SCP-724-JP-EX-J
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アイテム番号: SCP-724-JP-EX-J

オブジェクトクラス: Euclid Explained

特別収容プロトコル: 現在SCP-724-JP-JはExplainedクラスに分類されており、個別の特別収容プロトコルは制定されていません。新たな噂が発生した際には科学的に分析し、異常性によるもので無いことが確認されたならばSCP-724-JP-EX-J-(任意の番号)に追加してください。

説明: SCP-724-JP-Jは財団サイト内で広まっている"財団七不思議"と呼ばれる噂・怪談の総称です。七不思議とされていますが現在18種類が確認されており、細部が異なるものを含めれば122種類が確認されています。どれを以って7つとするかはサイトによって異なり、また"7つ全て知ってしまうと"に続く文句も「収容違反が起こる」「死ぬ」「近しい人が死ぬ」「何も起こらない」「財団の隠蔽した最高機密が暴露される」「記憶処理され無かったことにされる」「O5に終了処分される」「O5が終了処分される」「O5の恥ずかしい秘密が暴露される」「とにかくO5に何か起こってほしい」など諸説あります。
しかし現在は全てのSCP-724-JP-Jが科学的に説明がつく現象と判明しているため、Explainedクラス(SCP-724-JP-EX-J)に指定されています。

以下は代表的なSCP-724-JP-EX-Jの一例です。

番号 件名 概要
SCP-724-JP-EX-J-1 すぐ故障する財団製GPSの真相 「GPS信号の断絶」は故障ではなく故意に発生させられたもので、探索任務の皮を被った事実上の終了措置である
SCP-724-JP-EX-J-2 100キロババア高齢女性 サイト-██周辺を時速100kmで走る老婆が現れる。目撃すると近いうちに事故に遭う
SCP-724-JP-EX-J-3 嘆きの電話機 サイト-██の電話線の繋がっていない電話機に"20-070-926"と掛けると "嘆きの水曜日"の日の悲鳴が聞こえる
SCP-724-JP-EX-J-4 人面猫 人間のような眼をした白い猫が暗がりからこちらをじっと見つめてくる。一度目を合わせてしまうとどこまでも追いかけてくる
SCP-724-JP-EX-J-5 子供と入れ替わるテディベア 実験記録の映像から子供の姿が消え、不自然にクマのぬいぐるみに置き換わっているものがある
SCP-724-JP-EX-J-6 フィラデルフィア計画の再現 財団がフィラデルフィア計画の事故の研究を行い、結果"再現"に成功した
SCP-724-JP-EX-J-7 聞くと死んでしまう7つ目の噂 聞いてしまうと呪われ、笑みを浮かべたように顔を引き攣らせて死ぬ


各詳細と分析結果

番号: SCP-724-JP-EX-J-1

件名: すぐ故障する財団製GPSの真相

詳細: 報告書に頻出する「GPS信号の断絶」は故障ではなく故意に発生させられたもので、探索任務の皮を被った事実上の解雇・終了措置である。報告書にこのような記述が多いのは終了報告書を兼ねているためである。


解析: ただでさえ人員が不足しているのに資金資材を掛けてまで終了措置を行うことはありませんし、終了措置はロープ1本あれば十分です。また財団の技術の下で作られているGPS受信機は簡単には故障しないので、今まで「GPSが壊れたせいで死んだ」という苦情が寄せられたこともありません。
まずGPSとは複数の人工衛星からの電波を受信することで地球上の位置を割り出すものであり、地下など電波が届きにくい状況に置かれるなどすれば信号は簡単に断絶します。もし探索者が頭にアルミホイルを巻いているようであれば、GPS信号の妨げにならないように実験担当者はそれを外すよう指導してください。また報告書における「GPS信号の断絶」という言葉の意味するところはポータル系オブジェクトの接続先がこの地球上ではないことを意味していますので、GPSが役に立っていないわけではありません。またこれは頭にアルミホイルを巻くような人物の脳味噌が地球上に存在していないという意味ではありません。

番号: SCP-724-JP-EX-J-2

件名: 100キロババアおばあちゃん

詳細: 夜中にサイト-██前の道路を時速100kmで走り去っていく年配女性が現れる。バイクや車に並走し、こちらを見て不気味に笑うという。見てしまうと近いうちに何らかの事故に遭う。


解析: 目撃情報の日付と時間から照らし合わせると、機動部隊ば-21("婆素徒愚乱魔(ばあすとぐらんま)")の隊員だと思われます。60歳以上の健脚の女性のみで構成され、追跡任務を主とし乗り物が無くとも長時間の追跡を可能とする機動部隊です。しかし走行速度は平均40km/hなので、せいぜい"40キロババア老婦人"です (名前は伏せますが、同機動部隊で体重が約100kgの”100キロババアマダム”なら存在します)。ただし「近いうちに事故に遭う」という点は統計データから確かであると示されており、原因としては100キロババアグランマを目撃したことによる恐怖・衝撃・驚愕・インパクト・ババア-リアリティショック彼女らの魅力が集中力を著しく乱しているのではないかと推測されています。他にもターボババアお婆様、ダッシュババアハイミセスなどの呼び名がありますが、同一の存在であると結論付けられています。

