SCP-746
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SCP-746の確保の試行に失敗した直後の写真。

 
アイテム番号: SCP-746

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-746はサイト-66の標準人型収容室に収容されます。SCP-746の解剖学的構造のために設計された特殊な寝具は快適さのために提供され、3ヶ月ごとに交換されます。

SCP-746を移送する際は、提供済みの杖よりも可動性に優れる適切なサイズの車いすを提供してください。また、コントロールカラーを着用し、3人以上の武装警備員が監視する必要があります。SCP-746とのコミュニケーションを容易にするために、日本語の方言に堪能な財団の翻訳者が出席することになっています。

現在、SCP-746は毎週月曜日、水曜日、金曜日に理学療法を受けながら、カヤ博士と一緒に英語の授業を受けるよう予定されています。

説明: SCP-746は知性のある鳥類のような人型実体で、身長1.3m、体重38kgです。実体の顔は老いているように見え、長さ28cmの深紅のくちばしのような鼻があります。体の大部分は黒いガサガサの羽で覆われており、前腕、肩、首、頭にあるものは最も長くなっています。現在、SCP-746は永続的かつ身体を不自由にさせるような怪我に苦しんでいるため、左脚に財団の医療関係者によって提供された特殊な下肢装具を着用しています(詳細は補遺01を参照)。

SCP-746は確保される前は、機敏で、最大時速11kmで全力疾走することができました。また、回収チームが確保を試みているときにアクロバティックな技術を持っていることも観察されました。現在、SCP-746は非常に遅い速度で動くようになり、歩行の補助として杖が必要になりました。

SCP-746は、背中、肩、首の痛みと関節のこわばりを訴えています。SCP-746のX線写真にはいくつかの疲労骨折が確認されました。理学療法はこれらに効果的であることが示されています。これらの怪我は初期の確保の時点で負ったものです。

SCP-746は従順ですが、インタビュー中や収容前にややいたずらを好む様子を見せています。しかし、健康状態のため、実際にいたずらを実行することはできず、収容の妨げとは見なされていません。

SCP-746はいくつかの日本語の方言に堪能であり、わずかに英語の知識があることが明らかになっています。SCP-746は英語を上達させようとする意欲を示しており、これまでのところ、提供された授業で大幅にSCP-746の英語力は上達しています。SCP-746によると、アメリカ人観光客が話しているのに出会ったときに英語の知識を得て、魅了された、とのことです。

SCP-746の食事は主に海産物と野菜の葉で構成されています。

SCP-746の存在は、██/4/23に日本の東京での記録に録られた未知の実体によるいたずらの報告によって財団の注目を集めました。2人のエージェントが調査のために派遣され、SCP-746に遭遇しました。SCP-746は、確保に成功するまでの2週間、捕獲の手を避け続けていました。

補遺 01: SCP-746は日本の京都市で20██/5/1に無事に確保されました。SCP-746は街中のSCP-████実例によって追跡されていて、近くの回収チームの注目を即座に集めました。SCP-████実例はSCP-746に追いつき、その拳を振り、SCP-746を壁に投げつけ、車、そして地面に落としました。その後、SCP-746が這い出そうとしたときに、SCP-████実例はその棍棒でSCP-746の左脚を押しつぶしました。収容に割り当てられた機動部隊ニュー-32("ピーチボーイズ")のエージェントがSCP-████実例の気をそらすと同時に、他のエージェントがSCP-746を救出することで、辛うじてSCP-746の保護に成功しました。インシデントの詳細については、インシデントレポート████-746-Aを参照してください。以下は事件に関するSCP-746へのインタビューです。

対象: SCP-746
 
インタビュアー: レンフィールド博士
 
付記: このインタビューは、もともと東京の方言で行われ、英語に翻訳されたものです。
 
<録音開始>
 
レンフィールド博士: こんにちは、SCP-746。調子はいいですか?
 
SCP-746: [英語で] うむ、痛みは少しマシだ。
 
レンフィールド博士: あなたの英語は前回よりも格段に上達していますね。それはそうと、あなたにいくつか質問をしに来ました。
 
SCP-746: もちろん、構わないとも。何について聞きたいんだ?
 
レンフィールド博士: なぜ、京都でSCP-████実例があなたを追いかけていたか教えてくれませんか?
 
SCP-746: [笑い始める]
 
レンフィールド博士: あー、746?
 
