SCP-717-JP
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アイテム番号: SCP-717-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:SCP-717-JPは密閉型の金属容器に格納した上で、危険物保管ロッカー内に収容してください。SCP-717-JPの複写は、最低でも二つ以上の封筒に分割して封入し、個別に保管してください。画像データについても二つ以上に分割した上で、複数の記録機器に個別に保存してください。

SCP-717-JPの複写データ及び複写文書の閲覧は、セキュリティクリアランスレベル2以上の職員の許可を得たうえで行ってください。閲覧の際には閲覧済みページのリストを作成してください。閲覧済みリストが100件以上に達した職員は、それ以上の閲覧は許可されません。なお、SCP-717-JPの内容をテキスト化したリストは、自由に閲覧可能です。

Dクラス職員を対象にSCP-717-JPを用いた実験は、セキュリティクリアランスレベルレベル3以上の職員の許可を得たうえで、遠隔起爆可能な爆薬を頭部に埋め込んだうえで行ってください。

説明:SCP-717-JPは全238ページの、ソフトカバー書籍です。カバーや帯は付属しておらず、表紙に直接『博士の大爆笑ギャグ250連発大図鑑!』と印刷されています。各ページにはモノクロイラスト共に、日本語のジョークやギャグが記載されています。SCP-717-JPの全てのページを読んだ対象がSCP-717-JPに収録されているジョークを発声することで、本人あるいはジョークを聞いた周囲の対象に何らかの精神影響、物体の出現、限定的な現実改変などの効果をもたらします。SCP-717-JPによる効果は、ジョークによって対象も内容も異なります。多くの場合SCP-717-JPによる精神影響は、記憶処置などで除去することはできません。また、SCP-717-JPの収録ジョークのみ、あるいはイラストのみを視認しただけでは、ジョークを発声しても効果の発生に至りません。

SCP-717-JPは神奈川県の████小学校にて、大規模な爆発事故と未知の大型生物の出現が報告されたことをきっかけに、収容に至りました。SCP-717-JPは当時█年2組の教室に置いてあり、全ページを読んだ生徒によって、一連の現象が引き起こされたと考えられています。なお、SCP-717-JPには出版社や印刷業者、及び書籍コードなど発行元を特定する情報が一切記載されておらず、収容当時生存していた生徒へのインタビューでも、誰が持ってきたかを明らかにすることはできませんでした。

現在、SCP-717-JPは表紙の印刷と裏腹に228のジョークしか収録されていない点から、落丁書籍であると考えられています。そのため全国各地の古書店を定期的に調査し、類似書籍を含めたSCP-717-JPの回収が行われています。

補遺:
SCP-717-JPの裏表紙に記載されていた文章

爆笑必至!面白すぎ注意報発令中!
よい子の諸君!『博士』が送る爆笑ギャグ250連発で大爆笑!
君も明日からクラスの人気者になれるかも!!??
皆で笑おう!皆で楽しもう!
楽しもうね!!

SCP-717-JPに収録されているジョークと、生じる現実改変能力の一覧(抜粋)

対象ジョーク:布団が吹っ飛んだ
被験者:D-32215
実験環境:実験用気密チャンバー内に、一般的な寝具用布団と共に被験者を配置
生じた現象:寝具用布団が破裂し、チャンバー内のカメラを破壊。████研究助手がチャンバー内に侵入したところ、全身に2から3度の火傷を負った被験者を発見した。
付記:被験者は実験終了後、医務室に搬送された。被験者の退表面の付着物を解析した結果、寝具用布団内の綿がニトロセルロースに変化して爆発したことが判明した。

対象ジョーク:アルミ缶の上にあるミカン
被験者:D-00112
実験環境:実験用機密チャンバー内に、被験者と共に飲料品用アルミニウム製缶容器を配置。被験者と容器の間には防弾ガラス製の衝立を設置した。
生じた現象:缶容器の上部にミカンに分類される果実が出現した。
付記:ミカンが出現したように観測されたが、単に『アルミ製の金属容器の上部にミカンが存在するように見える』という精神影響を実験関係者全員が受けただけだと判明した。以降の実験で特に問題はないため、精神影響の除去を行わないまま、被験者には引き続き実験に参加させた。

