アイテム番号: SCP-775
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-775との接触は、可能な限りロボットの支援を用いて実施されることになっています。人間による直接の接触が必要な場合は、全ての職員がMk2気圧装甲防護服の着用することが義務付けられています。防護服に裂け目が認められた場合には、対象を直ちに隔離し、侵入の兆候を検査してください。収容エリアは鋼板の層で覆い、全ての接合部と継ぎ目は構造の健全性を損なわない程度に可能な限り厳重にしなければなりません。2箇所の密閉されたエアロックが、収容エリアへの唯一のアクセスポイントとして保持されています。もしエアロック内で1匹でもSCP-775が発見された場合には、5分間あるいは全てのSCP-775が死滅するまでエアロック内を漂白剤で満たしてください。個体数を維持する為に、毎月収容エリア内に漂白剤を噴射してください。給餌はサイト司令部による判断でのみ実施され、2度[データ削除]を超える事は認められていません。
説明: SCP-775は、一般的にダニとして知られているマダニ科のクモ形類動物です。体が非常に大きく、未吸血状態の成虫のほとんどが5セント硬貨と同等の大きさになります。色は黒、赤、黄、灰、その他様々な色合いが存在します。脚数は幼虫のうちは6脚、成虫になると8脚となります。
小さく跳躍する事が可能で、固体表面沿いに素早く動きます。弾力性のある身体構造をしており、0.25cmの隙間を横這い状態で通り抜けることが可能ですが、一般的なダニと比較すると非常に頑丈で、粉砕、切断、引き裂きなどでもほぼ損傷させることは出来ません。食事中は体が通常の4倍の大きさにまで膨れ上がる為、僅かに移動力が低下します。脚部も非常に頑丈な為、コンクリートが少しずつ損傷していきます。
SCP-775の食事方法は一般的なダニと良く似ていますが、より大がかりな方法で行われます。まず、血流促進及びその他の組織を液化させる為に酵素を注入します。この酵素は皮膚の層を構成する組織以外の組織を全て攻撃するものです。SCP-775は満腹になるまで血液や液化した組織を食べ続けます。その後、宿主の周辺に20~30の卵嚢を産み付け、更に食事を続けます。
SCP-775の餌は脊椎動物であれば何でも良く、栄養素を全て食べ尽くすまで宿主のもとで繁殖し続けます。大体において、幼虫は皮膚下に穴を掘って直接液化した組織を餌にしようとします。最終的に宿主の体は完全に空洞化し、皮だけの状態になります。その後、SCP-775は皮膚を卵で埋め尽くして、また新しい宿主を探しに行きます。寄生の症状が進行した宿主は、身体中の至る所に存在するSCP-775によって「奇形化」もしくは「肥大化」したように見えると記録されています。 「巣」と化した皮膚は、皮膚の最大容量までSCP-775で満たされています。SCP-775の卵は平均24~30時間程度で孵化し、孵化から2日後には繁殖活動を実施する事が可能です。この加速的なライフサイクルと身体的損害への抵抗力により、SCP-775は爆発的な増殖を続けています。漂白剤の中に沈めると大部分が数分後に死ぬ事から、漂白剤はSCP-775の制御に有効と考えられます。
回収記録:
SCP-775と最初に遭遇したのは[データ削除]で、スタル一家が最初の感染者だったと見られています。回収チームは家の中で、██・スタル(██歳)と██・スタル(██歳)であると推測される成人男性と幼女の生存を確認しました。両者とも█ ████████ ██の侵入が非常に進行しており、識別が困難です。ほとんどのSCP-775が、対象者の手、足、顔、腹部に集中していました。残りの家族は、既に破裂し廃棄されたSCP-775の「巣」の状態で地下室で発見されました。家の中には数千単位のSCP-775が存在しており、「巣」として使用された残りの家族が、SCP-775によって地下室まで搬送されたのか、それともそこで自然死したのかは未確認です。巣から収集された痕跡はSCP-775の生態や繁殖周期がSCP-1655と部分的に共通することを示しており、いずれかの実体を含む巣を発見した場合はそれらを破壊しなければなりません。