SCP-7400

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アイテム番号: 7400
レベル4
収容クラス:
apollyon
副次クラス:
none
撹乱クラス:
amida
リスククラス:
danger

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ライアン・デアントニオ。SCP-7400による影響を初めて被った既知のリーグ・オブ・レジェンドプレイヤー。

特別収容プロトコル: SCP-7400は現実世界1の一部として見なされており、収容は不可能です。

説明: SCP-7400は、さまざまな機関や集団の法律や規則、行動規範に影響を及ぼす、確率論的な官僚災害です。政府や企業、宗教団体、犯罪組織やその他の機関、そして血縁や友人関係など、明文化の有無に関わらず、その枠組みの中に何かしらの道徳的な規範が存在するグループが影響の対象となります。

影響を受けた規範の下では、人々がMOBA2ゲーム「リーグ・オブ・レジェンドLeague of Legends」をプレイした人間を犯罪者とみなしたり、拒絶したりするようになります。リーグ・オブ・レジェンドをプレイすることに対する処罰はしばしば厳しいものに及び、可能であれば拷問や死刑が適応されます。

SCP-7400は、直接的にリーグ・オブ・レジェンドのプレイヤーを犯罪者扱いするよう作用するわけではないとされています。むしろ、様々な法律や規則が偶然かつ同時に相互作用を起こすことで、リーグ・オブ・レジェンドが意図しない形で非合法となり、プレイヤーが犯罪者となります。このような法律の相互作用は、法律の厳密な性質を踏まえれば、通常は実現不可能に近いにもかかわらず、SCP-7400の影響が認められうる事件を認識するすべての人々は、それまでの法務経験の有無によらず、ゲームプレイの違法性を十分に自覚することになります。また、SCP-7400の影響を受けた人々は、リーグ・オブ・レジェンドのプレイが不道徳なものであると認識するようにもなります。これが人々の思考にSCP-7400が直接作用した結果なのか、それとも単に人々の間に広く浸透した意見であるのかは不明です。

補遺7400-1: 以下は、2010年1月24日、ライアン・デアントニオとジェシー・パークスとの間で行われたテキストチャットにて確認された、SCP-7400の影響が文章化された形で観測された初めての事例です。

これ面白くね

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lolワロタ、おもろ

お前マジでさ

何?

いい加減にしろよ

同じ話何回もしたよな、お前は全部の会話にねじ込まないと気が済まないわけ?

何言ってんだこいつ

とぼけんなよ

問題ないとかそんな悪いもんじゃないとかまだ思ってんだろ

そういう奴の末路は分かってたんじゃないのかよ

お前なら変わってくれるって信じてたんだがな

ジェシー、マジで何の話??

今更利口ぶったっておせーよ

ライアン、お前はあのゲームのせいでイカれちまってんだ

お前最低だよ

どういうこと?

なんかの冗談?

ジェシー?

あなたはこの番号からブロックされました

上記の事象は、それ以前にパークスがリーグ・オブ・レジェンドに依存していたことと、スラング”lol”34を使用したことが根本的な原因だと考えられています。

補遺7400-2: 2010年6月29日、ライアットゲームズ5は新しい社内ガイドラインを発表し、偶然にも従業員によるリーグ・オブ・レジェンドのプレイや言及が禁止されました。これにより大混乱が発生し、ライアットゲームズは急速に規模を縮小しました。その後、同社は採算維持のため当ガイドラインを撤回しました。特筆するべき点として、これはリーグ・オブ・レジェンドへの単なる言及がSCP-7400の影響を受けた最初の事例であったことが挙げられます。

補遺7400-3: 以下は、2010年11月18日、オハイオ州クリーヴランド市において行われたスタンリー・ピーターソンの裁判の記録です。SCP-7400の法律への影響が、文章化された形として初めて観測されました。

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ラッセル・ベケット氏。

[場所は不特定の郡裁判所である。傍聴席からざわめきが聞こえる中、裁判長が法壇の後ろから入室する。裁判長は席につくと小槌を叩く。]

裁判長: これより、スタンリー・ピーターソン氏の裁判を開廷します。

[傍聴席は静まり返る。]

裁判長: 検察側、準備はできていますか?

検察官: 準備完了しております。

裁判長: 弁護側、準備はできていますか?

弁護士: 準備完了しております。

[関連性のない記録を省略。]

裁判長: よろしい。では、検察側は最初の証人を喚問してください。

検察官: ありがとうございます。それでは、検察はラッセル・ベケット氏を証人としてお呼びします。

[傍聴席にいた一人の男が立ち上がる。男はゆっくりと証言台に向かうと、正面に向き直る。]

裁判長: 証人は、自分の名前を宣言してください。

ラッセル・ベケット: 私はラッセル・ベケットです。市庁舎でアソシエイト・プランナー6として働いております。

検察官: ベケットさん、あなたもご承知の通り、ピーターソン被告の関与が疑われる本事件は、7月8日の18時42分ごろに発生しました。その時間、あなたは何をしていましたか?

[ラッセルは返事をためらうようなしぐさをする。]

ラッセル・ベケット: えー……え、と……あー……それは……事件に関係ある質問なんでしょうか?

