SCP-743-JP-EX
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SCP-743-JPワーカー

アイテム番号: SCP-743-JP-EX

オブジェクトクラス: Keter Explained

特別収容プロトコル: SCP-743-JP-EXの収容および駆除の試みは不要です(1990/05/01更新)。

説明: SCP-743-JPはインド共和国を中心として南アジア域に生息する、インドクワガタアリ(Harpegnathos saltator)に類似するアリ科昆虫です。SCP-743-JP-EXの形態形質はHarpegnathos属の種と酷似し、分子情報も致死遺伝子の対立遺伝子頻度が高い点を除いてHarpegnathos saltatorとの高い一致を示します。同属他種と異なる明確な特徴としては以下が挙げられます。

  • 各個体の攻撃性が高く、遭遇した動物に対し群体で積極的な攻撃行動を取り、殺害に至る。特に脊椎動物を認識した際の興奮が顕著である。
  • フェロモンの感受性が劣る。すなわち、他のアリ科昆虫と比べコミュニケーション能力が低い。
  • 細胞性免疫に参加する食細胞に乏しく、それを補助する体液性免疫が発達する。
  • オス個体の生殖細胞密度が低く、近縁種の約72.4%以下である。

SCP-743-JPはHarpegnathos属が属するハリアリ亜科と共通して腹端に機能的な刺針を有し、狩りの際には刺針を介して毒液を攻撃対象に注入します。毒液の成分は既知のアリ科昆虫と共通しており、アルカロイドや生理活性アミンに代表される低分子化合物と、ピロスリン様ペプチド(PLP)が大部分を占める高分子化合物の毒素を含有します。各種毒性物質は主に神経伝達の撹乱・阻害を介して対象を昏倒させるほか、各種タンパク質分解酵素の酵素活性により解体の易化を促進します。

攻撃を受けた脊椎動物はSCP-743-JPの群体により持ち去られ、開口部を通じて地中の巣穴へ運搬されます。SCP-743-JPによる死者数はインド共和国において年間約8万人と推定されており、1988年の当該国における行方不明者数の約40%を占めます。

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ユーラシア大陸へのインド亜大陸接近過程。デカン高原は亜大陸中央部、後のヒマラヤ山脈は北縁に位置する。

地質概説: SCP-743-JPの巣はインドのほぼ全域に存在します。巣は特にデカン高原に集中しており、巣周辺の土壌は通常の土壌1と比較してリンとカルシウムおよび炭素に富むことが確認されています。なお、デカン高原よりも北方のヒマラヤ山脈付近にも巣が密集しており、同様の物質の濃集が確認されています。リンとカルシウムは脊椎動物の骨格を形成する主要元素であり、また炭素の濃集は有機物の燃焼を強く示唆します。

また第一次インド・パキスタン戦争以降の財団の発掘調査ではSCP-743-JPと近縁と推定されるアリの生体化石が多数産出しています。アリ化石を多産する層準には高濃度の多環芳香族炭化水素2が含有されることから、生息年代と同時期に発生した生物起源有機物の大規模な燃焼が示唆されます。上下の火山砕屑物のU-Pb年代から平均し、層準の年代は暁新世-始新世温暖化極大(PETM)と一致する約5,500万年前(55Ma)と推定されます。産出層準の層序関係と、アフリカ大陸でSCP-743-JPおよびその化石が確認されていないことから、SCP-743-JPの祖先は当時のゴンドワナ大陸3からインド亜大陸が分裂した後に出現したと考えられています。

研究史: SCP-743-JPはインド周辺地域において古来存在を認識されており、蝗害に次ぐ生物による災厄としてムガル帝国をはじめとする各種王朝の古文書に記録されています。財団および前身組織による発見は19世紀後半を待つことになりました。