SCP-746: [笑いやむ] あぁ、鬼のことかね?ふむ、儂はそやつが森の木の下に座っていたのを見かけて声をかけたんだ。そやつが間抜けな奴で腹が減っていたということにすぐ気が付いて、これは悪戯をするいい機会だと思ったんだ。
 
レンフィールド博士: どのような悪戯ですか?
 
SCP-746: ふふふ… [ほくそ笑む] あやつを騙して糞を食べさせたんだ。 [笑い声]
 
レンフィールド博士: それは… 気持ち悪いですね。
 
SCP-746: 儂が700年生きてきた中で、こんなに間抜けな鬼は初めて見た!糞からは湯気が立っていて、あの阿呆に、これはかりんとう1だと言ったんだ。
 
レンフィールド博士: [息を詰まらす] とすると、次に起こったのは、それは怒り始めた、と考えられますが?
 
SCP-746: うむ、まさにその通りだ。あの大きな獣は激怒したんだ!おぉ、その顔を見てみろ。それから立ち上がって棍棒を振ったけれども、儂には当てれなかったな。儂が疾風のごとく走っていると、後ろからあの野獣の咆哮と木々がなぎ倒される音が聞こえてきた。
 
逃げている最中に池に出くわして、儂は枝から池の向こう側に跳んだんだ。するとすぐにあの莫迦が落ちた水飛沫の音が聞こえた。考えてみると、あそこは河童の一家の家だったと思う。はっきりと叫び声は聞こえたが、何と言っていたかまでは分からなかったな。鬼が来ていて立ち止まる暇もなかった。
 
まぁ、兎に角、あやつが追いつきそうだったから、儂はあやつの周りをぐるぐる回ってふらふらにしてやることにしたんだ。あの間抜けは儂に当てようとありとあらゆる方向に棍棒を振り回していたな。まぁ、いくつかは全くおしくもなかったがな! [笑う] もしかしたらあやつの濡れた髪が目に入っていたのかもしれないが、それでも面白かったな。
 
レンフィールド博士: でも心配してなかったのですか?
 
SCP-746: 儂が?どうして?儂はその時最高に楽しかった!興奮したな。
 
レンフィールド博士: わかりました、続けてください。
 
SCP-746: どこまで話したかな?おぉ、そうだった。鬼は十分ふらふらしているようだったから、儂はまたあやつから逃げることにした。儂は町のそばにいて、撒いたと思ったところであやつの咆哮がまた聞こえた。あやつは疲れはじめていて、儂は町で絶対に撒けると思った。
 
儂が路地や屋根の上を行くとき、電線や建物が鬼の動きを遅くしてくれた。間たちは鬼を見て悲鳴を上げていたが、儂のせいではない。あやつは馬鹿なだけでなく醜くもあったからな。[笑う] 話の続きはあなた方が知っている通りだ。して、あのあと鬼はどうなったんだ?
 
レンフィールド博士: なぜあなたが聞くのですか?
 
SCP-746: 儂は痛みと衝撃でいっぱいいっぱいだったからな。ちょうど不思議に思っていてね。
 
レンフィールド博士: 無力化しました。それだけです。
 
SCP-746: おぉ、そうか。わかった。さて、儂はここしばらくで最も楽しい時間を過ごせた。必ずあやつに本物のかりんとうをやってくれ。[くすくす笑う] とはいえ、あやつがかりんとうだと今回も信じるとは思えんがね![噴き出す]
 
レンフィールド博士: ご存じの通り、あなたの行いは多くのトラブルを引き起こしました。いくつかの通りや財産が壊され、私たちの記憶処理チームは状況の隠蔽のために東奔西走する羽目になりました。あなたは死にかけたし、不自由になりました。本当にそれだけの価値があったんですか?
 
SCP-746: [息をのむ] あぁ、そうだ!
 
レンフィールド博士: もうどんな立ち回りができなくなったとしても?
 
SCP-746: 正直なところ、儂はもう何年も楽しんだ。最後に馬鹿な鬼を弄れて楽しかったし、充分だ。だから言うのだよ、[英語で] 「華々しく終われ」とね。
  
<録音終了>

補遺 ████-746: SCP-746の確保に関与したSCP-████実例は、攻撃性のレベルが高まり、収容を突破しようとする兆候」を示しています。実例はSCP-746の場所に移動しようとし、サイト-66とSCP-746に危険をもたらします。実例の無力化は承認待ちです。無力化が承認されました。

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