財団記録・情報保安管理局より通達
SCP-7363は、RAISA職員がシステム内で発見した複数の報告書の集約ファイルです。このため、一部の詳細情報は一貫していない可能性があり、適切な記録が確立されるまでオブジェクトクラス Skótos1 が割り当てられます。
— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ
記録1: 2022/04/13 に [アカウント破損] が 提出
説明の提案: SCP-7363はノースカロライナ州沖合のアウター・バンクスにある1棟の温室、64株の異常に巨大な植物、1棟の2階建て家屋の総称です。枯死した植物標本の内部から発見された消化組織の初期試験に基づいて、SCP-7363を構成する植物の大多数は肉食性であり、中型の獲物を摂食する能力があると考えられています。SCP-7363とその巨大植物相は当初、地所のガスメーターの定期点検に訪れた地方自治体職員によって発見され、その大きさからローリーのノースカロライナ州立大学に報告されました。
生体標本の消化液のサンプルは2022年5月12日に採取予定です。 – 提出者: オードリー・グリーン
記録2: 2022/06/22 に [アカウント破損] が 提出
説明の提案: SCP-7363はノースカロライナ州にある個人所有の広い温室で発見された食肉植物群です。SCP-7363が存在する不動産の所有者は、あらゆる記録において確認できません。このため、将来の占有を防ぐために、SCP-7363を収容している地所全体が財団資産によって買収・封鎖されています。
SCP-7363を構成する植物群は、口語的に“嚢状葉植物”と呼ばれる様々な科に属しており、財団に所属する植物学者は、これらが現在の大きさに成長するまでには大型の獲物 – 最大で成人ほどの大きさ – を散発的に摂食する必要があったはずだと推定しています。しかしながら、同地域にはこれまで不審なものとフラグ付けされた行方不明者の記録は存在せず、その大きさの要因は現在まで謎に包まれています。分類のために狩猟戦略、過去の獲物の痕跡、遺伝子を特定する実験は7月半ばに予定されています。 – 提出者: パトリック・デントン
記録3: 2022/09/01 に [アカウント破損] が 提出
説明の提案: SCP-7363はノースカロライナ州に位置する土地で、老朽化した小さな家屋と、その裏庭にある中規模の温室を擁しています。冷蔵庫で発見された牛乳カートンの消費期限から、SCP-7363地所の家屋には2022年1月頃まで何者かが居住していた形跡がありますが、そのような人物はいかなる公記録からも特定できていません。家屋周辺で発見された記録は、かつての所有者が有知性植物、ダエーワ神話、ミーム毒素に強い関心を持つ有能な超常植物学者だったことを示しています。そのような記録の1つに、執務室で発見された、“ヴィンセント・マーティン博士”に宛てられた額入りの博士号証書があります。
執務室で発見された覚え書きを基に、マーティン博士は、特に危険度の高い要注意団体が統制する空間への侵入任務に従事する財団工作員に使用させる目的で、ある種のミーム毒素の発見に取り組んでいたと考えられています。財団の化学者はノートに残された生体分子のスケッチを調査しており、マーティン博士が目指していたのは、個人の存在を完全かつ遡及的に消去し、当該人物が存在した痕跡を全く残さないことで、潜入任務中に死亡した職員が注目を集めないようにする植物由来毒素の生成だったと想定しています。残念ながら、最終目標とされる毒素は一見すると設計可能である反面、実用的なサンプルはSCP-7363から回収されませんでした。更なる分析及び将来の合成のために、覚え書きは科学部門の化学者たちの下へ送られました。
SCP-7363の裏手にある温室の調査は9月9日に予定されています。 – 提出者: シーモア・ウィルキンソン
記録4: 2023/01/10 に gro.tenPiCS|kinhsuMNE#gro.tenPiCS|kinhsuMNE が 提出
説明の提案: SCP-7363はノースカロライナ州に位置する住宅であり、敷地内の各所に財団の記章が描かれています。家の裏手には、多様な異常植物種を収容する温室が併設されています。この温室内の植物種はウツボカズラ属、サラセニア科、フクロユキノシタ科、及びモウセンゴケ属に該当する未特定の大型変種だと考えられていますが、より正式な分類学的同定はサイト-103職員による調査待ちです。
特筆すべき点として、既知の職員と対応しない数枚の財団IDカードが、1株の枯死したウツボカズラ属植物の嚢状葉の中で発見されました。上席植物学者 オードリー・グリーン博士、次席分類学者 パトリック・デントン、上席研究員 シーモア・ウィルキンソン博士、及びサイト-103主任研究員 ヴィンセント・マーティン博士の身元が特定されるまで、更なる実験は保留されています。
臨時特別収容プロトコル: 更なる実験が完了するまで、SCP-7363は民間人及びクリアランスレベル4以下の財団職員に対して封鎖されます。全ての財団記章を除去し、地所は少なくとも1名の専属エージェントが居住しているように偽装されます。
SCP-7363担当収容チームの追加要請: 今後の実験のために幾つか新しい用具を提供してください。現在奥の隅に立て掛けられている梯子がやや滑りやすく、不安定だと気付きました。実験が始まる前から誰かが転落するようなことがあってはいけません。よろしくお願いします! – エレン・ムシュニク博士