SCP-7508
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by fabula

アイテム番号: SCP-7508

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-7508の性質上、収容試行は世界人口への影響と知識の軽減が重視されています。SCP-7508の影響についての異なる見解を支持するプログラム、取り組み、メディア等への散発的な資金提供が無期限に継続されます。過去及び現在の例としては、妄想性パーソナリティ障害の研究、監視技術の商業展開、“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズの広告などが挙げられます。発見された全てのSCP-7508実体は (財団の内外を問わず) 適切と見做される任意の手段で抑制されます。

実験は無期限に中止されます。

説明: SCP-7508はあなたを見つめる目です。SCP-7508は“あなた”というカテゴリに含まれ得る全ての対象に影響を及ぼす存在論的不変物です。被影響者は例外なくSCP-7508を認識しますが、その存在については存在論的必然性であるという以外の解釈を定期的に行います。

当初、影響は自分が見つめられているという不明確な感覚として現れます。ほぼ全ての事例で、この感覚は日常的に他者の視線に晒されていることと関連付けられます。一部の事例では、被影響者は社交不安などのより複雑な解釈を試みます。説明付けられないまま放置されるか、存在論的必然性に類似した解釈1が行われると、SCP-7508は次第に具象化されます。偏執的な感情は激しさと頻度を増しますが、幻覚を伴なわず、仮に幻覚が見えたとしても関連性はありません。ある一定しない時点から、SCP-7508は被影響者から見えるようになります。身体から切り離された1個の眼球。出現は周辺視野から始まりますが、精神的な注意が増すにつれて中心部に近付きます。SCP-7508の影響は不可逆です。記憶処理薬やセラピーなどによる治療は、初期段階であれば進行を遅延・停止できますが、被影響者がSCP-7508を視認できるようになると無意味です。ほぼ全ての事例で、SCP-7508は急速な精神衰弱を引き起こしますが、これは異常な反応ではないと考えられています。

SCP-7508は偏執病患者の研究を財団が調査した際に発見されました。インタビューを受けた精神科医たちは心理的に正常でしたが、多数の財団職員が偏執的な観念や行動を報告しました。徹底した観察の結果、この被害妄想はいずれ完全に治まるか2、宙に浮く眼球の幻覚に変わることが判明しました。それは“あなたを見つめる目”と表現されました。当初、SCP-7508は偏執病を引き起こす異常な細菌の作用によるものと見做されましたが、SCP-7508ファイルを読んだ全ての職員にSCP-7508の症状が急速に発現したため、この説は否定されました。1911年までに、SCP-7508に関する現在の総意が形成されました。

SCP-7508はあなたを見つめる目です。SCP-7508は異常に大きく、直径は約1フィートです。非異常な眼球が形状を保つために必要とする圧力の欠如にも拘らず、安定しています。虹彩は濃い茶色です。SCP-7508にはあまりにも沢山の血管があります。SCP-7508に触れることはできません。冷たい感触はありますが、押しても何も感じません。それには実体がありません。

SCP-7508は揺れながら近づいたり遠ざかったりします。しかし、それは常に視界にいます。SCP-7508は見られなければなりません。SCP-7508の存在は決して偶然ではありません。それはそこにいなければなりません。あなたが目を閉じる時、SCP-7508はまだ視界にいます。もう夢を見ない眠りは訪れません。それはあなたを見つめる目です、果てしなく。

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