アイテム番号: SCP-724-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-724-JP湧出口の周辺3kmを封鎖し、カバーストーリー「有毒火山ガス噴出地帯」を適用して一般人の侵入を防ぎます。SCP-724-JP湧出口周辺を写した航空写真および衛星写真は適宜介入・編集し、SCP-724-JP周辺の財団の研究施設の存在が一般人に漏洩することを防止してください。
SCP-724-JPから流出する水を財団の浄水施設へと誘導するように水路を建設します。浄水施設で強酸の中和およびタンパク質の濾過が完了した水は、異常性のない他の源泉に接続された水路へと排水されます。
SCP-724-JP湧出口は定点カメラで24時間体制で監視してください。SCP-724-JP入口から500m離れた地点にSCP-724-JP調査チーム本部を設置し、多数のSCP-724-JP-1がSCP-724-JPから同時に出現した際の掃討任務を担当する、機動部隊ゆ-2("湯屋の番台")を常駐させます。
SCP-724-JP-1を取り扱う際は必ず耐酸性の用具および防護服を使用してください。研究に必要なだけの個体を調査チーム本部に設置されている耐酸性の特殊生物培養槽へと収容し、それ以外は火炎放射器を用いて焼却処分します。SCP-724-JP-1は活発に増殖を行うため、その都度不必要な個体を焼却します。
3ヶ月に一度、SCP-724-JP内部に紫外線照射装置を搭載した遠隔操作型の水中探査機が投入され、内部のSCP-724-JP-1個体数の削減が行われます。
(追加プロトコル - 20██年施行) 毎年12月31日に、調査チーム本部において飼育されているSCP-724-JP-1の全個体が処分されます。必要であれば、翌年の1月2日以降にSCP-724-JPから新たなSCP-724-JP-1を採集してください。
説明: SCP-724-JPは群馬県██郡███に存在する██温泉の源泉の1つ、およびそれに注ぐ水路となっている全長1.78kmの洞窟を指します。
SCP-724-JPの湧出口からは、不定期に全長20〜30cm程度の不明な種類の多核単細胞生物(以下、SCP-724-JP-1)が出現します。一度に出現する個体数は平常時は1〜██体と大きなばらつきが見られ、出現時に既に死亡している個体も散見されます。SCP-724-JP-1は白色〜サーモンピンクの色彩を帯びた球状またはラグビーボール状の身体を持ち、表面には3箇所の眼点が存在します。細胞内骨格の本数・太さ・強度が通常の微生物のものを大幅に上回っていることにより、身体を支えることが可能になっています。SCP-724-JP-1は転がって移動します。体表から塩酸・硫酸・硝酸の混合物(割合は一定していません)を分泌することで岩盤を溶解させ、付着している微生物を岩盤ごと消費しています。SCP-724-JP-1は10〜15日に1回の頻度で分裂を行い、増殖します。細胞核内には二本鎖DNAで構成される染色体が存在しますが、これには個体ごとに異なる位置に複数箇所の切断および損傷があり、分裂する際にも染色体不分離などによる変異が常に発生しています。SCP-724-JP-1は物理的な衝撃と低pH環境に対してある程度高い耐久性を持ちますが、火炎や紫外線、アルコール等の一般的な殺細胞手段を用いることで容易に無力化が可能です。
SCP-724-JPから湧出している水の成分は元々は██温泉に存在する他の源泉と近く、硫化水素を含む硫黄泉でした。SCP-724-JPは、197█年までは██温泉で実際に利用され、「山奥の秘湯」として一般客にも開放されていました。しかし、同年からアルブミンをはじめとする多種多様なタンパク質が混入するようになって水が白濁し、同時にpHの異常な低下が発生して人間が利用できない状態となったことが財団の注意を引きました。財団がSCP-724-JPの調査を開始して█日後にSCP-724-JP-1の最初の出現が確認されたことにより、財団は当該オブジェクトの収容および一般社会からの隠蔽を開始することを決定しました。カバーストーリー「火山活動の活発化」を適用することによりSCP-724-JPを閉湯とし、周辺の土地を財団が買収しました。収容されてからも、湧出水のタンパク質濃度の増加とpHの減少は緩やかに続いています。
SCP-724-JPの内部空間は湧出口付近の最も狭い区画で直径35cm程度であるため、直接人員を投入しての探査は不可能です。