番号: SCP-724-JP-EX-J-3

件名: 嘆きの電話機

詳細: サイト-██の電話線の繋がっていない電話機に"20-070-926"と掛けると "嘆きの水曜日"の当日に繋がり悲鳴が聞こえる、というもの。


解析: サイト-██の当該電話機はPHSですのでそもそも電話線が繋がっていないものであり、サイト管理官の趣味で一昔前のデザインにしているとのことで機能は最新の内線と変わりません。なお上記番号は拷問室取り調べ室への内線番号でした(現在は変更済み)。
ちなみに同様の話として「"00-000-000"に掛けると、あるオブジェクトが喋りかけてくる(実際にはテスト用の音声が流れる番号です)」「"44-444-444"に掛けると"トイレの花子さん"に繋がる(当時その番号を使用していた職員の名前が"御手洗花子"でした)」「"05-514-893"に掛けるとO5宛てに宅配ピザが届く(本当)」などが挙げられます(同様に現在は全て変更済みです)。

番号: SCP-724-JP-EX-J-4

件名: 人面猫

詳細: 人間のような眼をした白い猫が暗がりからこちらをじっと見つめてくる。一度目を合わせてしまうとどこまでも追いかけてくる。


解析: 目撃情報のあった時間帯の監視カメラ映像を解析した結果、目撃者が猫だと思っていたものは白いビニール袋でした。風に煽られ20mほど目撃者を追尾していましたが、その後上空へと消えていきましたのでもう追いかけて来てないと思います。ご確認よろしくおねがいします。

番号: SCP-724-JP-EX-J-5

件名: 子供と入れ替わるテディベア

詳細: オブジェクトの映像記録に映っていたはずの子供の姿が、次のシーンにはクマのぬいぐるみに置き換わっている。主体のオブジェクトの性質には関係ないはずの被害者であり、オブジェクトの影響で消えたとは考えにくい。過去に収容違反し今も収容されていないオブジェクトが関わっているとされている。


解析: 胎児がテディベアに改造された事例とは関係ありません。これに関しては映像編集部門の仕事で、プライバシー保護の観点からモザイク代わりにテディベアの画像が挿入されたものです。この処理はグロテスクだと判断されたものかつオブジェクトの異常性に直接関係が無く分析に必要ないと判断された箇所に適用されています。このような処理を一部の記録映像に施している理由として、過去に子供が死亡する映像に興奮する趣味嗜好を持った職員が無断でデータベース内記録映像を収集していた事例が数例あったためです。対策として前述の映像加工の依頼と、特殊性癖の職員には記憶処理時にカウンセリング(深層意識への子供恐怖症/Pedophobiaとテディベア恐怖症/Tedophobiaの刷り込み)を行なって解放しました。

番号: SCP-724-JP-EX-J-6

件名: フィラデルフィア計画の再現

詳細: フィラデルフィア計画として知られているワープ技術を財団が確立しようと実験を行い、過去の事故をなぞるように"人体発火による炭化"、"船体との融合"、"半身の消失"、"凍結とそれに付随する身体崩壊"、"身体の裏と表が逆転"を引き起こしたというもの。さらに財団はその事故を隠蔽している、と続く。


解析: フィラデルフィア計画とはテスラコイルを用いた船体消磁(レーダーに検知されないステルス技術)の研究で、瞬間移動(ワープ)というのも実験中に起こったとされる"事故"のうちの一つです。財団の見解として再現実験自体は完了していますし、上記全ての現象を科学的に説明できています。

  • "瞬間移動"の原理としては、テスラコイルに組み込まれているヴァンデグラフ起電機から発される磁界調相結合が地磁気とスカラー電磁場に歪みを発生させることでハチソン効果によりごく微量の瞬間移動(厳密には光速での移動)が発生することが解明されています。財団の実験記録では最長1300fm(1.3×10-12m)の瞬間移動を記録しており、角度とタイミングが合えばフィラデルフィア~ノーフォーク間の約2500kmの移動も理論的には可能だとされています。

番号: SCP-724-JP-EX-J-7

件名: 聞くと死んでしまう7つ目の噂

詳細: その話を聞いた直後に笑みを浮かべたように顔を引き攣らせて死んでしまうという。


解析: その性質から調査は困難を極めましたが、発生するとされる症状の情報から分析することで概要が推察できます。

まず症状の「笑みを浮かべたように顔を引き攣らせて死ぬ」とは、表情筋の引き攣り・全身の筋肉の緊張と痙攣・心拍数の急激な増加・心不全(心停止)・大音量での声門音の発声・落涙、特に腹直筋・腹横筋に多大なダメージを与え横隔膜の緊張により呼吸困難を併発する、とされています。傍から見ればただ笑っているように見えなくもないですが、脳橋や延髄の梗塞が病的な笑いを引き起こすことが知られており、呪術的にこういった部位に損傷を与えていると考えられます。
この手の呪術により脳が破壊されるメカニズムは科学的に解析されており「話を聞いた際の不安・恐怖によるストレスから日常生活に支障をもたらし、新陳代謝に異常を来した結果として脳細胞が破壊される」というものと「脳が物理的に破壊されるほど大音量である」の2通りの方法しかないことが分かっています。そして即効性のある後者であることは明確です。では脳が破壊されるほどの大音量とは具体的にどのくらいかというと約144dB(デシベル)で、これはジェットエンジンを耳元で動作させるに等しい音量です。

「聞くと死ぬ話」自体の原理は解明しましたが、ここで新たに"脳が破壊されるほどの大音量で噂を話す『怪奇ジェットエンジン絶叫男』"が存在する可能性について調査が必要であると進言します。ただし上述の144dBはあくまでも脳を破壊するための最低値(144dBの音量下に24時間暴露条件)であるため、もしかすると『恐怖ソニックブーム151dB爆音マン』または『妖怪ロケットエンジン192dBおしゃべり男』である可能性もあります。


コメント

  • 以上、7つのSCP-724-JP-EX-JをまとめてO5へ報告した次第です。 — ██博士
  • お手軽呪われスターターキットみたいなものを送りつけるな。 — O5-█
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