して出す微かな音を検知する。]

SCP-7153: クソッ!わかった。教えてやる!明日はきっと -

[SCP-7153の頭部が完全に一巻きする。ウォーラーの手の平に触れているプラスチックの残りの部分は、SCP-7153の側線に沿って軽く皺を寄せ始める。SCP-7153が嗄れた声で喚く。]

SCP-7153: 明日はきっと土砂降りだ!十年に – うぐっ – 十年に一度の嵐だ!クソったれの傘でも持って、それからレインコートも着ておくがいいさ。頼むからもう勘弁してくれ、オレの背骨が!

[ウォーラーは敷き詰められた乾燥剤の上にSCP-7153を置く。以後12分間にわたるSCP-7153の発声の記録は重要度が低いため省略されている。この間、スレーター研究員はこの先の実験のために騒音低減用の耳栓を支給してほしいと訴える。泣き叫ぶ声が落ち着いた頃、SCP-7153は元の平たい形状に戻っている。]

ウォーラー: 結構、1月8日に大嵐の予報と記録しておいてください。サイト全体にも周知しておいた方がいいかもしれません。念のためです。

[ウォーラーはSCP-7153に向き直りピンセットを手にする。ウォーラーはため息をつき、スレーターは目をこする。]

ウォーラー: 5度目の試行を開始する用意をしてください。


1月8日のウォーラー研究員の通勤中、空がやや曇っていた事実には注目すべきです。

反復試行実験を3回にわたって実施したのち、SCP-7153の予知能力が偶然の域を出ないことを示す十分な証拠が収集されました。現在行われている実験は予測としての価値を持ちませんが、知性を有する存在に対する高度な尋問手法の有効性を調べるために依然として有用です。

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