アイテム番号: SCP-729
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-729はサイト██の標準的な保安房に保管します。実験を容易にするため、SCP-729はサイト██の水道と下水システムに接続します。検査条件を満たさずSCP-729を使用することは禁止されています。SCP-729を活性化させずに接触する場合、危険性は極めて低いと言えます。 長期間SCP-729の近くに留まった職員の一部が『不潔感』や『ストレス感』を覚え、入浴するためにSCP-729を利用したいという軽度の衝動を感じたことを報告しました。この衝動は職員がSCP-729に接近するために収容プロトコルを破るよう強制するほどに強いものではないと考えられています。しかし、前述の衝動を感じた職員はSCP-729の周辺から離れることを推奨します。
説明: SCP-729は大理石から掘り出された大型の浴槽です。本アイテムの特性は、██、████████で起きた無理心中の疑惑が持たれる事件を警察が再現した際、偶然に発見されました。その後まもなく財団の覆面エージェントによって回収が行われました。
SCP-729に入浴した人物は非常にリラックスできたと話し、第三者に勧められない限り浴槽から離れません。彼らが自発的に浴槽から出ることはありません。SCP-729の第一の影響は、人間が入浴を始めた5~15分後に表れ始めます。この段階であらゆる異物や異常な体組織が入浴者の体から強制的に放出させられます。これには人工移植片、寄生生物、がん性腫瘍や[データ抹消]が含まれることが観察によって判明しています。SCP-729の影響下にある間、入浴者はこのプロセスを感知しないと見られています。外部の力によって入浴を邪魔された場合、入浴者はすぐさま肉体に負った外傷と一致した激しい痛みを経験します。このような方法で取り除かれた物体は入浴者のそばに沈殿します。
SCP729の影響が最初に発現してからおよそ4分後、入浴者の筋肉組織が急速な減少を始めます。この時失われた組織は浴槽の内部で水と混ざり合って現れます。この結果、入浴者は急速に筋力を失います。たとえSCP-729を傾けたとしても自力では出られなくなり、外へ出るためには必ず外部の監視員の介助が必要となります。それから6分以内にこのプロセスは主要臓器に影響を及ぼし始め、肉体にほぼ傷を付けることなく摘出します。これにより、ほとんどの入浴者は間もなく死に至ります。このようにして大量の外傷を負っているにも関わらず、第三者によってそれを知らされない限り、入浴者は影響を感知しません。
入浴者の肉体はSCP-729の影響が発現してからおおよそ20分以内に完全に分解されます。この段階において、浴槽内に溜まった水と有機物の混合液から特定の臓器を取り出すことが可能です。しかし、これらの臓器はほとんどが多少の損傷を受けています。臓器をSCP-729内に残した場合、臓器はさらに分解されます。5時間後、形状を確認できる臓器はなくなり、SCP-729の内部は有機物の『スープ』で満たされます。長期の実験によってこの液体がSCP-729にゆっくりと吸収されているらしいことが判明し、8日間が経過した時点で清浄な水だけが浴槽内に残りました。SCP-729の彫刻が施されている石材の部分にその後変色が見られました。