SCP-7178
評価: +6+x

アイテム番号: SCP-7178

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団職員は、SCP-7178の目撃に関する通報について、救急サービス回線を監視してください。内容が確認されたすべての報告について、法執行機関または第一対応者を称して財団職員が間に入り、隈無く調査が行われます。

SCP-7178の完全な封じ込めの是非についての財団管理部の判断は現在協議中です。

説明: SCP-7178は、大型のヒト形実体であり、生物力学的構造を有していると考えられています。長い鼻や長い耳など、その多くの特徴は、ヨーロッパを舞台としたファンタジー小説に出てくる、一般的なゴブリンの特徴に類似しているように見受けられます。特徴に乏しい黒い外套を身に纏っており、その裾は足首までの長さで、その身体はほとんどがこの外套で覆われています。

SCP-7178は、子ども、または法的親権を持つ人物の庇護下にある人物の寝室や生活空間に、該当の人物が深夜帯に一人でいる際に時折出現します1。その外見によらず、SCP-7178はその標的を優しく、宥めるような仕草で見つめ、往々にして抱擁したり、優しく話しかけたりもします。SCP-7178の出現時、同実体はその標的から、標的を身体的または精神的に苦しめている何かを取り除きます。その対象は物理的なものに限らず、概念や心身的苦痛である場合もあります。

補遺 7178.1: 以下は、SCP-7178の出現の発見初期の一部報告のリストです。インシデントの完全なリストは、インシデント記録7178-Aを参照してください。

注記: SCP-7178実例の最初の文書記録。SCP-7178の標的の両親から、救急サービスへ報告されたもの。

説明: SCP-7178が、ジェームス・ファウンド(6歳男性、アーカンソー州のリトルロック在住)の寝室に出現。ファウンドは命に関わる可能性がある脳腫瘍があると診断を受けたばかりで、これのために強い苦痛を受けていた。本人の話によれば、SCP-7178はベッドの足元に座り、ファウンドの勇気や前向きな気持ちを褒めたとされる。少年とSCP-7178は少しの間言葉を交わし、すぐにSCP-7178は消失した。本インシデントの後、ファウンドが痛みを感じなくなったことが報告された。後に医療検査が行われたところ、ファウンドの腫瘍は完全に消失していることが確認された。

主任研究員の補記: これは疑いようもなく厚意による行いであるが、SCP-7178、およびその標的となった子どもたちへの影響への監視は継続することを推奨する。SCP-7178についても、それに何が可能なのかも、私たちは何も知らないのだから。—アビゲイル・レジメン博士

注記: 本インシデントは、SCP-7178を初めて映像で記録することに成功したもの。

説明: SCP-7178が、ケンジ・ノダ(13歳男性、日本の東京在住)の寝室のカーテンの裏に出現。ノダの父親は息子の部屋に、本人に気付かれないよう、監視カメラを複数設置していた。映像のSCP-7178は、痛みを感じているような仕草で頭部を押さえているようだったが、ほぼずっと見え方が不明瞭なままであった。このときのノダは枕元で丸くなって泣いている様子だった。音量が小さいために内容は確認できないものの、映像のSCP-7178はノダに数分間話しかけ、やがてノダは眠りに落ちた。この時点で、SCP-7178は部屋の窓から外に出た。後に映像記録を分析したところ、映像記録がループ再生になっており、このことからSCP-7178はカメラの記録能力を『盗んだ』ものと考えられる。

主任研究員の補記: 何が起こったのか、少年の何を助けようとしていたのか、よく分からない。—アビゲイル・レジメン博士

説明: SCP-7178が、オリビア・ビエイラ(11歳女性、ブラジルのテレジナ在住)の病室に出現。当時ビエイラは大きな事故に巻き込まれて、耳がまったく聞こえなくなったばかりだった。ビエイラはその内容について語ろうとはしなかったものの、SCP-7178は『脳内に直接話しかける』ようにしてビエイラと言葉を交わしていた様子だった。特筆すべき点として、ビエイラは、SCP-7178の頭部近くに、『ぼんやりとした灰色の箱』が浮かんでいるのを見たことを記憶していて、この内容はその後の報告においても一貫して確認されている。インシデントの後、ビエイラの難聴は完全に回復していた。

主任研究員の補記: SCP-7178は、本心からその標的の助けになろうとしているように思われる。ただ、やり過ぎということにならないか、また問題解決によってそれ以上の問題を起こさないか、私は不安だ。—アビゲイル・レジメン博士

説明: SCP-7178が、サラ・ジャクソン(16歳女性。テキサス州のダラス在住)の寝室に出現。ジャクソンは不明な原因による怪我を負ったばかりだった。この怪我について、ジャクソンの友人は、ジャクソンからの自身がトランスジェンダーの女性であるというカミングアウトに対して否定的であったジャクソンの父親によるものではないかと推測していた。本インシデントでは、SCP-7178は窓から寝室に侵入した。特筆すべき点として、ジャクソンはSCP-7178実体と会話を試みたにも関わらず、SCP-7178は反応を示さなかったとされる。会話はなかったが、SCP-7178はジャクソンに手を添えて、抱擁をし、寝室の窓から退出した。この後、ジャクソンはこの出来事について友人に説明し、また本人は明らかに外向的かつ楽観的な性格になった。ジャクソンは、自身の父親との諍いについては記憶にないと証言したが、父親が自分のことを急に怖がるようになったようだともしている。

主任研究員の補記: 対象の男子について検査を実施し、問題がないことを確認することを強く推奨する。また、SCP-7178が人間の精神操作に抵抗がないことについて、私は懸念を抱いている。特に、SCP-7178が誤った対象を虐待と捉えている場合には深刻である。私にも息子がいるが、十代の子どもというのは変化があるものだし、親と喧嘩をすることもある。しかし、それは虐待とは違うものだ。—アビゲイル・レジメン博士








通知: 主任研究員であるアビゲイル・レジメンの失踪が報告されています。同研究員が発見されるまで、研究員補佐であるデイビッド・ファウストがSCP-7178の研究責任者となります。プロトコルにつき、適格な後見人の発見と通知まで、レジメン博士の娘は一時的に財団の監督下に置かれます。

補遺 7178.2: 直近の報告にて、SCP-7178のすべての報告でふたつめの実体の出現が確認されています。この実体はSCP-7178-1に割り当てられます。SCP-7178-1は影が掛かって判然としない、正体不明のヒト形です。同実体がSCP-7178の標的と交流したり認識したりしている様子はありません。同実体はSCP-7178の周囲をついて回り、物音は一切させないものの、ボディランゲージや振る舞いから、SCP-7178を非難したり、同対象に叫んだりしていることが示唆されています。時折、SCP-7178-1は、物理的にSCP-7178を殴打することもあります。SCP-7178-1が突如出現したこと、またその振る舞いの原因は不明です。

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