SCP-7179

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SCP-7179。

アイテム番号: SCP-7179

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-7179は非異常な手段で到達・目撃できないので、収容する必要はありません。

説明: SCP-7179は一辺が約10kmの立方体状の異次元空間であり、その総数は不明です。人間が死亡すると、その意識は1つのSCP-7179実例へと転送され、肉体が死亡時と同じ — しかし完全に健康な — 状態に再構成されます。ごく限られた観測と実験において、死亡した人間の意識がSCP-7179に出現しない事例は確認されていません。

各空間の些細な違いを除けば、SCP-7179実例は機能的に同一です。どの空間も、中心に熱帯の島が1つだけ存在する海洋環境です。空間の環境は、内部の故人が十分な快適さを感じる一定の温度に保たれています。また、SCP-7179実例で嵐などの荒れた天候は決して発生せず、太陽が常に島の真上にあるため、永久に昼間が続きます。SCP-7179の内部に自然な風や水の動きは無いようです。SCP-7179は機能的に絶対隔離環境omnilockの役割を果たし、SCP-7179実例からの脱出を試みる者は、同じ空間の反対側の端に辿り着くだけに終わります。更に、SCP-7179内部の時間の流れはベースライン現実のそれと大きく矛盾します。

SCP-7179内の植物は数種類の食用熱帯果実を実らせます。その他、アルコール、メタンフェタミン、コカインなどの物質と似通った効果をもたらす品種不詳の果実も存在します。動物相としては、数種類の熱帯鳥類、チョウ、数匹の家畜ブタが生息しています。

各島の海岸には、持続可能な生活に適した様々な設備や家具を備えたビーチハウスがあります。ビーチハウスには居住者の性的嗜好に沿った人間が最大3人まで同居しています。これらの実体は自らの意志を持たず、故人に対して完全に忠実ですが、それ以外の点では普通の人間と全く同一です。SCP-7179の内部で人間が受けた傷は通常の速度で回復しますが、死ぬことはありません。従って、通常ならば致命的な負傷も、激しい苦痛を伴うものの、回復します。

補遺 7179.1: 戦術神学部門は、実験的に開発された有知性霊魂インタフェース構造Intelligent Soul Interface Construct “Dante.isic” を利用して、あるSCP-7179実例の完全な観測に成功しました。Dante.isicは本質的にはミームであり、ノウアスフィア1を介して意識と融合することによって、データを物理世界に中継できます2

Dante.isicは、治療不可能な脳腫瘍と診断された34歳男性、ポール・ヒドルストンに密かに導入されました。ヒドルストンはDante.isicの導入後間もなく死亡し、彼の意識はSCP-7179へと転送されました。

[到着]: ヒドルストンは自分のSCP-7179実例に到着する。彼は小さなビーチハウスの横に立っている。20代半ばのように見える女性3人が、家から歩み出て彼に挨拶する。落ち着きを取り戻し、SCP-7179に順応したヒドルストンは居心地の良さを見出し、飲食、薬物使用、性行為などの享楽的な活動を頻繁に行うようになる。

[2年]: 時間と共に、ヒドルストンは飲酒と精神作用のある果物の摂食を、他のどんな活動よりも遥かに頻繁に行うようになる。

[3年]: ヒドルストンはかなり長い期間、全く食事を摂らなくなる。彼は時折、島の女性たちと会話を試みるが、彼女たちの主体性や個性の欠如に不満を抱く。

[5年]: ヒドルストンは以前の活動を完全に放棄し、SCP-7179を放浪することに大半の時間を費やす。

[6年]: ヒドルストンはパニックを起こし始め、SCP-7179を離れるために、島に生えている樹木の1本から筏を作る。SCP-7179の端に到達する度に、彼は反対側に出現する。数回の試行の後、絶望したヒドルストンは数日間倒れ込んだまま過ごすが、やがて気を取り直し、それまでの活動を続ける。

[7年]: ヒドルストンは島の野生動物や植物を使い、料理を追求し始める。彼は動物の飼育・繁殖のために、簡素な農場と畜舎を建設する。技術を高めるにつれて、彼の精神状態は改善する。

[18年]: ヒドルストンは料理に熟達し、記憶にある料理の再現や、新しい料理の創作を行っている。彼は活動を止める気配を見せず、様々な植物を交配させようと試み始める。

[37年]: ヒドルストンは努力を続けているが、倦怠感と退屈の兆しを見せ始める。

[81年]: ヒドルストンは再び鬱状態に陥る。彼は別な時間潰しの方法を探し、やがて建築を学び始める。彼は建築に必要とされる工具や設備を作り始める。

[101年]: 何度も試行錯誤を重ねた末に、ヒドルストンは最初の家を組み上げる。彼は建築を続ける。

[287年]: ヒドルストンは樹木を絶えず維持管理し、頻繁に建築工事を行うことによって、島を初歩的な建造物で埋め尽くすことに成功する。彼はその後、建造物の維持と改良に注力し、やがて補強技術を完全に習得する。

[416年]: ヒドルストンは学習、実験、経験を通して各建造物を十分に補強し、利用可能な住宅にする。彼は建造物の拡張を開始し、階層や装飾を追加すると共に、様々な船舶を作り始める。

[850年]: ヒドルストンの木材生産と天然資源収獲の能力が、建築物の拡張率と均衡を保つようになり、彼の努力は再び徐々に衰え始める。彼は建造物を破壊して新しい形式に再構築し始め、数世紀かけて作り変えてゆく。

[2,009年]: 頻繁な活動にも拘らず、ヒドルストンは鬱と不安の症状悪化を示し、SCP-7179における終わりのない人生という概念を真剣に考慮し始める。ヒドルストンの精神状態は悪化し続け、彼は健全な心を保つための手段を模索する。

[5,478年]: ヒドルストンは理由もなく建造物を解体し始め、数ヶ月後には村全体が破壊される。彼は建造を再開する。

[11,902年]: ヒドルストンは3人の女性を攻撃し、身体を引き裂く。彼はその後、激しいストレス症状を示し、溺水自殺を試みて失敗する。彼は時間をかけて建設を続けるが、建設計画の合間に自傷行為に及ぶようになる。

[19,600年]: 3人の女性が完全に再構築される。この時点で、ヒドルストンは暴力という概念に無感覚になっており、彼女たちの肉体を使った実験を始める。

[124,000年]: ヒドルストンは、数千トンの木材と石で彼自身を圧死させるように設計された粗雑な構造物を建造する。起動した装置は、完全にヒドルストンの身体を押し潰し、破壊する。

[900,000年]: ヒドルストンは完治する。この経験は彼にとって耐えがたい苦痛を伴なったようだが、その刺激が彼を退屈から解放する。彼は複数の異なる手法でプロセスを繰り返す。

[5,800,000年]: ヒドルストンは生きたまま自らを焼く。火が自然に消える前に、彼の身体は完全に灰となる。

[16,000,000年]: ヒドルストンは完治する。彼は幾度も同じような自己破壊を試み、次第にその経験に対して無感覚になる。

[1,200,000,000年]: 数千年の経過を経て、新しい刺激を得ようとあがくヒドルストンは合理的な行動を取らなくなる。

[8,500,000,000年]: ヒドルストンは去ろうとする。彼は失敗する。

[30,000,000,000年]: ヒドルストンは太陽を見つめる。太陽は沈まない。

[1,000,000,000,000年]: 如何なる経験からも新しい刺激を得られなくなり、ヒドルストンは身体活動を停止する。

[5x1028!3年]: SCP-7179の内部で成立し得る粒子の配置が理論上全て達成される。

[10100!年]: 永遠の世界で1秒が経過する。

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