1882年、イギリス領インド帝国においてインド陸軍一個小隊4がSCP-743-JPを発見しました。当時大英帝国が運営した鉄道がパンジャブ地域を通る路線にて停車中、乗車していた小隊がSCP-743-JPに襲撃され、運転士を含め行方不明者37名生存者3名の被害が発生しました。当時インドの女帝を兼任していた大英帝国女王ヴィクトリアはSCP-743-JPの討伐を命じ、プロジェクトに参画した超常現象の確保収容に関する王立財団(HMFSCP)もサンプルの確保・研究を担当しました。結果として、SCP-743-JPの地中棲の生態のため、インド陸軍による駆除および王立財団による全個体収容は失敗に終わりました。

その後も被害を受けたインド陸軍は複数回に亘ってSCP-743-JPの駆除作戦を敢行しましたが、いずれも失敗に終わり、度重なる被害と遠征による財政の圧迫に帰結しました。またイギリスによる支配に反発する民衆との軋轢も重なり、帝国内の治安の悪化を招く事態に陥りました。第一次世界大戦終戦後、1919年のアムリットサル事件を契機に反英運動は激化し、SCP-743-JPに消耗したイギリスはやがて対応を財団に委託しました。

第二次世界大戦終戦後にインド共和国はイギリスから独立したものの、インド・パキスタン分離独立やインド・パキスタン戦争に代表される複数の暴動・戦争においてSCP-743-JPによる被害が両勢力に発生し、その都度事態の泥沼化が促進されました。特に、第二次印パ戦争において両陣営に流布されたSCP-743-JPの兵器利用の言説は両者の対立をより深刻化させ、近隣諸国に強い緊張状態をもたらしました。1965/09/23、当該の戦争は世界オカルト連合(GOC)と連携した国連安保理の介入により停戦に至りました。

1972/09/23、SCP-743-JPの巣の近傍において他地域よりも森林火災が多発している可能性が指摘されました。これを受けた財団気象学部門による統計調査の結果、巣の存在と森林火災発生件数との相関関係が採択されました。以降、モンスーン弱化による乾燥化の影響を除去した上でSCP-743-JPの巣との相関が維持されています。巣近傍に分布する土壌における多環芳香族炭化水素・カルシウム濃集との関連が示唆されます。



追記1: 1989/09/29、インド国内の17地点において、小型探査カメラを使用した巣の内部調査の結果が報告されました。SCP-743-JPによりカメラが破壊されるまでの間にSCP-743-JPの行動生態および巣の内部構造の一部が明らかになりました。

直径約3 - 5m高さ約13 - 20mの円筒に近似される巨大空洞を中心に構成される点で、SCP-743-JPの巣は他のアリ科昆虫の巣と異なります。確認された17地点のうち13地点では円筒空洞の基底部に火炎と見られる熱源が存在しており、また残る4地点では腐熟を示す植物が敷き詰められています。ソナーによる探索では基底部に複数本の溝の存在が示唆されており、降雨時の脱水に寄与すると考えられます。

SCP-743-JPの巣は他のアリ科昆虫の巣と比較して通気性に長けます。燃焼のための酸素に富む空気は外部と接続する複数本の気道から供給され、また排煙は複数の蟻塚を伴う異なる気道を介して行われます。すなわち、SCP-743-JPの巣は石炭火力発電所等に採用されるボイラーと同一の原理が成立する構造をなし、生物起源有機物を常時燃焼させています。これは先行研究で発見されていた各種物質の含有・濃縮と整合的であり、燃焼過程がSCP-743-JPにより維持され、またSCP-743-JPに利益をもたらすことが示唆されます。

また観察の結果、SCP-743-JPは収集した獲物のうち脊椎動物と非脊椎動物を区別し、脊椎動物のみ特異的な取り扱いをすることが確認されました。以下は、動物遺骸の確認された利用実態です。