裁判長: ベケットさん、あなたのプライバシーが大事であるということは理解しています。しかし、この質問は裁判を進めるうえで非常に重要なものであるとご理解いただきたい。答えたくなければ答える必要はありませんが、このことは心に留めておいてください。

[ラッセルはため息をつくと、気を取り直して再び話し始める。]

ラッセル・ベケット: わかりました。私は――

[ラッセルは一瞬言葉を止めて咳払いをする。]

ラッセル・ベケット: リーグ・オブ・レジェンドをしておりました。

[傍聴席は再び騒然となる。傍聴人の多くが証人に敵意を向け始めるのと相まって、やがて半狂乱の叫び声や大混乱へとエスカレートしていく。騒ぎの中、小槌を打つ音が聞こえる。]

裁判長: 死刑。

[法廷の扉が突然大きく開かれると、重装備の看守に続いて複数人の廷吏が法廷に入ってくる。廷吏と看守がラッセルにつかみかかる。ラッセルは抵抗するが、やがて制圧される。ラッセルは、廷吏と看守によって法廷からつまみ出される最中、品のない言葉や罵声を叫びながら身動ぎしている。]

ラッセル・ベケット: やめろ!お前ら何のつもりだ!?ありえない!俺には裁判を受ける権利も、弁護人をつける権利もあるんだぞ!

[ラッセルは検察官の方へ向き直る。検察官はすぐに顔をそむけ、ラッセルを無視する。]

ラッセル・ベケット: こんなのはおかしい!俺にはリーグ・オブ・レジェンドをやる権利があるんだ!

[廷吏によって法廷から完全に追い出されると、ラッセルの叫び声は聞こえなくなる。]

ラッセルが有罪判決を受けたのは、複数の条例、州法、連邦法、そして地域における慣習が作用したことによるものです。具体的な要因としては(これが全てではありませんが)、クリーヴランド市において最近制定されたゲーム時間とゲーム内での行動を制限する法律、オハイオ州におけるヘイトスピーチ規制の法律、またクリーヴランド市民によるオンライン対戦ゲームへの強い反感などが挙げられます。

補遺7400-4: 2014年10月16日、ノースカロライナ大学においてワインシュタイン氏による報告書が発表され、同大学関係者の多くがまん延した学歴詐称に関与していることが明らかとなりました。特に重要なこととして、同大学のホールデン・ソープ学長が、大学公認のリーグ・オブ・レジェンドクラブの設立を内密に認可していたことが公表されました。このニュースは州全域からの反発を呼び、大学側は以下のような声明をTwitter上で発表しました。



UNC-Chapel Hill
@UNC



この度は、弊学法務部の不手際について、心からお詫び申し上げます。ここにリーグ・オブ・レジェンドクラブを解散し、同クラブ会員の奨学金を取り消すことをご報告いたします。

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17:11 ・ 2014/10/15

リーグ・オブ・レジェンドクラブの元会員は裁判にかけられ、全員の死刑が執行されました。

補遺7400-5: 2015年3月9日、ライアン・デアントニオ(補遺7400-1を参照) は住居および所持品をすべて失った後、リーグ・オブ・レジェンドに以前関与したことがあるとして、所属不明の捜査官によって逮捕され、身柄を拘束されました。

[23時30分頃、アイダホ州モスコーの街頭の監視カメラによって撮影された映像。デアントニオが交差点の角の大きな箱の中に座り、段ボール製の看板を持っているのが見える。]

[数分の間に、彼の前を数人が横切る。その後、彼の目の前に車が停まり、四人の連邦捜査官が出てくる。そのうちの一人がデアントニオをつかみ、座っていた箱の中から彼を追い出す。デアントニオは反撃しようとするが、他の捜査官たちによって取り押さえられる。その間、モゴモゴとした叫び声が聞こえている。]

[四人の捜査官はデアントニオを拘束し手錠をかけると、彼を持ち上げて車内へ運び入れる。数秒間くぐもった悲鳴が聞こえた後、車は走り去る。]

デアントニオのその後の行方は不明です。

補遺7400-6: 国際連合によるサミットの後、国連総会は以下のような先行条約による法律制度の検討の後、リーグ・オブ・レジェンドに関する条約(2022)を採択しました。

  • あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(1965)
  • 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(1979)
  • 障害者の権利に関する条約(2006)
  • 全部又は一部が海上運送による国際物品運送契約に関する国際連合条約(2008)

この条約は、リーグ・オブ・レジェンドのプレイの違法性および不道徳性を完全に認めるものであり、すべてのプレイヤーをテロ活動のメンバーとして定義し、あらゆる必要な手段でプレイヤーを排除する権限をすべての国家に与えました。

補遺7400-7: 2023年5月5日、ダマルング計画の始動によって、財団は死後の世界についての決定的な報告を得ました。

[エージェント・ベルは死後の状態7で、何もない地平に出現する。彼は灰色のローブを着た人々の長い列の隣に立っている。列は一対のアーチへと続いている。]

[エージェント・ベルはアーチへと近づく。アーチの間には、スーツを着た浅黒い肌の禿げ男がひとり立っている。彼の服や体のあちこちには、いくつもの鍵が取り付けられている。右側のアーチは数キロほど離れた未来的な都市へと続く道に通じている。左側のアーチの先には巨大な穴があるが、その底は見えない。]

[人々は一人ずつ男のもとへ近づく。男は一人一人に鍵を差し出して、しばらくした後に右のアーチへと進ませる。ごく稀に、右のアーチをくぐることを許されず、不可視の力によって左のアーチへと進まされ、穴の中へと引きずり込まれる者もいる。]

穴に引きずり込まれた人物を顔認識により分析したところ、彼らはみなリーグ・オブ・レジェンドのアカウントを所有していた故人であることが判明しました。死後の世界とリーグ・オブ・レジェンドとの関係が、広範にどのような神学的な意味を持つのかは不明です。現在、このような死後の審判がどのような教義によるものであるかを解明するため、戦術神学部門によって宗教的な文書の解析が進められています。

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