SCP-7525-EX


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財団記録・情報保安管理局からの通達

大規模なデータベース破壊を回避するために取られた強硬手段のため、当該ファイルのSCP分類は傍観者には不正確に見える可能性があります。財団職員は傍観者ではないということを忘れてはならず、また、罰則としてデータベース権限の抹消が行われるため、当該分類を「修正」することを控えなければなりません。

—RAISA管理官、マリア・ジョーンズ



slot%20goblin.png

SCP-5257-1.

特別収容プロトコル: SCP-7525-EXは存在しません。SCP-7525-EXのファイル自体が、SCP-5257に分類された現象の主要な収容装置です。このデータベーススロットの使用は、異常性を有したままのSCP-5257に関係する情報を記録する唯一の実用的手段です。


説明: SCP-5257は、以前SCiPNETサーバーに感染していた「トロイの木馬」ウイルスであり、現在はSCP-5257、SCP-5257-EX、SCP-7525-EXのデータベースファイルに隔離されています。前者2ファイルは2021年5月17日時点でオフライン状態になっています。いかなる閲覧の試みも、エラーもしくはサイト-19の技術部門からの通告を発生させます。

最近まで、SCP-5257はSCPデータベースのスロットに対して日和見的破壊行為を行っていました。直後に公的使用が予定されているデータベースの空きスロットと関係する傾向があるため、限定的な予測能力を持つとされます。統計的な分析から、以下のような優先傾向の序列が確立されました。

  1. SCP-1000以下のスロット
  2. ファイルの内容に関係する番号を持つスロット
  3. SCP-2000以下のスロット
  4. ユーモアのある関連付けがある番号を持つスロット
  5. SCP-3000以下のスロット
  6. 美的、音的に快い番号を持つスロット
  7. SCP-4000以下のスロット

SCP-5257は既存データを破損させ、不要かつ無関係な新しいデータであるSCP-5257-1を挿入することによって攻撃を行いましたが、担当の財団職員によって許可された編集の差し戻しが行われました。

SCP-5257-1は、SCP-5257の影響を受けた各スロットに出現したslot_goblin.pngというファイル名の画像です。左下と右下に鏡合わせになったスパイダーマンシリーズのグリーン・ゴブリンに扮した男性の2枚の画像と、綺麗な線画で描画されたゴブリンが描かれています。「スロット・ゴブリンによってお前はゴブリンになった」(原文ママ)と「お前もお前のスロットもカスだ」(原文ママ)がそれぞれ画像上部と下部に表示されています。

画像自体は非異常1とされていますが、影響を受けたファイルから削除することは非常に困難であり、SCiPNET全体から根絶することは完全に不可能であることが証明されています。現在はSCP-7525-EXに隔離されています。

補遺5257.1: 事案記録

以下は、SCP財団データベース内のSCP-5257の活動に関連する特筆すべき事案の記録です。

2015/02/07: エージェント・ラメントは、SCP-1848スロットにSCPファイルをアップロードしました。SCPファイルと一目で区別するために、非公式に使用されていたファイルの「共通名」は、投稿当初から[アクセス拒否]となっています。これを修正するあらゆる試みは、「おっと」という編集コメントがついて元に戻るだけという結果に終わります。
困らせないでくれ、もう引退したんだ — エージェント・T.ラメント

2015/05/13: 最初に「スロット・ゴブリン」の画像が発生したのは、SCP-5257のファイルが破損した際でした。この異常は内部的にSCP-5257と分類されましたが、関連したファイルの影響でデータをアップロードしようとすると、「お前はスロット・ゴブリンを定義できねえ!」という編集コメントと共に何度も差し戻しが行われました。
SCiPNET全てを止めない限り、直すことはできないだろう — M.ジョーンズ管理官
コイツを逃す気はない — P.ラグー管理官

2019/07/21: SCP-5257によって、データベース内の全未使用スロットが破壊されました。スロット内部には財団の資料に記載がない、不正確な異常実体についての未発表の短い下書きが含まれていました。その完成度は実験記録のある記述が完全なものから、特別収容プロトコルの断片、全く意味不明なものまで存在しました。編集コメントには、「どうやって投稿したらいいの」、「製作中 消すな」、「笑 取ったわ」などが含まれていました。
このゴミを掃除するのにも疲れてきたよ — H.スターメイトン

2020/10/14: カルヴィン研究員のアカウントは、ExplainedクラスのSCPファイルをSCP-5025-EXではなく、メインリストのSCP-5025スロットにアップロードしました。編集コメントには「ガイド読んでなかったわw」と書かれていました。カルヴィン研究員はファイルのアップロードを否定し、正規の手順の破壊について同僚から大きな反発を受けたと報告しました。
ここに問題があるとは思えない — R.ハウス管理官

2021/03/20: ブランク博士とマックドクトラート博士は、「REISNO Cannon2」と呼ばれるオブジェクトのためにSCPファイルを作成しました。当該アイテムがSCP-5242SCP-5243の両方とテーマ的に関連することから、両博士はSCP-5244スロットを希望しました。スロットは1年近く未使用でした。両博士はRAISAのジョーンズ管理官に希望を伝えましたが、「笑 8ヶ月もあったのにな」という編集コメントと共に、SCP-5257によってスロットが1時間以内に破壊されました。
調査には8ヶ月以上かかった。クソが — H.ブランク博士