獲物の分類

用途

非脊椎動物

食用。毒液の酵素活性によりタンパク質等は分解され、食肉に適した状態を呈すると考えられる。その他の利用はほぼ確認されていない。

脊椎動物

骨格と軟体部に大別される。大部分の骨格は焼却される。軟体部のうち鱗・体毛などを含む皮膚は切除された後に別所に保管される。脂肪や筋肉等の軟体部の大部分はゲル状に変化した後に別所に保管され、巣内部の潤滑剤・防水剤・洗剤・薬剤・燃料等に類似する用途で用いられる。このうち燃料としての用途が大部分を占める。ゲル化した軟体部は一部の骨格と共に円筒空間に投棄され燃焼されるが、燃焼によって生じる熱エネルギーの用途は不明である。

SCP-743-JPによる火の利用は周辺地域における森林火災の増加および土壌成分の異常を説明可能です。火を伴う脊椎動物遺骸の利用は第二次世界大戦以前の人類による鯨油の利用と酷似しており、SCP-743-JPの疫学・工学等的適応が示唆されます。

上記結果を元に、財団地質学部門はPETMとSCP-743-JPを関連付けた議論を提唱しています。

要旨: SCP-743-JPによる有機物の利用に関する考察


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前期白亜紀から新第三紀中新世までの海底堆積物のδ18O値。LPTM(PETM)における正のスパイクは急激な温暖化を示唆する。

先行研究より、SCP-743-JPの最古の化石記録は55Maまで遡りうることが示唆されている。地球史上における当時の出来事として特筆すべきは暁新世-始新世温暖化極大(PETM)と呼称される急速な温暖化現象である。PETMにおいて熱帯・亜熱帯気候は数千年以下の時間スケールのうちに全球的拡大を遂げたと推定されている。

PETMの要因の一つとして挙げられるのは、浅海域で堆積した莫大な有機堆積物とその酸化である。全球的に海水準が高かった時代には浅海環境が現在の大陸内部まで広く分布し、大量の有機炭素が長期に亘って堆積したと考えられる。特にSCP-743-JPの生息するインドはかつて独立した地塊を形成しており、新生代の間にユーラシア大陸に衝突、古海洋たるテチス海の消失を起こしている。広がっていた浅海域は海底地形の隆起により外洋から隔離され、乾燥した海底堆積物が大気に酸化され二酸化炭素を放出したと考えられた。

当該仮説は大陸移動と急速な温暖化の時間スケールが整合しないことから有力視されてこなかったが、ここでSCP-743-JPの生態の一つである、油資源としての脊椎動物の利用という点に焦点を当てる。全長数mmのSCP-743-JPから見て、10億頭を超える大規模な個体数を有する大型哺乳動物のHomo sapiensは、かつての西洋列強が資源として依存していた鯨油と同等以上の資源プールであると考えられる。過去に報告されていたインドの森林火災は、乾燥に起因する旱魃の影響を差し引いてなお、SCP-743-JPによる鯨油もとい"人油"の燃焼に起因する可能性が高い。

ここにおいて、SCP-743-JPが脊椎動物に対するものと同様の利用を海洋堆積物に対し行っていたと仮定する。この場合、彼らは55Maの時点で化石燃料やそれに相当する資源を何らかに利用していたこととなる。ここで、数千Gtに達する有機物は自然な酸化ではなく燃焼という形で反応するため、熱エネルギーと共に短期間の時間スケールで二酸化炭素が放出される。それは数千年以下という短期間で進行したPETMと整合的である。

海底堆積物からヒトをはじめとする非効率的な動物資源へのシフトは、その理由を各種環境擾乱等に求められると考えられる。莫大な温室効果ガスによる気候変化、窒素酸化物・硫黄酸化物等による大気・土壌汚染、燃料となる海底堆積物の枯渇といった各種選択圧は、その利用法こそ不明であるものの海底有機炭素を直接利用しない個体群の生存を促進した可能性がある。生存した系統はやがて豊富な動物資源への適応を示し、大型脊椎動物の資源利用を開始したと考えられる。

加えて、当該調査時にSCP-743-JPの女王アリおよびそのワーカーの確保に成功しました。回収された当該個体群はサイト-████に収容され、今後はサイト内に再現された巣5を利用し、個体群レベルのサンプルを用いた研究が予定されています。



