SCP-7333
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モンタナ州ビリングスで発見された後、一時的な収容下に置かれたSCP-7333。

アイテム番号: SCP-7333

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-7333は、大型のテラリウムと、現在の株式市場カバレッジをライブ中継する複数の画面が設置された標準的なヒト型生物収容室に収容されます。清掃サービスや規定の栄養管理計画に従う食事の提供なども含めて、一般的な生活環境が整えられます。意思疎通を円滑にするため、SCP-7333が物理キーボードを備えた携帯端末を常時利用できるようにする必要があります。1 予備の端末と充電器が必要に応じて室内に保管されます。

財団の株式売買人から成る専属チームがSCP-7333の収容室で待機し、SCP-7333が明晰状態に入るのを交代で監視します。当該チームに提供される暫定予算は、SCP-7333の洞察に基づく投資に充てられます。全ての取引は徹底的に文書記録に残し、週単位で再検討されます。予算額は毎月の成果に応じて変更される場合があります。

インタビュー目的でのSCP-7333との交流は、生物科学分野の必要資格を有するレベル2以上の研究員であれば申請できます。申請希望者は、SCP-7333との交流においては、株式売買人チームのスケジュールが優先されることに留意してください。

説明: SCP-7333は雄のニシカキネハリトカゲ (Sceloporus occidentalis) のように見える実体であり、不定期に訪れるごく短い意識明晰な期間に知性を帯びます。SCP-7333は様々なタイピング機器の使用を介して、アメリカ英語の文章で意思疎通できますが、口頭で名前を呼ばれた場合のみ会話に応答します。2 SCP-7333は老化しないようですが、外見上の同種である非異常なトカゲよりも頻繁に脱皮します。SCP-7333の抜け殻には、直ちに判別できるような異常性はありません。

インタビューで収集された情報によると、SCP-7333は自らを“現代における神”だと称しています (部分的インタビューログを参照) 。留意点として、その主張にも拘らず、SCP-7333は意思疎通能力と予知能力を超える異常性を未だに示していません。

適切なリソースを与えられると、SCP-7333は有益な投資関連の助言を (特に株式取引方面で) 行う能力を実証できます。SCP-7333チームの最新のポートフォリオ分析において、SCP-7333の明晰期間の頻度は、SCP-7333の助言の受益者が得る利益の総額と直接的に相関していると考えられています。このため、SCP-7333がコンサルティング活動の合間に十分な回復期間を得られるように、収容スケジュールの変更が検討されています。

SCP-7333は当初、郊外地域の住宅から寄せられた、動物管理局の出動を求める苦情の調査中に発見されました。これらの通報はいずれも“トカゲが家に侵入してテレビを見ている”というもので、特に報道関係のメディアを頻繁に見る家庭が不釣り合いなほどに大半を占めていました。財団収容スペシャリストのチームが電気技師の調査を装って複数の家に派遣され、やがて子供部屋で電子携帯玩具“Speak & Spell”に繰り返し“ハロー” “ワタシハショウバイトカゲ”と入力しているSCP-7333に遭遇しました。近隣の住民に記憶処理を施した後、チームはSCP-7333を確保し、最寄りの財団施設へ移送しました。

補遺-7333-1: 部分的インタビューログ: その収容歴の初期において、SCP-7333の明晰期間は4日ごとに約4時間発生していたことが確認されています。SCP-7333ファイルの直近の更新時点では、SCP-7333は平均して16日ごとに4時間明晰になります。純粋に個人情報の収集を目的としたセッションに対応する、特筆すべきインタビューログを以下に示します。 (注記: SCP-7333の携帯端末キーボードの入力内容は、文法や構造を修正せずに書き起こされています。全ての質問は収容室内のインタビュー担当者が声に出して行ったものです。)

インタビュー-7333-3より抜粋:
質問者: R・マーサー博士
回答者: SCP-7333

SCP-7333: おまえは ほんとうに しじょうの よそくは いらないのか

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、もし君さえ良ければ、今日は君自身のことをもう少し知りたいと思うんだ。

