SCP-7221
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SCP-7221

アイテム番号: SCP-7221

オブジェクトクラス: Uncontained

特別収容プロトコル: SCP-7221が出現した際は機動部隊シータ-1221(ピエロ嫌い) が出現場所に配備されます。機動部隊シータ-1221の構成員は、SCP-7221を確保、収容するため対パントマイマー戦闘訓練を受けます。

説明: SCP-7221は典型的なパントマイマーの化粧をした男性の人型実体です。SCP-7221は奇跡論的性質を有しており、その特性をギリシャのロドスタウンにてストリートパフォーマンスに活用しています。最近の報告書更新時点でSCP-7221は不可視の力で財団エージェントを転ばせる、不可視のロープを使い建物をよじ登る、不可視の壁を生成し奇跡論的攻撃を防ぐ等の小規模の奇跡論行使が観察されています。

補遺 7221-1: 以下のログは、機動部隊シータ‐1221によって行われた、SCP-7221の確保作戦中の音声の転写です。

<記録開始>

[SCP-7221は街角に出現している。オブジェクトの前の地面に観光客がコインを投げ入れる用の帽子を置き、パフォーマンスを行っている。]

シータ-1: こちらシータ‐1、SCP-7221を視認した。シータ‐2、3、見えるか?

シータ-2: 見えます、隊長。

シータ-3: 見えます、隊長。

シータ-1: パーフェクト。接近するぞ、群衆に紛れこめ。

[三人の隊員が待機地点からSCP-7221に向かって移動する。]

シータ-1: 3、お前が初めに接触しろ。2と俺は罠を準備する。

シータ-3: 了解。

[シータ‐3はSCP-7221に近づき肩を叩く。シータ-1、2はSCP-7221の2メートル後方に立ち、携帯型現実錨を起動する。3が注意を引くと、SCP-7221は振り向き、携帯型現実錨に気づく。SCP-7221はポケットから折り畳み傘を開く。現実錨が起動しきる前にSCP-7221は強風によって20メートル先まで浮きあがる。]

シータ-3: しまった!

シータ-1: 嘘だろ。総員、作戦変更だ!

[シータ‐1はショットガンを構えるふりをする。シータ‐2とシータ‐3は応答する。]

シータ-2、シータ‐3: 了解、隊長!

[隊員三名はSCP-7221を追跡し、走っている最中に銃を取り出すふりをする。]

[SCP-7221は付近のビルに着陸し、隊員が「射撃」のふりを始めると同時に「壁」を生み出す。シータ‐2がスタングレネードを「作り出す」ふりをし、SCP-7221に投げつける。SCP-7221は一瞬意識を失い、回復するまでにシータ‐1、3によって数発「撃たれる」ふりをする。意識が回復するとSCP-7221は「壁」を再び生み出し、屋上を走って隊員から逃走を始める。]

シータ‐1: 2、追いかけろ。常に目を離さず、無線で連絡を取れ。3と俺が回り込み、あれの不意を突く。

シータ‐2、シータ‐3: 了解、隊長。

[シータ‐2はSCP-7221を追跡し、シータ‐1、シータ‐3は隣の道に出て、オブジェクトの進む方向と同方向に進み始める。シータ‐2はSCP-7221に「発砲する」ふりをし、屋上から道路に飛び出させる。同時にシータ‐1とシータ‐3はSCP-7221に接近し、「発砲する」ふりをする。オブジェクトは全ての銃撃を躱しているようなふりをして、指でそのうちの「銃弾」の1つを「挟み」、シータ‐3に投げ返して膝に「命中」させるふりをする。]

シータ‐3: ぐあああ!

シータ‐1: 3が撃たれた! 2、撃て!

シータ‐2: 了解!

[シータ‐2はSCP-7221の背後に近づき、「発砲」のふりをする。SCP-7221は近くの路地に逃げ込み、「壁」を出現させる。]

シータ‐1: 3の無事を確認しろ、俺はあれを追う。

シータ‐2: 了解。

[SCP-7221を追ってシータ‐1は路地に入る。シータ‐2は膝をついてシータ‐3の「怪我」を診察するふりをする。SCP-7221は追いかけるシータ‐1に対し大きな「物体」を投げつける。シータ‐1はその「物体」を立ち止まって避ける。シータ‐1は「発砲」するふりをし、オブジェクトの脚に命中させて、よろめかせる。シータ‐1は足どりのおぼつかないSCP-7221へと走り出す。]

シータ‐1: 止まりやがれ、クソッタレ!

[SCP-7221は角を曲がり、走り出そうとするまでに何かを見つめる素振りをみせる。銃声が聞こえ、SCP-7221は額の銃創から出血しながら地面に倒れる。ピストルを持った女性が銃口を向けつつSCP-7221に接近する。彼女はもう一方の手に持っている携帯通信機に話しかける。]

ワイヤー: ワイヤーから司令部へ、障害を排除した。

[ワイヤーは通信機を通して応答を受け取るが、録音できなかった。彼女は武器を下ろし、振り返って立ち去ろうとする。]

シータ‐1: おい!

[ワイヤーはシータ‐1に振り向く。]

ワイヤー: いいか、お前は何も見ていない—

シータ‐1: 待て、待て。あれだろ、GOCだろ?

ワイヤー: そうかもな。そういうお前は、あのあほくさい悪ふざけからして、財団か。

シータ‐1: なんだって?

[ワイヤーはため息をつく。]

ワイヤー: お前、妄想の銃を持ってあの大道芸人を追っかけて、妄想の弾丸を当てたつもりになってたんだよ。後ろの方にいるお前のお仲間は妄想の傷を手当てしていた。お前らは暇な時一体どんなに馬鹿なことをしていればこんな失態を見せられるんだ? 部屋にあぐらでもかいて自分たちの馬鹿さ加減に磨きをかけて、少しでも多くの人から侮蔑の視線を貰おうと訓練でもしているのか? あほらしくてしょうがないね。

[ワイヤーが立ち去る。シータ‐1は黙ってしばらく立っている。]

シータ‐1: はぁ。

<記録終了>

以上の確保作戦の後、全ての目撃者には記憶処理が施されました。また、SCP-7221はNeutralizedに再分類されました。

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