実験記録743-1 - 日付1989/10/05

対象: SCP-743-JP個体群
 
実施方法: ナツノツヅレサセコオロギ(Velarifictorus grylloides)の死骸を与える。
 
結果: SCP-743-JPのワーカーは死骸を解体し、巣に運搬した。巣内で死骸は完全に摂食され、それ以外の用途は見られなかった。

実験記録743-2 - 日付1989/10/05

対象: SCP-743-JP個体群
 
実施方法: ナツノツヅレサセコオロギの生体を与える。
 
結果: ワーカーはナツノツヅレサセコオロギに大顎と刺針を用いて積極的な攻撃を行い、殺害した。死骸は解体の後に巣に運搬され、完全に摂食された。摂食以外の用途は見られなかった。
 
分析: 節足動物は完全に食料として消費される模様。

実験記録743-10 - 日付1989/10/07

対象: SCP-743-JP個体群
 
実施方法: ハツカネズミ(Mus musculus)の生体を与える。
 
結果: ワーカーの群れはハツカネズミを殺害した。死骸はワーカーに包まれた後に解体され、巣穴に運搬された。肉体は組織ごとに貯蔵・利用され、食料としての利用はほぼ認められなかった。
 
分析: 推測されていた用途と類似するが、燃料としての利用は見られない。他の脊椎動物でも検証の必要あり。

実験記録743-15 - 日付1989/10/08

対象: SCP-743-JP個体群
 
実施方法: 他のオブジェクトの実験で死亡したDクラス職員の遺体を与える。遺体はオブジェクトによる汚染を受けていないことが確認されている。
 
結果: 遺体はワーカーにより解体され、巣穴に運搬された。肉体は組織ごとに貯蔵・利用され、食料としての利用はほぼ認められなかった。
 
分析: ハツカネズミをはじめとする他の脊椎動物と同様の結果に終わった。示唆された火気の利用には条件がまだ不足しているか、あるいは火は天然の要因などに起因しており、SCP-743-JPが能動的に発生させたわけではない可能性がある。
 
備考: これまでの実験記録を通じ、遺体提供時に見られる興奮・攻撃反応が野生下および過去の記録よりも低下する傾向が認められている。

実験記録743-16 - 日付1989/10/11

対象: SCP-743-JP個体群
 
実施方法: 円筒空洞の植物試料に着火し、火気の利用可能な条件を強制的に成立させる。同時に、他のオブジェクトによる汚染を受けていないDクラス職員の遺体を与える。
 
結果: ワーカーは解体したDクラス職員を運搬し、焼却を開始した。燃焼が完全に終了した後も当初予想されていた熱エネルギーの利用は認められなかった。なお、燃焼後の煙を吸引したSCP-743-JPは攻撃性が上昇した。
 
分析: SCP-743-JPを10匹抽出して解剖等の処置実施したところ、神経系においてβ-エンドルフィンやドーパミン様の神経伝達物質の増加が確認された。当該の物質は一般に報酬刺激に関連する快楽物質であり、SCP-743-JPが煙の吸引時に快感を知覚することが示唆される。

燃焼後の気体の成分検査に基づき、実験記録743-16の反応は燃焼時に発生した多環芳香族炭化水素等有害物質の生化学作用に起因すると推測されます。また、SCP-743-JPが天然において有害物質の作用を受けていたと仮定した場合、従来生得的と解釈されていた高い攻撃性は当該物質に起因する後天的な効果の可能性があり、飼育下で見られた攻撃性の低下と整合的です。



追記2: 1989/12/06、SCP-743-JPのオブジェクトクラス変更に関する協議が行われ、O5評議会の決議を以てExplainedに指定されました。以下はO5評議会による議決です。

