SCP-7309
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アイテム番号:
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
説明:










あれ

ファイルどこ行った

ファイルどうなってんのこれ





うそ

補遺7309-1: えこれクビになるやつ

よしアビゲイル落ち着けきっとなんとかなる大丈夫大丈夫

えぅ、あーー多分ファイルどうなったか見られたらどうせ終わりだからせめて今んとこはこれ使って自分の考え記録しといた方がいいかな

すごい変なんだけど。ちょうど説明を直してたとこだった(何のことか理解するのに無限に時間かかった。直す部分はそのままにしとく部分ほどわけわからんくはないみたいだけど。この辺の研究員ほんとにみんなこんなめちゃくちゃな用語集持ち歩かんでもこの言葉の意味半分でもわかるの? ただーし、1972年かそこらにこの文字打った可哀想な人は「恐怖の感覚を誘発する」じゃなくて「恐怖を誘発する」って書いてた。こんなのはもうめっちゃ許されん。らしい)。

話脱線した。それで説明やってたんだけどいきなり変更を保存するかってポップアップ的なのが出てきた。ポップアップでやれって言うなんて何でこんな時代遅れのシステムなんだろって思ったけどまあ、保存することにした。ただ保存を押しかけたその瞬間手が滑ってキャンセルを押しちゃった。そしたらなんか知らんけど、キャンセルを押したら全部削除されるみたい。私が変更したとこだけじゃなくて。全部消えた。

ああクソ。この仕事手に入れたばっかだったのに。ゼイナさんは死ぬほど簡単だからこの任務くれたんだろうに。あの人とホーダスさんは私がほんとに時間を割く価値があるかそれともあのバスで起きたことはまぐれだったか確かめたがってる。で、今は後者だと証明しかけ段階。きっと私の記憶を消して追い出して、私は今までで最高の仕事を失う。いうまでもなく、この7309は数時間でこのサイトから10キロ以内を全滅させるだろうしそれは全部私の責任になる。

どっちにしてもその頃には記憶消されてるだろうから知ったこっちゃない。叫びたいけど誰にも言えない。人生オワタ

補遺7309-2: そろそろ落ち着けよ

昨夜はあんま寝れんかった。新しい宿舎はすげーいいんだけどね! 18日以降は覚えてないだろうからだろうからまだ良かった。恋しく思わんくて済む。

めちゃめちゃに疲れてる。目覚めてからずっと自分が存在してないみたい。今夜はしっかり寝よう。こんな睡眠不足だと事態を収拾するとかそれどころの話じゃない。

今日は記憶をフルで絞って正確なscp-7309ファイル再現しようとした。まあ当然できるわけもなく。手順ナンバーズ-ペインキラーの全ステップ覚えるなんて多分円周率の記憶世界記録破るより無理ゲー。現実錨をどういう設定に調整すればいいか忘れてることに気付いて放り捨てた。もっと寝てたら手順再現できるかと言われればそんなことないけど。ただ20分のビデオエッセイを4本分早く諦めることはできてたと思う。

今日一つはっきりした。これ全部を一人で回復しようとするのは無知な一般人に戻る片道切符だってこと。明日は勇気を出してゼイナさんにペインキラーについて知ってる人がいないか聞いてみることにする。この手順50年近くやられてないから無理筋だけど、やってみないと。

補遺7309-3: 計画通りにはいかんかった

まあ、やるって言ったことはやった。ゼイナさんのオフィスに突撃して昨日からずっと頭の中ぐるぐるさせてたシナリオを完璧に再現するっていつもの私らしくヤベーくらいのモチベで目を覚ましたわけだけど、結局ビビっちゃって正午ぐらいになってやっと行けた。でも確かにやり遂げた! 昨夜はバカ疲れてたから赤ちゃんばりにぐっすりだったわけだけど、そのお陰で調子はどうかって聞かれたとき政治家ばりに適当ほざけた。

他にこの手順に詳しい人いるかって聞いたらゼイナさんすごい困惑してた。「わからないんですけど、どうして説明する人が要るんです? そこにファイルあるじゃない!」そう言われて、冷静でいるのにかなりエネルギー使った。えっと、ファイルってのはthesaurus.com1の所有者が多分たった一人で6桁項目作ったやつとかの話ですか、って。でもなんだかんだあって、最終的にベニーって人の名前教えてくれた。彼はサイトの収容スペシャリストで、ペインキラーについて知ってる可能性のある人といえば彼くらいだって言ってた。

お礼言ってできるだけ早く離れた。怪しさ満点だったけど向こうはそんな気にしてなかったと思う。ベニーさんのオフィス行って、自己紹介して、うんたらかんたら。ペインキラーについて聞いたら、手順の説明を受けたことを確かに覚えてるって言われた。それ聞いてかなり安心して、爆速でメモ帳引っ張り出しすぎてベニーさんにぶつけそうになった。覚えてることを一つ残らず教えてほしいって、ほぼ叫び声あげた。

