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SCP-7605 “万策尽きて” by: DrAkimoto
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財団内部保安部門より通達
このファイルは不審な活動の疑いがあるものとしてフラグ付けされており、現在調査中です。
— 内部保安部門 (ISD) 、ロメオ1 隊長、スティーヴン・クッゾ
特別収容プロトコル
SCP-7605は現在未収容です。サイト-51保安チーム チャーリーが、SCP-7605の調査と最終的な捕獲を担当しています。
合計26台の監視カメラが、サイト-51駐車場の地下2階・3階・5階の見晴らしの良い各所に追加設置されています。また、カメラに加えて、異常・非異常双方の様々なセンサーが配備されています。財団職員は地下1階・4階・6階の指定ゾーンに駐車するように指示されています。リンカーン・メイヤー次席研究員と保安チーム チャーリーを除いて、地下2階・3階・5階への立ち入りは固く禁止されています。
全てのSCP-7605被害者は、金銭補償申請書 (A1Y-O) をサイト-51人事部門に提出してください。補償金はサイト-51の補助基金から配分されます。
説明
SCP-7605はサイト-51の駐車場に出現した起源不詳の実体です。SCP-7605の外見の記録は1回しか撮影されていませんが、未知の粘性物質で構成された、6本の体肢を有する不定形の存在であるように見受けられます。その行動を基に、SCP-7605はロジウム、パラジウム、プラチナを摂取して生きている、或いは少なくともこれらの成分を含有する物体に引き寄せられると仮定されています。
検証可能な証拠が欠如しているため、SCP-7605に関してこれ以上の情報は得られていません。
補遺7605/1:
財団は2022/11/14、サイト-51駐車場 地下2階の車両から合計12個の触媒コンバーターが盗難された際に、初めてSCP-7605と遭遇しました。保安チーム チャーリーは当該事件の調査を命じられました。地下2階周辺に8個のカメラが追加され、他の地下階でも巡回が行われるようになりました。
補遺7605/2:

触媒コンバーターを持ったSCP-7605。
2022/11/17の夜、地下5階で13個の触媒コンバーターが盗難されました。この侵入事件に際して、SCP-7605の唯一の写真記録がリック・デーリー警備員によって撮影されました。翌朝、メイヤー次席研究員はSCP-7605の調査・分類を志願し、保安チーム チャーリーの隊員数名から協力を募りました。
以下のデーリー警備員へのインタビューは、対応チームの承認が下りてから間もなく行われました。
補遺7605/3:
2022/11/21、地下3階で更に32台の車両から触媒コンバーターが取り外されました。いずれの事例でも、SCP-7605は盗難被害を受けた車両の付近に設置されたカメラを回避、または破壊しました。ノエル・ライト警備員は地下3階での警備中にSCP-7605から接近されました。身の危険を感じたライト警備員が標準支給の携行銃器で発砲したところ、SCP-7605は甲高い音を発した後、痕跡を残さずに崩壊しました。以下のインタビューは当該事案の直後に実施されました。
更なる侵入事案が発生しない場合、SCP-7605は無力化したものと見做されます。盗難された触媒コンバーターは回収されていません。
内部保安部門 事案報告書:
対応チームがSCP-7605を捕獲できなかったことを受けて、追加の保安プロトコルがサイト-51に秘密裏に導入され、ISD調査チーム ロメオ1によって実行されました。これらの保安プロトコルの1つは、施設に入退場する全ての車両に、密かにレーダー・スクリーニング装置を取り付けるというものでした。
2022/11/21、財団サイト保安部門のバンが駐車場を退出する際、新しく導入された装置によって検知されました。車内からはノエル・ライト警備員とリンカーン・メイヤー次席研究員、並びに様々な製造元やモデルの触媒コンバーター57個が発見されました。これらのコンバーターを拘束された両者が入手したのか、SCP-7605の調査の結果として発見したのかは不明確です。
両者は調査チームへの協力を拒絶し、現在は拘留下で懲戒裁判待ちとなっています。特筆すべきことに、リック・デーリー警備員が翌日の夜に出勤せず、それ以来目撃されていません。彼のアパートを捜索した調査チームは、デーリー警備員が自らの意志で逃走したと結論付けました。
SCP-7605の調査は懲戒委員会に引き継がれ、再分類待ちです。本件を受けて、サイト-51管理官 ウィリアム・モンタギュー博士は、以前却下していた職員給与増額の承認を検討中です。