対象ジョーク:猫が寝ころんだ
被験者:D-00112
実験環境:実験チャンバー内にイエネコ一匹(オス、2歳)と共に被験者を配置。
生じた現象:発声直後、毛づくろいをしていたイエネコが突然横になった。
付記:実験チャンバーより二階下の飼育室内で、ベンガルトラを含むネコ科の動物8頭が食餌や排泄を中断して横になった。

対象ジョーク:この椅子、いいっすね
被験者:D-00112
実験環境:実験チャンバー内に被験者のみを配置
生じた現象:特に何も生じなかった
付記:次は椅子をチャンバー内に入れて実験してみよう-████博士

対象ジョーク:ナイスな椅子
被験者:D-00112
実験環境:実験チャンバー内に事務用椅子(背もたれ付、ひじ掛けなし)とともに被験者を配置
生じた現象:事務用椅子がひじかけのついた一人用ソファに変化した
付記:実験終了後30分経過すると、個人用ソファは元の事務用椅子に戻った。

対象ジョーク:サイを見なさい
被験者:D-00112
実験環境:実験チャンバー内に被験者を配置。実験チャンバーの扉は施錠されており、実験チャンバーを中心とする半径50km以内にサイが飼育されていないことは確認済み。
生じた現象:被験者はジョークを発声後、実験チャンバー出入り口に駆け寄り脱出を試みた。████博士の再三の警告にもかかわらず、被験者は実験チャンバーからの脱出を試みたため、沈静ガスをチャンバー内に噴霧して実験を中断した。
付記:実験終了後、D-00112が意識を回復すると「サイを見なければ」などと発言し、逃走を試みた。D-00112を拘束の上、各種記憶処置を施したが、強迫観念は除去できなかったため、実験から28時間後に解雇した。

対象ジョーク:やわら貝
被験者:D-1422
実験環境:実験チャンバー内にアサリの入った水槽と共に被験者を配置
生じた現象:ジョークの発声直後、水槽内のアサリが水槽底面に平面状に広がった。
付記:実験後水槽底面のアサリを調査したところ、貝殻からカルシウムが一切失われていた。

対象ジョーク:スイスの椅子
被験者:D-1422
実験環境:実験チャンバー内に被験者のみを配置
生じた現象:SCP-███-JPとほぼ同一の性質を有するオブジェクトが出現した
付記:SCP-███-JPの収容状況に変化がなかったため、同一の性質を有するオブジェクトが発生したと考えられる。現在実験によって発生したオブジェクトは、SCP-███-JPと同様の手順で収容されている。
コメント:そう言えばSCP-███-JPが回収されたのは、スイス発の貨物船だったな

対象ジョーク:犬がどこにも居ぬ
被験者:D-23252
実験環境:実験チャンバー内に被験者と犬(雑種雄、2歳)を配置
生じた現象:被験者、実験関係者共に犬の消失を報告した。しかし実際には犬の存在を認識できなくなっただけであったことが判明した。
付記:実験後、Aクラス記憶処置を施したところ、ジョークを聞いた職員については認識障害を消去することができた。被験者については認識障害の消去には至らなかったが、以降の実験での影響が低いと判断された。

対象ジョーク:粥を食べると痒ーくなる
被験者:D-23252
実験環境:実験チャンバー内に被験者のみを配置。ジョーク発声後、被験者に職員向け食堂で調理した粥を食べさせる。
生じた現象:食事後、被験者の全身に蕁麻疹が生じ、非常に強い痒みを訴えた。
付記:実験後、他の食品でも試したところ、穀類に大量の水を加えて調理した料理全般に対し、アレルギーの症状が生じることが判明した。粥やオートミールはもちろん、一般的な方法で炊いた白米やおこわでも症状が確認された。ただし、餅のように原材料から大きく形が変化する調理法を経た場合は、特に問題はなかった。調査後、被験者は本人の希望通り解雇した。

