SCP-7670
評価: +9+x
アイテム番号: 7670
レベル4
収容クラス:
euclid
副次クラス:
{$secondary-class}
撹乱クラス:
vlam
リスククラス:
danger

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SCP-7670の左目。

特別収容プロトコル: SCP-7670はサイト-19の安全な異常動物用囲い場に収容されています。如何なる状況でも、財団職員が直接SCP-7670と交流することは認められません — SCP-7670を現在地から移送する必要が生じた場合は、まず窓の無い遮音性の収容容器に入れ、出発地と目的地の間では常に密閉された状態に維持しなければなりません。SCP-7670には1日3回給餌し、収容室の整備は自動システム (可能な場合) か、聴力・視力を喪失したDクラス職員が行う必要があります。SCP-7670の映像伝送は現在のところ認識災害とは考えられていませんが、音声伝送は媒体であることが確定しており、何としても避けるべきです。

SCP-7670と交流する人物は、被験者のみに制限しなければなりません。SCP-7670の収容に携わるにあたって不穏な悪夢、幻視、幻聴を報告した人物は、評価及び調査のためにSCP-7670研究チームの拘留下に置かれます。

説明: SCP-7670はトルコ東部のアルメニア高地、カチマズ村付近で発見された1匹のヤギ (Capra hircus) とその左目の総称です。SCP-7670に右目はありません。

SCP-7670の宿主であるヤギは実質的な不死 — 完全な破壊耐性を有する — であり、その種としては特異な行動を見せます。SCP-7670には飲食する必要がありませんが、容易に食物や水を得られる環境ではより頻繁に眠り、その間は目を閉じたままです。ヤギはその他の点では異様に従順ですが、監視されている際には異常なほど敏感にそれを察知します。この特定の行動がどの程度SCP-7670の左目に起因するかは判然としないものの、SCP-7670は食事や睡眠を摂っていない時に収容室の隠しカメラを凝視している様子が幾度も確認されています。

SCP-7670は多数の異常性を示します。SCP-7670の目を直接見た人物は、しばしば奇怪かつ異常な幻視や恐ろしい悪夢を経験します。これらの類似点として指摘された要素には以下が含まれます。

  • 光り輝く姿の幻視
  • 差し伸べられる手の幻視
  • 激しい出血の幻視
  • パニックとパラノイアの感覚
  • 監視されている感覚
  • 尾行されている感覚
  • 裏切りの感覚
  • 裁かれている感覚
  • 落下する感覚
  • 眩しい光の感覚
  • 強烈な熱の感覚

現在、これらの幻覚を軽減する手段は確立されていません — 記憶処理薬を投与された職員は、上記の幻視や感覚を報告し続ける一方で、それらの原因を思い出せません。この混乱はしばしば影響者の不安を著しく増大させるため、記憶処理はもはや影響者のストレスへの対応策としては推奨されません。

影響者はまた、覚醒中と睡眠中の両方で幻聴が聞こえるとも報告します。これらの幻聴はしばしば、付随する現象をよりトラウマ的にしたものだと述べられており、影響者は多くの場合、過激な方法で苦痛を緩和しようとします。典型的には、影響者はまず聴力喪失を試み、それで声が聞こえなくなるわけではないと気付くと、実行可能な任意の手段で自殺しようとするか、より極端な事例では、自らの頭蓋骨をこじ開けて頭の中の音源に接触しようとします。

SCP-7670の性質上、これらの現象の正確な文書資料は入手困難であり、継続的な調査の対象となっています。SCP-7670が人間に及ぼした影響についての最も包括的な記述は、16世紀のアルメニア人僧侶、サハグ・ザディアンの著作集に由来します。ザディアンの記述はSCP-7670を異常実体として認識した最初の文書記録だと考えられているものの、現在のトルコ東部及び南東部の同じ地域で書かれたそれ以前の文書にも、出所の定かでない宗教熱の奇抜な事例が数多く記録されており、その多くは現在ではSCP-7670の影響によるものだと見做されています。ザディアンによる記述の大部分は、SCP-7670の影響者が経験したパラノイア、恐怖心、落下や炎上の幻覚に関する説明の集積です。

最後に、SCP-7670自体は遺伝的にヤギであるのに対して、左目はヤギではありません。目から採取された物質の遺伝子配列解析で決定的な結論は得られていません。


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