アイテム番号: SCP-769-JP
オブジェクトクラス: Keter Euclid
特別収容プロトコル: SCP-769-JP、およびSCP-769-JP-1はサイト-81██の標準収容コンテナに保管されています。SCP-769-JPが活性化し、SCP-769-JP-1が射出された場合、SCP-769-JP-1に取り付けられた発信機をもとに追跡を行ってください。生命体にSCP-769-JP-1が着弾した場合、その犠牲者を回収します。その他、SCP-769-JP-1が着弾した生命体に何か問題がある場合、レベル3以上の職員の指示を仰いでください。(補遺1事案以降):SCP-769-JPが活性化することは当面の間無いと考えられます。
説明: SCP-769-JPは異常性を有した弾丸射出装置です。対象は197█年に奈良県で発見され、起源や作成者は分かっていません。全体部が錆ついているにもかかわらず、対象は極めて頑強です。20██年現在、有効な破壊、弾倉の取り外し、構成している金属のサンプル採取は成功していません。また、活性状態で無いSCP-769-JPを手動によって起動させる方法は未発見です。
SCP-769-JPはその内部の弾倉に、未知の方法でSCP-769-JP-1を生成します。SCP-769-JP-1は木製の球状物体であり、容易に破壊が可能です。また、後述の"射出"された場合を除いて、SCP-769-JPの弾倉から20cm以上離れるとSCP-769-JP-1は消失します。この性質のため、SCP-769-JP-1の詳細な検査は成されていません。射出や消失等によって弾倉内のSCP-769-JP-1の数が減少した場合、弾倉内に同数のSCP-769-JP-1が生成されます。20██年現在、弾倉内のSCP-769-JP-1の総数は68個であり、その全てに追跡用の特殊な小型発信機が取りつけられています。
SCP-769-JPは不定期に活性化し、SCP-769-JP-1を射出します。SCP-769-JPから射出されたSCP-769-JP-1は、「軌道が変化する」「物質を透過する」「速度の減衰が起こらない」といった、物理的法則を無視した動作をします。この異常性は、非常に小型の物体であれば、取り付けられた発信機のような異物にも作用します。これらはあくまでSCP-769-JPから射出された場合に発現し、その他の方法では現れません。SCP-769-JPの活性化は不定期と考えられますが、短時間の連射は確認されておらず、最低でも射出されたSCP-769-JP-1が生物に着弾するまで、新たにSCP-769-JP-1が射出されることは無いと推測されています。
射出されたSCP-769-JP-1は数分から数時間飛行を続けた後、哺乳類を発見すると、その哺乳類に着弾します。最初に発見した哺乳類が優先されるわけではないことから、SCP-769-JP-1は何らかの理由を持って着弾対象を選択していると考えられます。着弾後、ほとんどの場合着弾の衝撃によってその生物は即死し、SCP-769-JP-1は死体内で急速に"孵化"します。(以下、発生した生物をSCP-769-JP-2と表記)。
SCP-769-JP-2は未知の昆虫です。姿はカブトムシ(学名:Trypoxylus dichotomus)の幼虫とよく似ています。しかし、食性は肉食です。SCP-769-JP-2は犠牲者の内臓や筋肉を食べ続け、死体内で2日から3日を過ごします。その後、SCP-769-JP-2は死体内で蛹化します。回収されているJP-2の蛹はすべてカブトムシの雄のものであり、20██年現在、それらの羽化の様子は見られません。
「SCP-769-JPの活性化阻止」「SCP-769-JP-1の生産阻止」「射出されたSCP-769-JP-1の運動の停止」の方法は未発見です。これらの要因から、対象はKeterへ分類されました。(補遺1以前)
補遺1: 1982年9月1日午後1時24分、SCP-769-JPが活性化し、SCP-769-JP-1が射出されました。射出されたSCP-769-JP-1は、サイト-████に収容されているSCP-███-██が作り出す異空間に突入し、20██年現在も進行を続けています。SCP-769-JP-1に取り付けられた発信機から異空間内部の有効な調査が可能となりました。この事案以降、SCP-769-JPは活性化していません。頑強さ等の異常性は現在も有していることと、万が一の再活性化を考慮し、対象はEuclidに再分類されました。