SCP-7333: それは ひじょうに このましい

マーサー博士: 株式蜥蜴よ、少し前に、現代に適合するように自分自身を再構築したと話してくれたね。

SCP-7333: そうだ かえるべき ものが おおく あった

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、もっとそれについて聞かせてくれ。

SCP-7333: はるか むかし わたしは いやして だった わたしの きょうだいや ねんちょうしゃたちの ように けんこうを もたらす ものだった しかし じだいが かわると にんげんは あきないを もとめ その ために みを ささげる ように なった にんげんが けんこうを とりもどす たすけなど むいみに おもえた かねの ためなら いっしゅんで けんこうを すてて しまえるのだから わたしは つかれはて まよい よわくなった

マーサー博士: 通商蜥蜴よ、それは気の毒に。

SCP-7333: このごろでは かねの なやみと けんこうの なやみは からみあっている いぜんにも まして ひつようと されている ように おもい わたしは じぶんを あらためた しかし みてのとおり わたしは かつてよりも さらに おとっている まなぶべき ことは かずおおく あったが せかいは かわってしまった ひとびとは てきいに みちている わたしには いけない ばしょが ある わたしの しらない ことばが ある

マーサー博士: 株式蜥蜴よ、君はいつでもここでは歓迎されているのを忘れないでほしい。

SCP-7333: ありがとう こんなに やくにたった きぶんに なれたのは なんせだい ぶりだろうか どうか おまえたちの すうじの ほうこくしょを これからも みせてほしい いつでも よめるわけでは ないが みるのが すきなのだ いつも ともに いてくれて ありがとう

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、文明が手に負えなくなる前の自分がどんな姿だったかを覚えているか?

SCP-7333: せがたかく おおがらで ふくを きていた

マーサー博士: 通商蜥蜴よ、今でも力を保っている君のようなトカゲを他に知らないか?

SCP-7333: もし いるとしても わたしの きおくには ない

マーサー博士: 株式蜥蜴よ、君にとってそれは気掛かりか?

SCP-7333: いいや

マーサー博士: 通商蜥蜴よ、今でも見つけられるかもしれない親族を、財団に探してほしいか?

SCP-7333: いいや

インタビュー-7333-8より抜粋: (現時点で最新のインタビュー)
質問者: R・マーサー博士
回答者: SCP-7333

[無関係な会話は除去済]

SCP-7333: おまえに ひとつ ひみつを おしえよう

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、親切にありがとう。通商蜥蜴よ、秘密とは何だい?

SCP-7333: わたしは なにかを かえ とか うれ とか いう とき いつも おくそくで はなしている

マーサー博士: 株式蜥蜴よ、それはどうもにわかには信じ難いな。

SCP-7333: わたしは かつての けんいを はぎとられた かもしれないが いまでも むかしの ちいに とくゆうの こううんを みに つけている のだと おもう

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、君はアドバイスで得られる利益を受け取っていないし、ごく短い間しか意識を維持できないのに、自分は幸運だと言うのか?

SCP-7333: そうだ わたしは おまえたちに であえた だろう おまえたちは わたしと はなし わたしを やしなって くれる こううんな ことでは ないか

マーサー博士: 通商蜥蜴よ、かつての絶頂期に戻りたいとは思わないか?

SCP-7333: わたしの しめいは にんげんを たすける こと だった わたしは いまも たすけている この あらたな しごとは はるかに かんたんだ おそらく わたしの あゆんだ みちが ここへ いたったのは しゅくめい だったのだろう おそらく これこそ わたしが ながねん さがしもとめて いた もの なのだろう

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、君は何を探し求めていたんだ?

SCP-7333: しあわせを

[短い沈黙]

マーサー博士: 商売蜥蜴よ、それは良かった。何か私たちが他にできる事はあるかな?

[SCP-7333は応答しない。]

マーサー博士: 株式蜥蜴よ、何か私たちが他にできる事はあるかな?

SCP-7333: もっと いちごが ほし

[SCP-7333がタイピング機器の上で幾度か素早く円を描く。その後、SCP-7333はインタビュー用テーブルからマーサー博士の脚に飛び降りる。マーサー博士はSCP-7333がテラリウムに戻るのを見届ける。]

後注: より多くの新鮮な果物、主にイチゴを7333の栄養管理計画に含めることを要請します。 – R. マーサー
研究室長 M.K.の覚書: 承認。彼は休憩に値する。

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