  • SCP-743-JPは遺伝子型・表現型共に毒液の性質を除いて同属との顕著な差が見られず、この点に異常性が無い。毒液の成分もアリ毒を特徴づける普遍的なものと一致し、非異常の延長線上で説明可能な高濃度性のほかに特筆すべき点がない。
  • SCP-743-JPの巣自体は既知のアリ科昆虫の巣の規模を上回るものの、非異常の力学の下に成立している。また既知のアリ科昆虫・シロアリ目昆虫・ビーバー科哺乳類等にも複雑な構造の巣を形成するもの、および大規模な環境改変をもたらすものが認められている。
  • 異常な手段を用いて火を起こす様子が飼育観察において確認されていない。火は生物発酵や油脂類の酸化に起因する自然発火により発生したと推測され、異常な過程は挟まれていないと考えられる。
  • SCP-743-JPによる火の利用は有害性化学物質の摂取にのみ用いられており、従来想定された熱エネルギーの活用を認められない。相互作用を経た群知能6のみで説明可能であり、超自然的な知能の存在等が示唆されない。

以上を以てSCP-743-JPは解明されたと判断し、Explainedクラスに指定する。

  O5評議会一同

今後、SCP-743-JP-EXの管理および関連する情報統制はパキスタン・イスラム共和国・インド共和国・バングラデシュ人民共和国・ネパール連邦民主共和国・ブータン王国の5ヶ国に移管される予定です。

追記3: 1989/12/24、各国政府機関への移管に関し、複数名のセキュリティクリアランスレベル4職員からの異議申し立てが行われました。申し立ての主張は、「SCP-743-JP-EXによる犠牲者が年間10万人を超過しており、今後もアジア人口の増加が予想される状況下において人道的見地から看過できない」とするものでした。財団倫理委員会とO5評議会は決議を経て当該の申し立てを拒否しました。

監督評議会投票結果概要


承認 棄権 拒否
O5-1
O5-2
O5-3
O5-4
O5-5
O5-6
O5-7
O5-8
O5-9
O5-10
O5-11
O5-12
O5-13

議決
拒否



コメント: かの国には以前足を運んだことがある。数多くの人口と神々に支えられ、大河と山脈、広大な大地を謳歌する国だ。インドの風俗として、サラスヴァティーの女神像は強く興味を惹くものだった。滑らかな腕と指で芸術を奏でる学芸の女神は、ギリシアのムーサの9柱をただ1柱で兼ね備え、私の心を打ったものだ。

財団の理念は異常存在を  理外のものを対象に採る。この営みは遍く驚異を部屋に収めたヴンダーカマーの姉妹と言える。我々は姉妹たるミュージアムと棲み分け、闇と光の中で各々の道を歩み続けた。ムーサの女神は迷える闇を光に誘い、戸惑う光を一層の明るみへと導いた。彼女らの陰に根差す我々は彼女らの代行者となり、いつしか正常性の維持を目指した。陽になれない陰を隠し、彼らが身を明かすその時まで、収容を以て守り続けた。

SCP-743-JP-EXは闇を抜けた。今や彼らはミミズやケラやアメンボと同じだ。彼女らの光に燦燦と照らされる存在だ。陰であり続ける我々は、正常たる世界を侵さぬため、彼らを光の世界へ戻すとを決定した。

万の命が散ろうとも世界は正常に廻り続ける。肉の溶けた老若が紙面を飾ろうと、骨の外れた男女が電波に乗ろうとも、残る億の民草は遠く離れた空気を吸い無関係に朽ちていく。肌を刺され、筋がばらけ、脂が垂れて燃えようとも、そこに理外の存在は現れない。

SCP-743-JP-EXは流行り病と変わらない。交通事故と違わない。洪水も、暴風も、降り注ぐ鉛の雨も、それらは理の内に完結する。蒸気の文明を持たざる者の快楽に変えられようと、小さき者たちに命と矜恃を冒涜されようと  我々は陰を貫徹しよう。

  O5-2

追記4: 1990/05/01、SCP-743-JP-EXの取り扱いは5ヶ国に移管されました。今後SCP-743-JP-EXによる被害はネッタイシマカ(Aedes aegypti)が媒介する各種伝染病やサバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)による蝗害等、既知の生物災害と同列に扱われる見込みです。

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