…そしたら、ほぼ何も覚えてないって言われた。説明を受けたのは20年近く前で、もう一回ファイル見れれば一通りの要約はたぶん説明できるとのこと。

その場で何かをブッ壊さずに済んだのは、そんなことしたら完全にモロバレになるってことだけだった。そこで代わりに、用語集から思い出せる限りのことを読み上げて、自信満々に「認識災害エージェントで破損しててファイル見れません」って言った。

間違いだった。めっっっっちゃ間違いだった。ベニーさんは激怒した。「待て、自分の割り当てられたファイルがもう何日も異常な影響を受けてたのに、やっと今になってそういう異常な影響を収容するのがまさに仕事な相手にそれを伝えようって思ったのか!? 今!? 明日一番にそのファイル確認する。」午後10時じゃなかったら、間違いなく即確認に来られてた。だから今回は、タラタラやってて結果オーライだったと思う。

どうしよこれ。いつもなら後20分くらいで寝るんだけど、今夜はもうその必要ない。明日は病気のフリしようと思う。実際ストレスでリアルに病みそうだからフリする必要すらないかも。

どうやってこの状況から抜け出せばいいのかわかんない。ベニーさんブチギレてた。ゼイナさんも警告してきた。サイト-48は基本彼が関わってる限りベニーさん中心の家族みたいなもんで、誰かがアノマリーにやられたらそれは彼の責任になっちゃうって。多分これ、その「家族」が間違えて世界を滅ぼす破滅の悪魔を食い止める方法が唯一記録されたファイルをうっかり削除したせいで何日もさぼってたなんて知れたら、遺言状からそいつの名前がはじかれるって意味でもあるかな。

正直自分でもそれが当然だと思う。

補遺7309-4: これ書き出せばパニック発作収まるといいんだけど

過去18時間の要約2

  • 寝れてない(知ってた)
  • 時間感覚なくなってたから朝9時にドアノックされたとき完全に不意をつかれた
  • ベニーさんがドア開ける瞬間即ベッドに飛び込んでできるだけ病気のフリした
  • 「うーん… すいませんベニーさん体弱り過ぎてベッド出れません… 明日にしてもらえます?」
  • ベニーさんはそれが「認識災害」だと思ったけど、私は違うって断言した
  • 最終的にわかってくれて、自分で起きれるようになったらいつでも行けると言われた
  • ベッドから出て「3メートルの寝室を歩き回った最長時間」の世界記録に挑戦しようと思ったけど寝ちゃった
  • 起きた
  • 今日が5月16日だって気付いた つまりベニーさんに明日捕まらなきゃ明後日ゼイナさんに捕まる
  • さっき書いたパニック発作

これ以上は引き延ばせない。もう意味ない。ベニーさんは明日このファイル見て、すぐゼイナさんに教えて、気が付けばアビゲイル・スピルマンなんて人物はscp財団に存在しなくなってる。いや、よくよく考えたらdクラスとして取っておくかも。緊急収容手順を策定してる間に、私はscp-7309を満足させとくための尊い犠牲になるんだ。怒ることもできない。

心配かけてすいませんベニーさん。












































「怒ってないんですか?」

「何で怒るんだ? 俺は上司だよ。データベースの秘密の精神呪術的なのにかかってなかったみたいで安心してるよ」

「ありがとうございます、と言えばいいでしょうか。正直まだ怒鳴られても仕方ないと思います。まあはい、技術的な方では私は大丈夫でしたが、結局例の怪物は31日に目覚めてみんなを生きたまま食べてしまうんです」

「いや、そうはならない。元のSCP-7309ファイルを一言一句知ってる人を偶然知っててね」

「えっ、なんですか? 誰?」

「あぁ、彼は『ページリビジョンを閲覧する』と呼ばれている。いい奴だよ」

「ベニーさん、ほんとに私がそれ試してないと思ってんですか? 全部全部チェックして、この狂気のSCPエディタは保存ボタンすらないんです! 私の任務の半分は新しいファイルをこのアホみたいに時代遅れのソフトウェアから今のSCiPNETシステムにアップロードすることで-」

「冗談だよ、落ち着いて。考えてみよう。自分が70年代の研究員で、収容せずにいたら世界を滅ぼしかねない強力な悪魔についての文書を書き終えたとしよう。集めた情報は次世代にとってかなり重要になる。それに技術が急速に進んでるわけだから、出来立てのSCiPNETに早速ファイルのデジタルコピーを作成しようと考えるわけで……」

"…"

"…"

「マジですか」

「アーカイブは1階にあるよ。あと、またうっかり削除しちゃった言い訳が必要になったら、いつでもデジタル情報捕食者-592-GBLNのせいにしていい。あいつずっとファイル食い荒らしてるから」



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