2021/05/17: 急激な技術的介入が続いたことにより、RAISAはSCP-5257のメインリスト上の活動を当該スロットに隔離することに成功しました。関連画像を抑制する試みは、異常を説明するSCP-5257-EXスロットが作成されるまで成功しませんでした。作成時点で、画像(及び更なる破壊行為)はSCP-5257-EXスロットに移されました。元のスロットの損傷は現在回復不可能であり、殆どの端末において、記録された試行の内の約50%でファイルの読み込みができませんでした。

更新: 現在、SCP-5257はSCP-5257-EXファイルを永久に無効化しています。その内容は、現在のファイルであるSCP-7525-EXに移行されました。SCP-7525-EXは理由が不明のまま安定しています。

補遺5257.2: 機動部隊による調査

WALDO.aicは追跡を行うため、SCP-5257ファイルにアップロードされました。次にSCP-5257-1のアップロードが行われ、アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、デラウェア州立森林公園に発信地のピンが打たれました。このアップデートに付随する編集コメントには「捕まえられるなら捕まえてごらん ;)」と記載されており、WALDO.aicは影響を受けたファイルから強制的に削除されました。

機動部隊φ-103"吠声と咬合"の構成員2名が目標地点に配備されました。

転写


構成員
司令 - V.ブラウンリー博士
φ-103-6 シカモア
φ-103-34 ウィロウ


«記録開始»

(遠方に人工的に彫られた大きな木の切り株が見える。目を凝らすと、窓や稼働中の煙突などの建築的特徴が存在する。)

φ-103 | シカモア: 敷地内に侵入する。

司令: 了解。

(φ-シカモアは、切り株から概ねドアの形をした樹皮を引く。内部には、2002年に発売された緑色のiMacのミニチュア版が設置されている。モニターにはSCP-5257-1が表示され、その下部には「アップロード」と書かれた赤いボタンがある。)

φ-103 | ウィロウ: そこ、覗き込めるか?

φ-103 | シカモア: ああ。

(φ-シカモアはアクションカメラを外し、手に所持している。シカモアは録画を開始し、切り株の中に手を入れ、前腕部に装着したディスプレイで様子を確認する。)

φ-103 | シカモア: 見えるか?

司令: 問題ない。

φ-103 | ウィロウ: 問題ない。

(φ-シカモアはカメラをモニターに誘導し、静止させる。囁き声が聞こえる。)

φ-103 | ウィロウ: なんだあれ?

司令: 机を退かしてくれ。

φ-103 | シカモア: 了解。

(φ-シカモアが机とモニターを強く叩くと、縮こまったゴブリンを模した高さ2mのオートマトンが現れる。生物は周囲の木や枝葉で構成され、金属製の設備に接続されているように見える。)

司令: あれは何だ?

φ-103 | シカモア: 危険はないように見える。回収の許可を。

司令: 許可する。

(φ-シカモアはオートマトン─以降、SCP-5257-2を掴み、切り株から引き抜く。)

φ-103 | シカモア: クソが!

(SCP-5257-2が落下する。)

φ-103 | シカモア: コイツ噛みやがった!

φ-103 | ウィロウ: 切り株に逃げたな。

司令: わかった、なら新しい策で行こう。

φ-103 | ウィロウ: ネットか?

司令: そうだ。

(チームの下にSCP-5257-2が戻ってくる。その手には封蝋が施された手紙を所持している。)

φ-103 | ウィロウ: なるほど、ならネットは要らない。

φ-103 | シカモア: アイツの近くに手を出したくないがな。

(SCP-5257-2は手紙を空中に突き出す。)

司令: 我々は手紙を受け取る必要がある。

φ-103 | シカモア: 何を言って──

φ-103 | ウィロウ: 落とせ!落とすんだ!

(SCP-5257-2はφ-ウィロウの命令に従う。φ-シカモアは回収し、文書の開封を行う。)

φ-103 | ウィロウ: いい子だ。

マリオ・アンダーソン作

変なものでファイルを埋めるのが生きる目的のゴブリン。なんて退屈で悲しいのだろうか。

~ Are We Cool Yet? ~

φ-103 | シカモア: オリジナルですらないのか。

φ-103 | ウィロウ: 時間を無駄にしちまった。

(φ-シカモアは手紙を破る。SCP-5257-2は彼のすねを殴り始める。)

φ-103 | シカモア: お返しだ、バカが。

(φ-シカモアはSCP-5257-2を切り株の中に蹴り入れると、SCP-5257-2の頭が身体から切り離される。)

«記録終了»

SCP-5257-2の修復は失敗に終わり、Decomissionedクラスの準アノマリーに指定されました。このような状況にも関わらず、SCP-5257は依然活動中であり、SCP-5257-1はその欠失にも関わらず出現し続けています。更なるSCP-5257-2が存在するかは不明であり、調査が続けられています。お前にスロット・ゴブリンは止められない。

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