対象ジョーク:コンブで喜んぶ
被験者:D-12198
実験環境:実験チャンバー内に被験者と共に、加熱調理済みの食用昆布を配置した
生じた現象:ジョーク発声後、特に被験者に体調の変化はなかった。しかし████博士の指示で被験者が昆布を摂食したところ、顔面及び横隔膜の痙攣が生じた。
付記:被験者は顔面と横隔膜だけでなく、全身を痙攣させ、最終的には自己終了した。被験者を調査した結果、血液や脳内から特に異常な化学物質は検出されなかった

対象ジョーク:車が来るまで待って
被験者:D-10425
実験環境:実験チャンバー内に被験者を配置。ジョーク内に待機を示す語が含まれているため、ジョーク発声後72時間、被験者を実験チャンバー内にて観察する
生じた現象:実験後72時間の間、被験者及び実験関係者に変化は見られなかった。
付記:実験から18時間後、身元不明の男性が運転する乗用車が、財団施設の正面ゲートに急速に接近した。警備職員の停止命令を無視したため、車両停止装置を用いて強制的に停車させ、運転手を拘束した。乗用車を停止させた時点では運転手はひどく興奮していたが、降車させた所無抵抗になった。運転手はその後18時間にわたるインタビューにも黙秘を続け、インタビュワー交代のため目を離した瞬間に消失した。また、拘束後駐車場に停車していた乗用車も、ほぼ同時に消失した。

対象ジョーク:鬼のようなお兄ちゃん!
被験者:D-00021
実験環境:実験チャンバー内に被験者と共に、D-000231を拘束した上で配置
生じた現象:特に異常は無し。しかし被験者を実験チャンバーから退出させる際に、D-00023が被験者よりも後だということに立腹し抗議を始めた。実験に立ち会った職員が制止したが、D-00023の発言は止まらず、通常時の待遇への不平不満にまで発展し、怒りをあらわにして拘束を逃れようと試みた。拘束器具が破壊される恐れがあったため、D-00023には鎮静剤が投与され、意識を喪失した状態で実験チャンバーから運び出された
付記:D-00023にインタビューを行ったところ、被験者に対する強烈な敵意が心理的刷り込みとして植えつけられていた。また、検死の結果、Dクラス職員として雇用した当初よりも骨格筋率が17%ほど上昇していた

対象ジョーク:時計なんてほっとけい
被験者:D-98282
実験環境:実験チャンバー内に被験者と共に一般的な市販の置時計を配置
生じた現象:実験後、被験者を含め、ジョークを聞いていた実験関係者全員が時間の感覚を喪失した。
付記:被験者と影響を受けた実験関係者は、実験後より筋道を立てて思考することが出来なくなった模様。各種記憶処置を施して回復を試みたが、いずれも失敗。意識はあるが本人の意思確認ができないため、解雇は保留中。

対象ジョーク:SCP敗団
被験者:D-64892
実験環境:実験チャンバー内に対象を配置
生じた現象:実験直前にO5命令により実験中止
付記:ジョークの内容及びその他の事例から、『博士』が財団の存在を把握している可能性が高いため、出版元と『博士』の調査チームの人員を増員した。
コメント:何が起こるかは不明だが、これまでの実験結果からすると致命的な状況が発生する可能性が高い -███博士

対象ジョーク:[削除済]は何[削除済]?
被験者:D-2048
実験環境:防弾ガラス製監視窓つきの多目的チャンバーに被験者を配置。チャンバー内には各種センサと記録装置を配置。チャンバーに隣接する監視室には、武装した警備職員8名を待機させた。
生じた現象:チャンバー内に複数名2の[削除済]が出現した。[削除済]は被験者を所持していた刃物で攻撃すると、監視窓に向けて金属片を投擲した。金属片が監視窓を貫通し、████博士他3名に命中した。その後[削除済]は監視窓を突き破って監視室に乱入し、所持していた刃物、金属片、素手などで警備職員と戦闘を開始。2分後に警備職員を全て行動不能にすると、全員が煙を発生させて消滅した。
付記:実験チャンバー及び監視室からは、凶器として使用された刃物や金属片は発見されなかった。

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