アイテム番号: SCP-760
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 各SCP-760の個体は個別の収容エリアに収容されます。これらの収容エリアのドアの鍵は毎月変更します。██gの栄養豊富なペーストを日に一度食事として与えます。個体間の社会的相互作用やそれにより起こる精神的な出来事を観測する目的の実験を除いて、ある個体を別の個体に会わせてはいけません。各収容エリアには最低でも2名の武装した警備員を配置します。
各収容エリアは40ワット未満の電球1つで明かりを点け、高感度の監視カメラを設置します。設置器具に不具合が発生した場合は、SCP-760が保守設備を分解する傾向があるため、可能な限り早く器具を手動で交換します。
職員は不要であったり必要でなくなった物品を、現在の財団規則に違反しておらず監督研究員の承認を受けた場合には、SCP-760個体に与える事が許可されています。SCP-760への寄付としてリクエストされた物品には以下のものが含まれます:
- 車の鍵(拒否)
- 壊れた時計(承認)
- ルービック・キューブ(承認)
- 日々のごみ(拒否)
- 壊れた財団のコンピュータ(ハードドライブが抜いてある条件で承認)
説明: SCP-760は漠然と人間に似た動物であり、これまでに3体のみが財団により獲得されています。SCP-760の骨格および筋肉組織は人間のそれと大きく異なっており、最も顕著なその違いは胴体から垂直に足が突き出ていることと、猿のように湾曲した背骨があるために4本足での歩行を好むことです。他の注目に値する点は、それぞれの指に1つ追加の関節があることと、平均して150%の関節自由度を持つことです。これによりSCP-760は平均的な人間よりも遥かに柔軟性があり、このことは食事中のSCP-760の個体を助けます。
人間の顔に対応する場所には、SCP-760の髪の塊があります。髪は暗闇での視覚を可能にする、何らかの種のセンサ機能を持っているようです。髪の下に耳や鼻、口はありません。しかし、”顔”の皮膚はスピーカーのような発音システムの一部としてぴんと張られています。SCP-760はドラムヘッドのようにその皮膚を振動させることのできる筋肉構造を頭の前方に持っています。さらなる観察により、この発音構造は開いて口として機能することも発見されました。口の中には舌があり、約40cmの長さで柔軟ですが粗い手触りをしています。
SCP-760の表皮は光に反応し、SCP-760を不可視化します。これはSCP-760の皮膚の約78%を占める複雑な反射[データ削除済]システムにより行われます。SCP-760の頭にある髪も同様に消えます。生物学的な解析は髪の組成がホッキョクグマのものと似ていることを示しています。しかし光が暗くなると効果は消えていき、とても暗い光のなかでは完全にSCP-760を見ることが可能です。皮膚を除去することもこの効果を抑制します。そしてこれは実際に皮膚が除去された範囲以上の範囲で影響するため、SCP-760の不可視性は体のどの部分であれ、周りの部分も同等の機能を持っていることが必要であることを示唆しています。また北緯██度あるいは南緯██度近辺の日照時間と同等の時間以上光に照らされると、SCP-760が苛立ちを見せるようになることも注目に値します。
SCP-760の個体は通常の環境では非常に従順です。彼らは犬や霊長類に似た行動を示すため、比較的彼らが何を考えているのかを理解することは容易です。彼らは概して好奇心を持った生物です。収容エリアに置かれたどのような物体も、彼らは徹底的に調べます。彼らは新しい物で遊ぶことを楽しんでいるようであり、特に物を分解し部品を調べることを楽しむようです。また彼らは物事がどのように動くのかを解明することを楽しんでいるようであり、何かを学ぼうとしている限り彼らは収容エリアにいることに完全に満足しています。職員からの寄付により、彼らの新しいオブジェクトへの要求を満たし続けることができる以上の物品が集まっています。
一般的に言って収容エリアへ入ることは安全であり、SCP-760の個体は人の存在に対して喜ぶようであるか無関心であるかのどちらかを示します。彼らは人間に対して子供のような態度をとり、ほぼ常に親切です。SCP-760の個体は特に眠っている人間に興味を持つようです。このことを調査する実験では、SCP-760は人間の分泌物や無機物を餌とすることが明らかになりました。眠っている人間が与えられると、SCP-760は慎重に体を被験者の上へ、もし被験者が仰向けならばその胸に乗り、█から██分の間約20dBで発声を開始します。この発声は被験者の徐波睡眠を██%促進する効果があるようであり、被験者が目覚める確率を大きく下げます。この効果をもたらす正確なメカニズムは不明ですが、これには[編集済]が関係していると考えられています。残りの█%の間、被験者はほとんど発声の効果を受けずいくらかの意識を取り戻すことがあります。何名かの被験者はこの経験を金縛りと関連付けて報告しており、目が覚めて部屋の中にいる”人間でないもの”の存在に気づいたが動くことができなかったと述べています。
この時間の後、SCP-760は舌を利用して、目やにや死んだ皮膚細胞、にきびや[編集済]などの、被験者の簡単に入手できる分泌物を消費します。この過程は被験者にとって主に無害であると観測されます。しかし実験の観測では、もし被験者が睡眠の最中に動いたり外部で事件が発生したりするとSCP-760が驚いて被験者に追加の力を加える事が示唆されており、何件かでは痛みや軽いあざを起こしました。
補遺760-01: SCP-760の不可視性を武器に転用する研究は承認待ちです。
補遺760-02: 20██/██/██、SCP-760の初めての発見から86日後に別のSCP-760個体が獲得され、SCP-760が独立した生物ではなくある生物種の一員であることが判明しました。以前収容された個体はSCP-760-01に再分類され、新しく獲得された個体はSCP-760-02と分類されました。2個体の社会的相互作用に関する研究は、SCP-760-02がセクター-05に到着した直後に開始されました。
補遺760-03: SCP-760-01および02がある種の交尾のように見えることを行なうことが観測され、それは█時間の連続した間継続的に互いに”叫ぶ”ことと[データ削除済]を伴いました。即座にSCP-760-01の治療が必要となる結果となり、またSCP-760の個体が雌雄同体であることも分かりました。
補遺760-03: SCP-760-02は子供を産みました。対象はSCP-760-03と呼ばれます。
事件報告760-01-I: 20██/██/██、およそ21時48分、SCP-760-01の収容エリアの警備員が勤務中に眠りに落ちました。SCP-760-01はどのようにしてかこのことを”見る”ことができ、これは顔の上にある髪が壁を通じて感知したことを示唆しています。SCP-760-01は収容ドアに近づき内部からドアを部分的に分解しました。これにはおよそ█時間かかり、そして眠っている警備員を餌にし始めました。通路の明かりによりSCP-760-1のカモフラージュが発動していたために他の警備員はこのことに気が付きませんでしたが、何が起こっているのかを理解すると即座にSCP-760-01を説得して収容エリアに戻しました。