アイテム番号: SCP-724
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-724は非移動性であるため、サイト-54の中央保管庫がここに位置するように設置されています。この保管庫は、SCP-724に届く信号を遮蔽して異常性を抑制するための開き戸型の遮蔽板によって囲まれています。
SCP-724-1個体は標準サイズの檻の中で飼育可能ですが、現在監視が行われている全ての個体は、少なくとも適度な防音措置を施して互いに隔離すべきです。監視が行われていない個体はファラデーケージに囲まれた飼育小屋で飼育されます。M███████研究員の書面による許可がないかぎり、SCP-724-1個体を輸送する際に電磁遮蔽されていない檻を使用してはなりません。
サイト-54は財団フロント企業 (S██████ C██ P███████, Inc.) のオフィス兼研究施設としての外観を維持します。ロビーには民間人の受付と警備員を装った財団のセキュリティ担当者が配置されます。
説明: SCP-724は直径8メートル程度の範囲を覆う異常領域であり、██████, ██の州間高速道路██号線と国道█号線の交点付近に位置しています。異常性は、周囲の電波塔(SCP-724-AからSCP-724-█と指定)の全てが放送を行っており、その信号が異常領域に重大な干渉を受けることなく到達している場合にのみ発現します。
SCP-724の活性化時、異常領域を横断する全てのProcyon lotor(アライグマ)個体は未知の手段により恒久的に改変されます。改変された対象(総称的にSCP-724-1と指定)は人の声、音楽、空電、変調/復調された信号、[削除済]を含む異常な発声を頻繁に行い始めます。対象は発声を制御したり、その内容を理解したりすることはないようで、単なる受動的な受信機として振る舞います。発声の音量と明瞭さは、活性化したSCP-724の異常領域に接近するにつれて増大します。SCP-724-1と改変されていない個体との間に、解剖学的、化学的な差異は発見されていません。
これらの発声はSCP-724を取り巻く塔以外からのラジオ波に対応していることが分かっています。SCP-724に捕捉された放送の中で確認の取れたものの発信源は、北半球全域の多数の地点に、そしてラジオ波の全帯域に及んでいます(特定された送信元のログは文書724-█に記録)。各実体は個別の固定された地点、周波数、プロトコルに対応する「遠隔受信機」となっているようです。各個体の放送受信地点と周波数は、対象が改変された際の異常性を発現させた入射信号における、振幅や周波数のような要因に基づいて決定されると思われます。
補遺724-1: SCP-724は19██年、SCP-724-█(最も新しく建てられた塔)が放送を始めた時に最初に出現したと考えられています。エリアでの「喋るアライグマ」の報告が財団の調査を促し、影響を受けた複数の対象を用いることで異常領域の位置が特定されました。全ての野生SCP-724-1個体を捕獲する努力が続けられています。
SCP-724-Cがメンテナンスによって停止した際、異常性もそれに伴って停止したことで周囲の電波塔と異常性との関連が発見されました。広範な議論の後、送信を継続させることで塔のSCP-724生成能力を保つことが決定されました。
補遺724-2: 他の異常性が偶発的に生み出されることがないように、SCP-724の異常性の発生に関与した要因を同定する研究が進行中です。様々な要因の影響をよりよく理解することは、監視や通信への応用においても大きな実用性を持つ可能性があります。
補遺724-3: ある実験において、SCP-724が後の世代に及ぼす(または及ぼさない)影響を決定するために、複数のSCP-724-1個体を影響下、または非影響下の個体と交配させる試みが行われました。結果として生じた子孫のうち、両親共に影響を受けていた場合の子孫はこれまでのところ全てSCP-724-1そのものです。非影響下の個体との間の子孫は、およそ7█%の確率で影響を受けました。
子孫の「受信機」としての地点と周波数は、一般に両親における「受信機」としての地点と周波数の間のどこかになることが知られています。M███████博士は品種改良プログラムの許可を要請しています[要請は現在検討中]。